ZZR1400GTR's Tagebuch(日記)

主に独逸・墺太利・瑞西・南チロルの欧州事情を発信。

自然体

2011-10-23 19:32:21 | ZZR1400
このバイク、そして持ち主も 「自然体」 でした。このバイクで主にフランスのアルペンを走り回るのだそうです。「舗装路」 ではないことは確かですが、テントを積んでいって2~3週間の休暇を楽しむとかでした。ガソリンはいつも何とかなるそうです、そんな環境でも。

うーん、と唸ってしまいました。というのは、自分自身オンロード派で、どこかオフロードに興味はあるのですが、彼らがテントを張るような所、それも一人で行っても平気なのには驚いてしまうのです。

アルペンの山のてっぺん、それも見渡す限りの山々の中で見る 「星降る夜空」 そんな所には 「登山」 では行った事はあるものの、バイクで、一人で、テントでの野営、なんか 「ロマン」 を感じます。ある意味、「最高の贅沢の一つ」 なのかもです。

明るいガレージの中で立てられていたバイク、地元のバイクグループの飲み会でしたのでビールを飲みながらウロウロしていましたが、持ち主と話している内にどんどん彼の話の中に自分が引き込まれていくのを感じました。


アルペンの道 (三道三様)

2011-10-13 18:01:10 | ZZR1400
アルペンの道は3つ分けられて、「峠道」、「谷道」、「細道」 の3つです。地元でだけで買える地図に、「冬季通行止め」 「キャラバン通行禁止」 の印が付いてあるのが 「細道」 です。

峠道は詰まっていなければ 「言わずがな」 ですが、谷道はよりスピードが乗って面白く、景色も下から見上げる高山たちの姿が、「絵葉書」 となり易い峠道での対面の景色と違って、とても新鮮です。細道に至っては 「ちょろっと走りに来たよそ者」 には縁が無く、しかし、「峠道+谷道」 を足したような面白さがあります。峠道が 「初級」 、谷道が 「中級」 、細道が 「上級」 なんて感じです。

写真は 「谷道の始まり」 で撮ったものですが、「これから通る村々や、村と村を繋ぐ道々」 に想いを馳せて 「武者震い」 します。純粋にオンロードでないマシンなら、地図にかろうじて載っている未舗装道を上がった先の峠で火を起こしコーヒーを沸かしたり、食事を作ったりもできます。ただ、そのような人気の無い場所への単独行はお勧めしません。

今年も、もう 「秋」。あと三週間程で 「冬」 が始まって零下な日々が続きます。しかし、冬があるからバイクシーズンの始まりの春が輝くのもバイク乗りは知っていて、来年のツーリングの予定を 「飲み会」 で花咲かせる季節が到来です。今年は数日も乗れなかったバイク、仕事が押していたとは言え、「もっとなんとかならなかったのか」 の反省があります。

岐路に立つ

2011-10-06 03:41:44 | ZZR1400
今週の月曜(祝日)、家から既に500キロ近く走ってきてしまって、この写真の時点で既にお昼過ぎ。右に行けばステルビオ峠(passo Stelvio)とあり、「ここまで来たのだから、遠回りになるけれども、いっちょ通っていくか」と、少し停まって地図を広げて思案していました。真っ直ぐ行って帰路につくか、もう少しツーリングしていくか、でした。

峠の天辺は2757mで舗装された峠道としてはイタリアでは最高度な峠道、欧州アルペン街道でも2番目、最大傾斜15%、総延長約50キロの堂々たるものです。でも、峠には行かずに帰路に着きました。まだ家まで約500キロもあり、その半分以上は田舎道で、大型連休で晴天続きで明日からは平日と来れば、イタリアからオーストリアを通ってドイツに戻る大渋滞が予想されたからです。

予感は的中して、途中10回程の大渋滞に巻き込まれ、峠道では対向車線走りまくり、高速でも2車線の真ん中をくぐり抜けまくり、昼飯も夕飯も給油の際にお菓子類をかじっただけで済ませましたが、家に着いたのは夜の22時を回っていました。峠に行っていたら大回りになったので翌朝の帰宅になっていたでしょう。

バイカーにとって 「岐路に立つ」 って、「決断を迫られる瞬間」 です。ものの数秒の事もあるし、数分かけられることもあるでしょう。でも、数時間は無いと思います。だからこそ普段使わないような脳の領域まで(笑)使って様々な想いが去来しながらの取拾選択になるのですが、捨てるものが取るものに比べて 「魅力的」 な場合には 「残念な気持ち」 が生まれ、引きずりさえします。

1990年7月19日に立っていた場所

2011-10-05 04:07:49 | ZZR1400
この写真は今週の月曜(祝日)の昼のものですが、1990年7月19日にもここに立っていました。家から約500キロほど離れた場所です。当時、ここには女房も立っていました。新婚旅行の途中で立ち寄った 「水に浸かった教会」 があるレッシェン湖です。

21年前にも欧州でバイクに乗っていましたが、当時のバイクはスズキのナナハン、でもここには女房とクルマで来たのが最初で、バイクでは初めてでした。その後にバイクで来るような予感はありましたが、21年もかかった勘定です。

風光明媚な場所で、「天気のいい日にバイクでのんびり走る」 には最高です。今回は1泊2日の早回りでの千キロほどの個人的なツーリング(今年二度目)でしたので、「のんびり」 はできなかったのですが、「素晴らしいキャンプ場(テント可)」を見つけたので、来年に長期滞在をトライしようと考えています。

「キャンプ場」 と言っても、こちらでの主役は 「自走や牽引のキャラバン」 で、テントは脇役です。でも、食堂、売店、シャワー、電気、ガス、ガソリンスタンド等のインフラがばっちりで、テントは一人一晩数百円な場所代、安全でもあります。

その時々では考え付かないようなこと、そういった事が10年ではなく、20年単位で起こる、は不思議な感じでもあり、小感動もしました。でも、そんな感慨にふけっていたらイタリア人のバスの運転手さんに肩を叩かれ、「ここは観光バス専用の駐車スペースです」 って言われて、そそくさと先を急いだのでした。