ZZR1400GTR's Tagebuch(日記)

主に独逸・墺太利・瑞西・南チロルの欧州事情を発信。

景観と実感

2011-04-30 21:49:40 | ZZR1400
バイクに乗って山道を走る。それがアルペン街道の様なものだったら 「さぞ素晴らしい眺め」 だろう、と思うのが普通ですが、実際に山登りをしている時にはその山の全景は見えません。むしろその山の全景が見たければ、対面の山に登らなければ見えません。

よく欧州のアルペン街道の紹介で日本のバイク雑誌で出てくる右左に180度くびれた道、それらのカーブも大昔の設計で極端に狭い、そんなカーブが何十も重なっている高度のある峠、そんな峠って実際に走ってみると路面が荒れていて、観光バスにキャンピングカー、クルマに、バイクと、片側1車線しかない道で大変な混雑です、シーズン中は特に。

こういう峠は 「目立つ」 のですが、意外に地元のバイク雑誌では人気はありません。理由は簡単、「面白くない」 からです。「スカーッと走れない」 のが原因です。その点、写真のような山道は、走ると「スカーッ」 とします。目の前に広がる景色が素敵で、路面状態が良くて、テンポ良く走れるからです。視界を汚すホテルや売店の林立もありません。

今まで、数々の峠を通ってきましたが、それでも過去23年間でアルペンの 「何かが分かった」 程度だと思います。しかし、「通り過ぎるだけ」 の旅ではなく、地元の人たちとのふれ合いもたくさんありました。その中には 「地酒」 や 「郷土料理」 のような物も含まれていますが、ドイツ語での会話や読解(地元のパンフや紹介本)が大いに役に立っています。

アルペン街道はドイツ語圏(ドイツ・スイス・オーストリア・南チロル等)にその約3分の2が集中しています。あとの余生の中で全部回りきれるか、は多分 「ノー」 でしょう。でも、「スカーッ」 とする山道の選別は既に始まって久しいのですが、まだ両手の指の数ほどしか見つけられていません。

GTL vs GL

2011-04-27 05:26:46 | ZZR1400
GTL vs GL

これは、ヨーロピアンかアメリカンか、のような問いになると思います。私にとって、ヨーロピアンは、より 「ツール」 で、アメリカンは、より 「テェイスト」 なんです。両方共に、「愛する」 ことは出来ると思います。

でも、「愛する」 って感情ですから、「道具を頬擦り」 する人はいますが、「テェイスト」 は頬擦りできません。「好きか嫌いか」 なんていう 「曖昧さ」 のある実体の無いものに近い。しかし、「道具」 には 「優劣」 さえ付けられます。「テェイスト」 は「好み」 ですから「優劣」 には馴染みません。

「愛着が湧く」 も両方に起こると思いますが、その愛着心の量って測れるのでしょうか?例えば、「道具に欠点が見つかった」 だから執着する気持ちが薄れる、はあるかも知れません。でも、「テェイスト」 は「好み」 ですから、「欠点」 など元々無いに等しい。

「vs」 は比較ですから、比較すると 「良い、悪い」 等のコントラストを付けたくなります。でも、コントラストを付けると、例えば写真のレタッチを思い起こすとコントラストを付ければ付けるほど細かいディテイルが飛んで行ってしまう様に、「見えなくなるものが出てくる」 と思います。そして、「差」 だけが強調されて行く感じです。

だから、お互いに相手の事は意識しているのだと思いますが、「進む道が違う」 者同士、「住み分けられる筈」 で、実際には GTL と GL の間を行ったり来たりは無いと考えます。敢えて言うなら、ちょっと緊張感があるのがGTL、ちょっと弛緩しているのがGL、そんないい加減な "vs" で十二分なのかも、って思います。

K1600GTLの最大航続距離は約350キロ!?

2011-04-27 04:24:33 | ZZR1400
この写真は、満タンにした後のK1600GTLのメーター回りですが、右下に 「430 km」 と出ています。これはその時の 「理論上の計算値=最大航続距離」 でした。普通に走って(時速100~150キロ)6.2L/100km、ぶん回して(時速150キロ~240キロ)7,2L/100km でしたので、その中間だと6.7L/100km です。それで計算するとタンク容量が 26.5L ですので 約396km です。しかし、実際には 「最後の1滴まで使い切る」 は無いので、4L 位は残すとして、約336km 。残り4L程になると「警告」らしき残量表示(左端の残量計のバーの色がオレンジに変って給油機のマークが同色で出てくる)に気が付くので、そこからスタンドを探しての 「ウロウロ」 を10キロちょっと入れると、約350キロが 「実用上の現実的な最大航続距離」 と言えそうです。勿論、ペースを少し落した走りを混ぜれば、「限りなく 400km に近い距離」 を走れるでしょう。これは、「走りのリズムをライダーが決められる」 という点では、「画期的な距離」 です。もはや、「クルマ並み」 な航続距離ですし、残量計と連動した走行可能距離の表示も信頼できるレベルでしょう。

K1600GTLの音源は2系統

2011-04-25 20:35:36 | ZZR1400
この写真には BMW の K1600GTL の純正オーディオ用AUX(外部入力端子)とUSB口が写っています。場所はカウル右下にボックスがあって、iPod や iPhone を 「音源」 として想定しています。実際に使ってみましたが、iPhone を入れて外部スピーカーでステレオ音楽を聴けたり、iPhone に入っているGPSナビの道案内も音楽が中断してタイムリーに聞こえます。

扉の内側には「高温注意」のマークがあって、夏場の 「iPhone入れっぱなし」 等は、直射日光が当たっているクルマのフロントガラスの下に置きっぱなしに出来ないのと一緒で、気を付ける必要がありそうです。USB口からは電源をとれますが、コード類は短い物が無難でしょう。普段使っていたノランヘルメットへの螺旋コード1本でも扉が閉まり難かったからです。

このバイクは、ラジオ と iPhone の様な最新機器しか音源として考えていないようです。カセットやCDは 「一昔前の物」 で二度と復活はしないのでしょう。「音源は2系統」 だけと言えそうです。私的には、iPhone が純正ナビの場所に付けられれば、「純正ナビ要らず」 で、ビデオも見れて、無線で音楽もメットに飛ばせて、良いことずくめのような気がします。

きっとそんなアダプターも近々にどこからか出てくるのでしょうが、「バイクと音楽」「バイクとナビ」「バイクと携帯」はそれに対応したヘルメット(Bluetooth 2.0 以上等)との発展と共にシンクロした関係になって来ていますので、「BMW のヘルメットでしかダメ」 ということにはならない標準化の完全な準拠を望みたいものです。

K1600GTL(続)

2011-04-24 12:09:39 | ZZR1400
借り物のバイクでしたが、先週から今週にかけて千キロ以上を試走してみて以下の様な事だと理解しました。

1)S1000RR の様に、どれかの後継ではないこのバイクから始まる新しい伝統を感じる。
2)S1000RR の様に、今から近未来迄のテクニカル的なもの「すべて」を搭載している。
3)S1000RR の様に、「良くてお得感があれば、なお良い」という新プライスポリシー。
4)実用最高速度は時速二百キロ迄でとしそれ以下の速度域の運動性能と安定性を重視。
5)BMWバイクの旗艦はあくまでも「ツアラー」である、の宣言をしての新しい門出。

1)は、直列六気筒はクルマでの専売特許だったのでこのバイクは何かの後継機ではない。
2)は、空冷エンジンを引っ張るだけ引っ張った末の技術的遅延挽回を世界に印象付けた。
3)は、BMWバイクの質感の微妙な変化とリーズナブルなプライス戦略は融合している。
4)は、サスの圧縮側減衰力を薄くして安定感をかもし出す伝統的な手法を踏襲している。
5)は、BMWバイクの新時代の幕開けに際して、「基本に返る」の象徴的な存在とした。

「ツーリング志向」で「スポーツ走行ぽい」ものにも感心があり、金銭的にも余裕がある
なら、メーカー名に係らず、 K1600GTL は現在考えられる「最高なツアラー」だと言える
でしょう。身長が175センチ以下の体格のライダー全部に合います。無論、メーカーや格好
の好き嫌いは別な次元の話です。

ライダーズシートの電熱効果、グリップヒーターの即効性、写真の様なアルプスの峠道の
クネクネを3速固定で上り切り、下りも4速で十分なエンブレがあって、燃費も6L台(100キ
ロ)なこのバイクは、「350キロ走って給油」なんていう、クルマでの様な旅が可能です。

K1600GTL

2011-04-17 23:58:26 | ZZR1400
K1600GTL を900kmほど試してみました。お決まりの南チロルに行って来ましたが、道具としては「完璧に近い」です。好きになるかどうかは別です。しかし、今考えられるすべてが実用域で装備されていて、トルクで前に進んでいきます。重心が真ん中にあってミッドシップのクルマの様にクルクル回り、アルペンの山の小道も楽々でした。アウトバーンでは、5速8千5百回転で時速240キロ出ました。実用的には4速8千回転過ぎの時速200キロ迄でしょう。5速では時速200キロ以上で接地感が薄くなる「リスクを背負った走り」で、同速度域での例えばZZR1400や1400GTRの様な「安心感」はありません。6速に至っては「オートクルージング専用」な感じで、「時速200キロ迄のバイク」です。でも、ツーリングバイクとしては十分ですね。燃費は 6~7L/100km でした。事実上「日本人の為に開発された」と言える位に足つきが良いです。BMW曰く、「身長160センチ前後のライダーでも乗れるバイク」の開発意図があったとかで、170センチ前後あれば両足ベタつき近くになれます。「良好な足つき」は「安心」につながり、それは「走りの余裕」を生み、すぐに「上手く」なれる近道です。

事始め

2011-04-12 22:00:24 | ZZR1400
先週の日曜日にあるBMWクラブの 「事始め」 の儀式=安全運転トレーニングが開かれました。ドイツの有名企業のボッシュ社の大駐車場で参加人数50人程で行なわれたクローズなものです。クラブ員にボッシュの社員が居て会社に使用許可を取ったとの事でした。

この安全運転トレーニングは4つのグループに分れて、様々に並べてのパイロンの間を、「旋回」や「緊急回避」、「フルブレーキ」や「スラローム」などを行なうものでした。シーズンの初めにバイク事故が集中するので、その対策らしいです。

写真のグループの指導にあたったのは現職の白バイ警官でしたが彼もこのクラブの一員です。旋回(どんどん小回りになっていく練習)では、お父さんが「こんなはずじゃー無いんだが...」で奮闘しています。

側で白バイ警官のアドバイスを聞いて居ましたが、「自分のペースで旋回半径を小さくしていけばいいよ」でした。3時間程のトレーニングで汗(冷や汗?)をかいた後で昼飯に繰り出して、ワイワイガヤガヤした後に、別のグループ毎に午後のツーリングを楽しんだようです。

お父さんや、中にはおじいさんのような「とっちゃん」たちの「一所懸命」は、見ていて「ほのぼの」としたものでした。

山を目指す

2011-04-10 19:19:03 | ZZR1400
春が来て、ライダー同士の集まりも活発化して、話題の中心は夏の休暇です。「どこに行く?」の一番候補は、ズバリ「 山 」。バイクで目指す山、それは2000m~3000m迄の峠の巣があるアルペン行を意味します。

バイカーにとっての山、そこにはつづらおりのカーブが山毎にダース単位で張り付いていて、すがすがしい空気には体中が清められるかのよう、連日田舎料理の数々に舌つづみを打ち、連夜で地酒(ビールもりっぽな地酒です)を心行くまでアオレル精神的弛緩が許される日々があります。仕事や家族から 「休暇」 という "魔法のポーズボタン" で解放される一年に一度の無礼講なので、皆が知恵を出し合い 「アリバイ」 を練ります。「たくらみ」と呼べる様なものかも知れません。でも彼女たちにとっては 「お釈迦様の手の平の上の孫悟空」 なのかもです、所詮我々は。だからこそまだ 「許容範囲内」 なのでしょうが...

女房にとって 「ダメ亭主」 でも、子供たちにとって 「ダメオヤジ」 でも、普段のお父さんたちは仕事に一生懸命なのです。だからこそ、年に一度の 「お祭り」 を楽しみにしているというのが、平均的ドイツ人ライダーたちでしょう。大抵の場合、夏期休暇の半分を家族旅行に、残りをツーリングに使います。それも、まず 「家族旅行」 優先で、子供の学校が夏休みになり次第に皆で出かけます。要は家族の機嫌を取っておいて、その後に気持ち良くツーリングに送り出してもらう、がパターンです。実社会でも 「ものには順序」 がありますが、家族という社会的には一番小さな単位の中でもその法則は適用されます。

今年は、「予定が立たない」 のです。仕事が詰まり過ぎていて余裕が無い、からです。でも、ライダーの飲み会に出る度に具体的な計画を耳にするので、羨ましくもあり、便乗したくもあり、飲みながらぼんやり顔で真剣に聞き耳立てたりしている今日この頃です。

夏が来る

2011-04-10 12:42:27 | ZZR1400
冬が終わって本格的な春到来、しかし、一足飛びに夏みたいな陽気です。オゾン層の破壊と関係があるのでしょうか?「ワサビ少な目」 と頼んだのに 「ドッチャリ」 なお寿司を食べさせられた、なんて感じです。まだ、ナイトライダーすると両腕が冷たくなりますし、早朝でも一緒です。なのに日中最高気温は25度前後にもなります。春=暖かい、であって、春=暑い、ではない筈、何か掟破りです、暑いは夏の専売特許なのですから。

P.S. こんな他愛も無い記事ですが、1500記事目となりました。お読み頂き、コメント頂き、メール頂き、誠にありがとうございます。このブログのおかげで、実に様々な方々と、バーチャルに、実際に、知り合う事が出来ました。「出会い」 は素敵です。「一期一会」 って言う言葉の重さを知って時間がだいぶ経ちましたが、ずっと色褪せない気持ちのままで居たいと思います。

代車

2011-04-09 14:05:20 | ZZR1400
先日にカワサキショップで保険会社の査定を受けるために1400GTRを自走で持って行きました。この写真の800ccのバイクはその時の 「代車」 です。これは昔のバイクを現代の技術でリメイクした例のバイク(現行車)ですが、帰りのアウトバーンで思いっきりクルマのケツを掘りそうになりました。160キロ位で巡航中に前方に渋滞を見つけ、急ブレーキを掛けたらロックどころか、停まんない、つまり制動距離が長~かったのです。渋滞の最後のクルマのほんの数十センチの所で、 「停止」 できました。転倒しなかったのですが、 「またもや?」 ってな感じで、内心おだやかではありませんでした。

「カチッ」 と効く1400GTRのブレーキに慣れてしまっていると、前輪が片ディスクで後輪がノンディスクブレーキは、動力性能に見合ったものとは思えませんでした。しかし、この当時の日本車(クルマもバイクも)は軒並みに、エンジンはそれなり、ブレーキは 「付いてはいる」 が幅を利かせていた時代でしたので、「史実に忠実な再現」 と言えるかもです。でも、当時のキャブの代わりにインジェクション仕様で始動も完璧、タイヤの性能だって昔に比べたら良いものが付いていて、 「文句ない」 仕上がりなのですが、「上を見れば切りが無い」 なのでしょう。

乗った感じは、「ちょい乗り」「ショートツーリング」なんかにはレトロな雰囲気もあって良いと思いましたが、「これで長距離を行くのは辛いな」 と正直思います。私の体格や使い方には合っていないようです。でも、 「試着」 と一緒で 「自分に合っているもの探し」 は楽しくもあります。

接触事故(アウトバーン上)

2011-04-02 19:00:09 | ZZR1400
今日の正午、1400GTR でアウトバーンの追い越し車線を走行中にクルマと接触しました。写真1枚目はバイクの右パニアにぶつかって押し潰されたクルマの左側後部の写真です。写真2枚目は避難帯に停止後の様子、写真3枚目の3台目(一番手前)のクルマは我々の右うしろから接触事故をつぶさに見ていたご夫婦のものです。彼等は証人として警察が来るのを待ってくれていました。写真4枚目は警察官が来てからの事情聴取の様子です。

証人のご夫婦が警察官たちに、「バイクの前にいたクルマがウインカーを出さずに右車線変更開始したが、自分たちがすぐ後に来ているのに気が付き、車線変更しきらない内に、再びウインカーを出さずに驚いたように左に車線を変えようとし、すでに追い越しにかかっていたバイクを右から左へと押し潰すようにクルマ左のノーズから斜めに接触していった」 と言っていました。

私が見たままは、時速130キロ制限から無制限になった箇所で追い越し車線にいたクルマの真後ろ(数メートル)に付き、彼女が右車線に変更して行った(既に点線の中央線を越えきった位)ので猛然と加速(時速160キロ前後)して相手のクルマの後部に届くか届かないかで左車線に飛び込んで来て、まずは右サイドミラーがお辞儀(畳まれて)、右カウルを掠めるように、結局は右パニヤをクルマの左のおけつで 「かっ飛ばした」 のでした。

その瞬間に ZZR1400 や 1400GTR ではかつて経験した事の無いような、ものすごいハンドルの振れが起こって、左のガードレールに 「あと20センチ程」 まで押し流され、車線の真ん中からワープでもしたかのようでした。結果的に、 「停まれた」 し、 「怪我も無かった」 のですが、右ミラー、右カウル、右パニアの交換になるでしょう。過失は先方が100%である事は警察もそのように理解していました。私が怪我していれば 「危険走行」 で裁判所行きだとも言っていました。死亡させていたら刑務所行でしょう。

後方に居たご夫婦は、 「あ、あのライダーは助からん」 と思ったそうです。私にヒットした女性ドライバーは、 「何がなんだか分からない内に跳ね飛ばしていた」 と言い、同乗していたお旦那さんは、 「やっちまった(殺した)か~」 と思ったそうです。当のライダーは当てられた瞬間に 「踏ん張れないかも知れない」 「今日が最後の日?」なんて考えていました。

今回、私には過失は 「全く」 無かった事になっていますが、「相手が追い越し車線から出たか出ない内に抜き去る」 のような真似は慎むべきだと反省しています。「速いバイクのライダーは自己完結できる」 と思い込みがちですが、ライダーが本来は交通弱者だということを忘却の彼方から呼び戻す必要があるようです。