OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ウキウキと魔法を信じる

2009-07-09 10:49:54 | Rock

魔法を信じるの? / The Lovin' Spoonful (Kama Sutra / 日本グラモフォン)

UFOやエスパーを頑なに信じているサイケおやじにしても、魔法? と正面から堂々と問われては、些かの躊躇を隠せません。

しかし、それがロックンロールの楽しさに直結しているのなら、結果はオーライ♪♪~♪ 例えば本日ご紹介のシングル曲に至っては、それが痛快なほどの潔さでした。

演じているラヴィン・スプーンフルはニョーヨークで結成された4人組で、メンバーはジョン・セバスチャン(vo,g,hca)、ザル・ヤノフスキー(vo,g)、スティーヴ・ブーン(b,g)、ジェリー・バトラー(ds) が、1965年にデビューした時の顔ぶれです。

そして最初のシングルヒットとなったのが、この「魔法を信じるの? / Do You Believe In Magic」で、アメリカでは1965年の夏から秋にかけて、チャートの上位を賑わせました。

ラヴィン・スプーンフルの音楽スタイルは所謂フォークロックでしょうが、同時期にデビューし、やはりフォークロックの雄として活躍したバーズとは似て非なる個性が顕著です。それは、どこかしら懐かしい味わいというか、温故知新の喜びが滲み出るようなメロディと歌いっぷりにあるようです。

実際、彼等のヒット曲の大半はジョン・セバスチャンが書き、この曲以降もますますの大ヒットを連発していくのですが、そこには白人伝来の民謡や黒人ブルース、そうした楽曲をシンプルに演奏していくジャグバンドのスタイルや楽しいロックンロールの味わいが、たまらない魅力♪♪~♪

この曲に関しても、とにかくウキウキしてくるようなメロディが浮かれた調子で演奏され、ハートウォームな歌とコーラスが実に分かり易いのですから、少年時代のサイケおやじはラジオで聴いた瞬間、足はレコード屋へ♪♪~♪ つまり貰ったばかの小遣いが夢散したのですが、後悔していません。

ちなみにアメリカでは1965年のヒットも、日本では、これが昭和42(1967)年にようやく出されたという、彼等のシングル盤としては、後追いの発売だったと記憶しています。

また邦題について、現在では「魔法を信じるかい?」になっているはずですが、それは我が国での発売元が日本コロムビアになってからだと思います。このあたりの会社間の駆け引きも当時の微妙な業界事情として、興味深々ですね。

肝心のラヴィン・スプーンフルは1967年頃までに大ヒットを連発し、それらはビートルズやストーンズにも影響を与えるほどのインパクトだったそうですが、当然ながらリアルタイムの我が国ではブレイクしていません。

おまけに、その全盛期にバンドが悪いクスリの捜査対象となり、ザル・ヤノフスキーがメンバーから外れて以降は落ち目の三度傘笠……。そういう時期になって、ようやく我が国でレコードが発売されても、それは無理からんものがありました。

しかし1970年代に入ってから、歌謡フォークの人気沸騰やオールディズのブームによって、日本でもラヴィン・スプーンフルがアルバム単位で復刻されたのは、時既に遅しだったかもしれませんが、有意義でした。サイケおやじにしても、そこであらためてラヴィン・スプーンフルを聴き、やっはり好きだと確信したのです。

ということで、結局は魔法を信じても良い気分にさせられるのが、この「魔法を信じるの?」というわけです。

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