ZZR1400GTR's Tagebuch(日記)

主に独逸・墺太利・瑞西・南チロルの欧州事情を発信。

彼の名はクラウス

2011-06-19 18:29:25 | ZZR1400
彼の名はクラウス、職業は日本での 「白バイ警官」 です。最近に仕事を通じて知り合い、意気投合したのですが、彼の走りには特徴があります。最初に一緒にツーリングに行った際に気が付いたのは、ほとんどブレーキをかけない、でもギクシャクしない、でした。あと、ブラインドカーブなんかでは決して 「無理をしない」 が、立ち上がりが早く慎重さを相殺していて、しかし安全度高い走りです。これって、言うは易く、行なうは難しです。

でも 「おまわりさんだから順法精神旺盛?」 と思いきや、アウトバーンの渋滞では真ん中走りまくりで、普通道の渋滞でも対向車線にはみ出すと言うより、堂々と対向車が来るまで対向車線の真ん中を走るので面喰いました。でも、「法定速度」 は守るのです。たとえ超過しても+20キロ迄で、それは罰金で済み点数が付かないからです。

「何らかの交通違反をすると職場でマズイことになるの?」 の質問に彼は、「全く影響ない」 でした。「休日にツーリング行くのは白バイ警官として何か問題ある?」 には、「問題って?」 て聞き返されたので、「日本でなら上司に計画表を出して許可が要るから黙って行ったり、だから万一交通取り締りに引っかかると必死に逃げるらしい、のような事も聞くんだけど ...」 って答えたら、大笑いされました、「それって、ジョークだろう?」 って。

ドイツの白バイのおまわりさんは、地元のバイクグループなんかのセーフティトレーニングや技術指導に呼ばれて、それも制服ではなく私服で自分のバイクで来て、とてもフレンドリー。その際にはクラブからの飲食のもてなしや報酬も当る前に受け取ります。元々、交通警察のおまわりさんたちは個人的にもクルマやバイクに興味がある人が多く、特に白バイ警官は十中八九 「趣味はバイク」 との事です。

「今までで面白かった出動って?」 と、この前に聞いたら、「幽霊が出るっていう110通報があって行くと、女性のお年寄りが "本気で心配" していたので、警察無線機を振り回して幽霊退治して見せ、感謝された。」 そうです。とても人間的な対応だと思いました。

倍の性能差、しかし ...

2011-06-19 07:27:41 | ZZR1400
BWMのR1100GS と カワサキの1400GTR(前期型) では、馬力での性能差が 「倍」 ほどもあります。()内は 1400GTR

・最高出力 80ps/6,750rpm (155ps/8,800rpm)
・最大トルク 9.9kg-m/5,250rpm (13.6kg-m/6,200rpm)

でも、峠に行くとそんな差は消えます。峠では 「馬力」 よりも 「トルク」 がもの言いますので、最大トルク発生回転数の基準点を5,000rpm あたりにすると 「どっこい」 です。後は、姿勢がブレーキ時でも安定するBMWのテレレバー構造の前サス回りとか、低重心をもたらしているボクサーエンジンとかが効いて、1100GS は侮れません。

この写真は、連日雨続きだった峠行の帰りでやっと晴れ間にあった時のものですが、峠でのBMWの 「どっこい」 だった戦闘力に改めて感心しました。アウトバーンに入ったら加速・最高速共に差があり過ぎて 1400GTR の方がアクセルを絞り気味に走らないとあっという間にちぎれてしまうのですが、峠では互角です。

馬力にかまけて直線で猛加速しても、次のカーブでオーバースピード気味になったりして 「楽しめない」 ことが多くなります。離しにかからず、抜きつ抜かれつにもならなければ、お互いに連れだったツーリングになって、リズムのようなものが生まれ 「連走の醍醐味」 のようなものが味わえるようです。

雨宿りの快

2011-06-18 20:22:25 | ZZR1400
これは南ドイツのバイエルン州の州都のミュンヘンに繋がるアウトバーン上での 「雨宿り」 です。この直前まで雨続きでしたが、朝から何時間も雨合羽を着込んでいたので、昼飯時に脱いでせいせいしていたのですが、食後の天気予報チェックで 「この先の降水確率20%」 を信じて、一か八かそのままで走り出しました。結果は、10キロも行かないうちに突然の大雨、時速150キロ位で後ろに雨粒を吹き飛ばせるようなヤワイ雨ではなく、その速度でも太ももに直接に雨粒が叩きつけられる様な強さだったので、慌ててアウトバーン上の陸橋の下に停車して雨をやり過ごすことにしました。しかし、10分、20分と待っても雨の勢いは一向に衰えず、「ええい」 で革ジャンを守る為に合羽の上だけを羽織って飛び出しました。

「なぜ下を穿かなかったのか」 は、長ブーツの下に膝から下を覆うプロテクターを着込んでいて、合羽のズボンの足首の出る口が狭いので、いろいろと脱がねばならず、「面倒くさかった」 のと、 「後は家まで300キロを切っていた」 ので、「濡れてもいいや」 だったのです。それでも、なるべく膝下が濡れないように大型免許試験を彷彿させるかのような 「ニーグリップ」 をして、後は飛ばすのみでした。結果は、膝上が腰下までビチョビチョ、でも膝下はそんなでもありませんでした。途中で給油の為に停まるも、「ここまで濡れたら今更ズボンを穿いても無駄」 とばかりに、家までそのままにして腰から下がだいぶ冷えてしまい、家に着いて10分後には熱~いお風呂にドボン。意外にこれは気持ち良いものでした。まるでサウナで茹だった後で水風呂にドボンするような爽快さでした。

こういう事があると、「全天候型」 の上下(ゴアテックス等)の方が良かったかなとも思いますが、防水性能のある新生地は手入れが面倒(シーズン終りの丸洗い、シーズン始めの特殊スプレー噴霧)で、夏場は当った虫や花粉が生地の目に入ってこびり付き 「汚く」 見えます。また、新生地は水は通さないものの、かなりの水を吸って重くなるのも難点です。そして、そんな服を着てレストラン等に入り難く、たとえ上着は脱げても下を脱ぐわけにはいきません。ライダーにとって、「天候に左右される」 「天気を先回りで読まねばならない」 は、 「面倒臭い」 反面、「種無しの梅干が物足りない」 と思う人が居る様に、「種のある梅干の入っているお結び」 の方が 「より美味しく」 感じられることがあり、返って 「食欲も湧く」、 と似たような理屈かもと思います。本来は苦となるライダーにとっての 「雨宿り」 も、「また楽し」 と考えることも出来そうです。

怪しい光

2011-06-18 10:47:30 | ZZR1400
「1400GTRに新たな光」 を与えてみました。材料費(極細電光菅4本、耐熱接着剤、緩衝剤、ビス、耐熱シリコン充填剤等)は邦貨で約1万円、作業時間約5時間、振動軽減・熱対策・風圧・防水などを考慮して、事前の加工や取付位置や固定の仕方を工夫してあります。既に千キロ位を、未舗装路、気温30度の中での渋滞、時速250キロ、大雨で試しましたが、「合格」 のようです。

エンジンをかけると通電するようにしてありますが、スイッチも見えないところに防水で付けてあります。ドイツではこの様なアクセサリーを走行中に点灯させるのは違反だからです。ハーレーやゴールドウィングなんかの電飾に比べれば可愛いものだと思いますが、彼等には超法規的な 「市民権」 のようなものが既にあります。些細な罰金も点数も積もればなんとかですので、これも工夫でしょう。

実際に点灯させてみると、「雰囲気」 を感じます。アメリカ映画の様に 「ロード」 を照らすことも考えましたが、1400GTRは「カウルのエラ」 が極端に大きく開口しているので、取付場所をここにしました。正解だったと思います。これで夜の街を流したりするとバイクが騒音だけではない+要因になるようで、アウトバーンでも追い抜きざまに相手のクルマの乗車員らの目を引くようです。

でも、一番楽しいのは、夜ツーの際に路肩に止めてちょっと一服なんて時にエンジンの音を聞きながら 「ボー」 っとこの 「怪しい光」 を見ることだったりします。ヘッドライトは明るすぎて興ざめする強さですので、こいつには 「緑色」 と相まって 「ちょうどよさ」 を感じます。バイクはよく 「相棒」 と呼ばれたりしますが、相棒からの 「シグナル」 のようなものが増えて楽しくなりました。

カワサキらしい!?

2011-06-15 04:30:18 | ZZR1400
これはカワサキショップにあった 「タレ幕」 です。赤い矢印の上には 「あなたの新しい人生がココから始まる!」 ってあります。その脇(左)のサブコピーも 「何を待ってる?乗っかってアクセルを開けろ!」 とあります。「カワサキらしい」 って思いました。このカワサキショップ (ZZR1400も1400GTRもココで購入)のオヤジさんは私と同年代、でも金髪で 「モヒカン」 なのです。このタレ幕をしみじみと見た後、彼のモヒカン頭を見て、「ベストマッチだな」 ってニヤニヤしていた 「本当の理由」 を、そこに居たドイツ人の誰もが予想だに出来なかったに違いありません。オヤジさんも 「何コイツニヤニヤしてんだ?」 って思ったでしょう。今、そんな事を夜中に 「思い出し笑い」 していました。

タイヤ新体験(雨天)

2011-06-13 20:10:25 | ZZR1400
終末に出張、といっても近所の人は 「ツーリング」 と思っているのですが、最近出たばかりの新タイヤの皮むきが終わったかどうか位の状態で、10個ほどアルペンの高所にある峠を上ったり下ったり、でした。普段と違ったのは、3日間全部が "雨天" だったという事です。

新タイヤはミシュランのパイロット・ロード3ですが、「排水性抜群」 で乾天での走りのような 「接地感」 に驚きました。濡れた路面のカーブで 「滑る」 気がしなかった(特に前輪)からです。イタリア -> オーストリア -> ドイツ への帰途、ドイツ側に入ってからマックで早い夕食を摂った時には天気が悪くなく、乾いたタイヤを見たらほぼ端まで使い切っていました。

このタイヤの前のもの、「2」 では、1400GTRでトップケース付きの時に時速200キロ以上で出てきたビビリのようなものが 「3」 では出なくなっていて、サスに変更はないので 「タイヤのせい(おかげ)」 なのかも知れませんが、検証し切れていません。

しかし、乾路面での性能が 「2」 並だったとしても、雨天での性能が 「段違い」 ですので、「戦闘力」 「安心感」 などの 「総合性能」 は格段にアップです。雨の中、トップケースも、左右のパニヤにも、満載の荷物を抱えて、右左に切り返して行くことに、醍醐味を感じたのです。タイヤでバイクの印象がこんなにも違ってくる好例だと思いました。

「足回り」 の2大要素、「サス」 と 「タイヤ」 の 「サス」 は幾らでも事後の 「調整」 が効きますが、タイヤは 「選ぶだけ」 「買うだけ」 で、ライダー側での一切の調整が効かない(メーカー指定の空気圧の変更は通常はナンセンス)パーツだけに、「何を選ぶか」 で 「走りの宿命」 が決まってしまいます。

良い買い物をしたと思います。