ZZR1400GTR's Tagebuch(日記)

主に独逸・墺太利・瑞西・南チロルの欧州事情を発信。

さりげなさ

2010-10-29 19:49:48 | ZZR1400
「参りました」 が、このバイクを見た次の瞬間の想いでした。この 「さりげなさ」 は、すごいと考えました。「お会いしたい」 と願ったのですが、しばらくしても持ち主のライダーは現れませんでした。

つっかけて(ヘルメット)、のっけて(上着)、髪をとかして(推測です)、引っ掛けて(ブラシ)、の一連の動作が目に浮かぶようで、周りに対する何らの警戒心も感じられず、 「達観」 や 「悟り」 に支配された " 結界 " がその回りにありました。「あちき」 と自分の事を言う 「浮浪雲(はぐれぐも)」 の主人公を思い出したりもしました。

どうしても 「なれないもの」 「なりきれないもの」 の一つを、目の前に突きつけられた感じです。こんな人ばかりだったら、この世の中はもっともっと過ごし易いのではと信じますが、「無いものねだり」 の気も致します。自分に出来ないことを人様に期待しても仕方がありません。そういう方が居ると言う事を知れたことに、素直な喜びを感じて、しまいにすべきなのでしょう。

気持ちの穏やかな一日になれました。

突発事件

2010-10-26 18:14:16 | ZZR1400
ある日の晩、女房が仕事から帰ってきて、「クルマがおかしい」 と言いました。回転を上げていくと変な音がしてエンジン出力が上がらないとか。一度ガレージ前から出して近所を走ろうとしましたが、「エンスト」 のような状態が何度も起こって、坂をバックで辛うじて上がって駐車させ、結局は日本のJAFにあたるADACを呼ぶことにしました。お手上げです。

待つこと約1時間、ADACはやって来て、あれこれチェックして、「どうやら触媒回り」 らしいと言うことになって、「先月に3年保証を有料で2年延長しておいて良かったな」 なことを女房と話していました。しかし、翌日の夕方にはクルマを再び必要とすると女房が言うので、夜中の内にレッカーを呼んで朝の渋滞を避けて三菱の修理工場に運ぶことになったのです。

で、待つこと更に1時間、レッカーはやってきましたが、自走で乗せられるタイプではなく、引っ張り上げるタイプのが来てしまい、少し頭を抱えました。住宅密集地の夜中(既に0時過ぎ)、大型レッカー車のエンジンを掛けっぱなしな事態が予想されたからです。案の定、大型ヂィーゼルのけたたましい音がご近所に響き渡り、なるべく早くの作業実現のために、私のパジェロのエンジンを切った状態でライトで幇助したのが、この写真です。

しかし、また問題が発生。ADACとの契約で 「次の三菱まで」 との事らしく、20キロ以上離れた所の馴染みの修理工場に持って行こうとすると差額は実費と言われました。ネゴした結果(お兄さんに小額あげる手)、「直接に三菱ではなく、他のクルマを途中で引き取ることで目立たなくする」 にしてくれました。でも、そのおかげで、パジェロで付き添って、クルマを三菱前の邪魔のならないところに置いてもらい、馴染み客しか知らない 「秘密のポスト」 にメモと一緒に鍵を投げ込んで、帰宅できたのは朝の3時近くになっていました。

一眠りもすることなく仕事再開。朝食後に自分のクルマで女房を会社に連れて行き、寝れたのはお昼過ぎになってからでした。夕方にはクルマは修理されて、帰りがけに女房がピックアップして家に帰ってこれた次第です。原因は触媒回りではなく、インジェクション関係の電気コード類が劣化して ECU がオイタしていたとの事でした。ボンネット下の洗浄やコード類の交換で復旧したようです。

まさに男のバイク!?

2010-10-24 14:40:10 | ZZR1400
10月始めにドイツのケルンで開かれた INTERMOTO (インターモト・国際バイク見本市)、出展社1000社以上、入場者20万人以上で、まさに 「世界最大のバイクショー」 でした。

その会場で見かけた側車付きのURAL(ウラル・ロシア製)。そのお尻にぶら下がったフライパンに目が釘付けになりました。なんと飾り気の無いバイクだろうと思ったのです。学ランを着込み下駄を履いたバンカラな高校生が突然目の前に現れたかのようでした。

「究極にカッコ付けてないバイク」 としては、この URAL のように、新車生産されていて、しかも各国で車検が取れる車両は他に例が無い(中国製の軍用の同系車を除く)と思います。

もし、「男らしい」 を、 「無骨」 「潔い」 「力強い」 で等で定義したら、誰もが、「チャラチャラしている」 「しつこい」 「弱々しい」 とは思わないのではないでしょうか、URAL のことを。少なくとも私は、「大変に分かり易いバイク」 だという印象を持ちました。

でも、「これを買うか」 と聞かれれば、「あり余るお金があったら、1台買ってみたい」 と答えるでしょう。残念ながら、「便利」 で 「快適」 なバイクにが当たる前になってしまって久しいので、敢えて 「苦難の道を辿る」 を覚悟させるこのバイクの雰囲気が私を躊躇させます。


バイクの音

2010-10-24 14:20:56 | ZZR1400
「バイクの音」、いろんな音がありますが、私はこの要メンテの補水タイプのバッテリーの音、分割されている各槽の蓋を緩めて充電する際に絶え間なく上がってくる気泡が弾けて消える音が好きです。

秋も深まり、何時か来るかもしれない晴れ間の休日に万全の調子で出かけてみたい、だから充電しました。もしかするとこのまま冬に移行して出番が来ないかも知れませんが、最後のあがきです。

このバイクの音、冷え込むようになった夜のガレージで聞きました。「ブチブチ」 「プチプチ」 「ブチプチ」 「プチブチ」 聞き様によっては 「ぽこぽこ」 かも知れない音です。

日本で犬の鳴き声を 「ワンワン」 と書き表しても、世界各国で全く違う表記がされているように、「こうだ」 とは言い切れないのですが、「すごく優しい音」 に聞こえます。

死んでいただろう夜

2010-10-24 13:57:31 | ZZR1400
以前、以下の様な記事を書きました。2006年9月10日の記事です。

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...48時間以内に7時間位の睡眠と全走行距離約1300キロ、家の傍2キロの地点で居眠りで転倒し、バイクはたいしたこと無かったのですし、打撲以外は怪我が無かったのですが左目の脇をメガネで切って結構血が出て止まらず、曲がったクラッチレバーを操作しながら救急病院で止血してもらったのです。投げ出された瞬間は居眠りしていたので記憶は無く、多分ヘルメットの左側から地面にたたきつけれられた拍子に目が覚めて3回転位したのですが、そのたびに左側を軸にして橋の中央付近を目指してコマのように転がっていったバイクを見ながら考えたのは、

一回目:火花が散ってきれいだな
二回目:あんな重いものがこんなにくるくる回ってる
三回目:これだったら修理にはそんなに掛からない(お金と時間)

時速はたかだか50キロ、幸いに早朝の日曜で後続車が無く、対向車のお兄さんも十分に手前で止まってくれ、バイクの引き起こしも手伝ってくれました。彼もびっくりしたそうです。私もびっくりしました。皆さん、睡眠は十分にとりましょう。無理な計画は怪我の元です。それから服装は重装備に越したことはありません。私も両膝を地面に直撃したようですがなんともありませんでしたし、3回も転がったのに怪我らしい怪我にはなりませんでした。
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今回の記事の写真がその 「現場の手前」 のものです。この右車線(右折)から橋を越えるための直線の車線(左車線)に変更し、緩く左カーブ切った後で 「居眠り」 したのです。

橋の欄干にでも激突していたら、、橋から河に重装備で飛び込んでいたら、河でなく橋の付け根下の道路に落ちていたら、橋の上で対向車と正面衝突していたら、後続車に轢かれたいたら、きっと死んでいたでしょう。

死んでいただろう夜、でも助かって生き延びている今、この道を通るたびに 「生きていることには必ず意味がある」 と考えられるようになりました。

人情は一緒!?

2010-10-24 13:28:08 | ZZR1400
あるバイクショップの作業場で話し込んでいたら、「バイク屋に修理で持って来るのに、なんで満タンにして持って来るんだよー」 って声を聞いて、振り向いたらこのお兄さんが管と配線が絡んだタンクを外そうとしている所でした。

この手の話は昔から直接・間接に何度も聞いていますが、欧州に来て目の前で忌憚の無い叫びとしては、初めてでした。「そうは思っていた」 なのですが、「現実に見聞きした事があるのか?」 と質されたら、「無い」 と答えるしかありませんでした。

日本に居た時も、「なるべくタンクの中を減らしてから」 というようなことを心がけて、欧州に来てからもそうしていました。同じような事例として、クルマの修理や、タイヤ交換依頼の際の事前洗車などもあると思います。

では、満タンで行ったから、洗車せずに渡したから、何らかの被害を被るとは思えませんが、「相手に対する敬意」 は失念しています。それに対して相手が 「気にも留めない」 とは私には到底思えません。「思っていても言わない」 が作業にどの様な影響を与えるかは未知数ですが、それ以前のやはり 「礼儀」 なのだと思います、洋の東西を問わず。