OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

悲しき願いの汎用と普遍

2014-07-10 14:56:28 | Soul

悲しき願い / Santa Esmeralda (Fauves Puma / フィリップス)

名曲は不滅という真実は、今更云々する事も無い、まさにこの世の理ではありますが、それにしても「悲しき願い / Don't Let Me Be Misunderstood 」ほど、何時の世も、また世界の何処でもウケまくる歌は稀じゃ~ないでしょうか。

そのオリジナルは黒人歌手のニーナ・シモンが1964年に出したバージョンと言われていますが、曲の最初のアイディアは彼女の担当プロデューサーであったホレス・オットの妻が口ずさんだらしく、それを職業作家のベニー・ベンジャミン等々、数人の合作として完成されただけあって、件のオリジナルバージョンは粘っこいスローテンポに仕上がられていながら、後にはアニマルズのロックバージョンや尾藤イサオの歌謡ロックバージョン等々、如何様にも転用可能な、所謂「使える」メロディと歌詞は秀逸の極みと思います。

それは本日掲載のシングル盤A面曲としても、1977年に堂々のディスコサウンドに変身させられ、世界中で大ヒットした事でも明らかなんですが、キメとなっているのがラテンのリズムやスパニッシュ調の彩りである点は目からウロコ!?

実はその頃、日本ではあまりブームにはなりませんでしたが、サルサと称されたジャズロックとラテンミュージックが融合したようなダンス音楽がニューヨークから世界中に広まっていましたからねぇ~~、それがあってこそのサンタ・エスメラルダ版「悲しき願い / Don't Let Me Be Misunderstood 」の大ヒット!

その点は否めない事実だと思います。

ちなみにサンタ・エスメラルダは皆様ご推察のとおり、スタジオで作られた「実態の無いグループ」のひとつで、スタジオミュージシャンのリロイ・ゴメスがリードボーカル、他にニコラス・スコースキーとジーン・マヌエル・デ・スのソングライターコンビが共同で制作していたプロジェクトだったんですが、そりゃ~、もちろん売れるように努力した結果とはいえ、ここまで爆発的に世界を熱狂させるなんてこたぁ~、意想外と書けば失礼千万、でもねぇ~~~~♪

そこで業界の慣例として、忽ち営業用のサンタ・エスメラルダが結成され、露出度の高い衣装も魅力の女性ダンサーを2~5人ほど連れた羨ましき野郎が熱唱するスパニッシュディスコの「悲しき願い / Don't Let Me Be Misunderstood 」は、現在でもネット等々で映像がご覧になれるはずですが、この分かり易い衝撃度は温故知新の影響力も絶大で、前述した世界的なメガヒットに準ずるように我国でも、同曲を最大の持ちネタにしていた尾藤イサオが女性ダンサー&コーラスの2人組を連れた尾藤イサオ&ドーン名義の新バージョン「悲しき願い」を出したり、筒美京平が中原理恵の「東京ららばい」や山内恵美子の「太陽は泣いているセンセーション '78」等々を世に送り出した企画も忘れられません。

ということで、実はサイケおやじは今朝、某国への出張から帰ったんですが、その訪問先が失礼ながら、なんとも後進なところで、ほとんどの住民がケイタイを使っているのに、設置型の電話は無いに等しく、それゆえにネット環境も脆弱の極み……!?

もちろん高速回線なぁ~んてものは不安定状態で、どうにかネットには繋がっても、書き込みは不可能に近いんですからねぇ~~!?

言い訳になりますが、拙ブログの更新もストックを入れるのがやっとで、それゆえにレスも遅れてしまった事は、どうかご容赦下さいませ。

で、なんで本日がサンタ・エスメラルダ版「悲しき願い / Don't Let Me Be Misunderstood 」かと言えば、そういう土地柄ゆえかもしれませんが、これが現在でもディスコもどきの遊び場で、こちらが驚いたほど人気が継続していたからなんですよっ!

いゃ~、まさに OLD WAVE なサイケおやじは嬉しいやら、せつないやらの苦笑いだったというわけです。

そして当然ながら、そこで使われていたのは、LP収録のロングバージョンであった事を付け加えるのは、余計なお世話でしょうか。

それもまた、懐かしき1970年代の風情と思うばかりです。

コメント
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