OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ひとみの歌謡サンバ

2016-08-06 16:20:37 | 歌謡曲
他人同志のサンバ / 植田ひとみ (東芝)
 
同じブラジル音楽でも「ボサノバ」にはオシャレなイメージがあると思いますが、これが「サンバ」となると、何か下世話な風情も許されような気がしているのはサイケおやじだけでしょうか。
 
もちろん、それは本場ブラジルの音楽について、その本質や奥深さを知らぬが故の戯言でありましょう。
 
しかし、それでもサイケおやじがそんなふうに思ってしまうのは、我が国の歌謡曲に「サンバ」という言葉が用いられた楽曲諸々に、ど~しても特有の味わい、つまりは下世話さを感じてしまうからで、言い換えれば製作者側もそれを意図的に狙っていたのではなかろうか?
 
なぁ~んて妄想してしまうほど、歌謡曲における「サンバ」というジャンルにはリズム的興奮と情熱のメロディライン、さらには抑えきれない刹那の気持ちが綴られた歌詞がジャストミートの素敵な歌が数多世に出されてきたんじゃ~ないでしょうか。
 
昭和52(1977)年に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「他人同志のサンバ」も、全くその実証作みたいな仕上がりで、なにしろ作詞作曲が宇崎竜童でござんすよっ!
 
ですから、根底にあるのは歌謡ロックでもあり、猥雑&下世話な歌謡世界をロックという汎用性の高いジャンルで運用するべく率いていたダウン・タウン・ブギウギ・バンドや殊更女性歌謡スタアに提供していた自作曲と同じテイストがあるのは言うまでもありません。
 
ラテン系パーカッションやホイッスルが「サンバ」っぽさを強調すれば、歪みの効いたロック系ギターが暑苦しさを演出し、しかも歌っている植田ひとみの節回しには「アバズレの純情」が横溢しているんですから、これは内藤やす子あたりが吹き込んでも相当にイケたと思うばかり♪♪~♪
 
実際、曲メロには「想い出ぼろぼろ」みたいなキメも滲んでいるほどですし、もしも和田アキ子が歌っていたら、思わず「古い日記」みたない歌詞に胸キュンしてしまうかもしませんよ♪♪~♪
 
ところが、それが味わいの全てではないところが、この「他人同志のサンバ」の魅力であり、おそらくは山木幸三郎の編曲であろう演奏パートにはエレピの素敵な隠し味やジャジー&ソウルフルなストリングスが良い感じ♪♪~♪
 
実は植田ひとみは当時、局地的に人気があり、実力的にも認められていたジャズシンガーでして、ライブの現場やレコーディングセッションにも様々参加していながら、今日まで残された自分名義のレコードは極僅か……。
 
しかもその多くが、こうした歌謡曲、あるいはフュージョン系のレコードなもんですから、イノセントなジャズ者からは無視されていたという感じがサイケおやじにはあります。
 
ということは、天邪鬼なサイケおやじにとっては、なかなか掛け替えのない女性歌手であり、リアルタイムで彼女が好きだとジャズ仲間との集いで喋ってしまって白眼視された過去があろうとも、好きな人を好きと言って、何故悪いっ!
 
そんなこんなの気持ちもあるもんですから、如何にもそれっぽいメイク&衣装の植田ひとみのジャケ写を眺めながら聴く「他人同志のサンバ」には、グッと惹きつけられる気持ちを隠せないわけですよ♪♪~♪
 
ちなみに植田ひとみは正統派の4ビートやブルース&ソウルな歌唱だってもちろん得意で、現在でもライブ活動はやっていると思われますから、気になる皆様はそっち方面もお楽しみ下さいませ。
 
そして願わくば、以前はCD化もされていた歌謡曲系の音源もきっちり復刻されますように!
 
あぁ~、植田ひとみが好きだぁ~~~~~♪
コメント
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