OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

美代ちゃんの天然歌唱

2014-05-24 16:15:00 | 歌謡曲

虹の架け橋 / 浅田美代子 (Epic / CBSソニー)

現在ではバラエティ番組における「天然」、そしてドラマでは落ち着いた芝居を演じる浅田美代子も、昭和48(1973)年のデビュー当時は可愛いアイドルであり、その素人っぽい芝居や歌が殊更に憎めないほどの人気者でありました。

それは当時の高視聴率番組「時間ですよ(TBS)」や「寺内貫太郎一家(同)」での当たり役「お手伝いさんの美代ちゃん」というキャラがウケまくり、当たり前のように出したレコードでは、最初のシングル曲「赤い風船」から爆発的なヒットになっていったのですから、そこは素直に納得するのが昭和という時代の勢いと思うばかりです。

なにしろ彼女の場合、今でもネタにされるほどケタ違いの歌唱力は笑って許しての世界であり、それゆえにテレビの歌番組ではブラウン管の前のファンをハラハラドキドキさせていたという、それも視聴率に貢献していた伝説がっ!?

また同じ理由で、同業者からのイジメも辛辣だったいう逸話も自然の成り行きでしょうか。

さて、そこで本日掲載のシングル盤は昭和49(1974)年6月に出た、これがもちろんA面「虹の架け橋」は前述のテレビドラマ「寺内貫太郎一家」での劇中挿入歌だったわけです。

そしてご推察のとおり、作詞:安井かずみ&作曲:都倉俊一、さらには編曲:高田弘のヒット職人が浅田美代子の力量を勘案し、おそらくは苦労したにちがいないほどの傑作なんですよっ!

なんというか、和み優先の歌謡フォーク童謡とでも申しましょうか、実に危なっかしい節回しの妙を逆手に活かしたメロディ展開を捻り出した都倉俊一は天才じゃ~なかろうかっ!?

本当にそう思ってしまうんですよねぇ~~♪

ということで、あらためて言うまでもなく、浅田美代子のレコードは、そうした側面から楽しめば、全てが傑作曲揃いで、そんなこんなも昭和歌謡曲の大いなる全盛期の証なのでしょう。

ただし冷静に思い出してみれば、ヒット状況やレコードセールスでは、この「虹の架け橋」あたりが峠だったと言われていますし、本人が吉田拓郎との結婚から引退してしまえば、しばらくの間は「ネタ扱い」も止む無し……。

告白すれば、サイケおやじが浅田美代子が歌った楽曲レコードの仕上がりの奥深さに気がついたのは、件の引退期間中であり、必然的に私有盤は捨値扱いの中古ばっかりというわけです。

そして好きなのは、大ヒットしていた初期の作品よりも、後期のそっとしておきたいものばかりという、本日も天の邪鬼を露呈したところで、失礼させていただきます。

コメント (4)
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