ZZR1400GTR's Tagebuch(日記)

主に独逸・墺太利・瑞西・南チロルの欧州事情を発信。

しっくりの逆?

2011-09-29 19:12:23 | ZZR1400
このドイツ車(R1150RT)、出たばかりの頃に所有していたことがありました。色も一緒です。「違和感」 を感じました。前記事の 「しっくり」 とは逆な感想です。

ドイツ的なものって、「機械的」 「合理的」 「能率」 「効率」 「実用性」「耐久性」 「質実」 「剛健」 「高品質」 「高性能」 ...色々なイメージがありますが、おしなべて 「ポジティブ」 な印象です。

でも、「好き嫌い」 は上の何かで決まることもあれば、極端に言えば 「壊れ易くたって好き」 もあるでしょうし、イタリア的な街並みの中での 「違和感」 の正体はその辺にあったのかもです。

しっくり

2011-09-29 18:58:46 | ZZR1400
この日本製のバイク、イタリアの街の建物の間の通り道に立ててありました。「しっくり」 していたのです、そこの雰囲気に溶け込んでいるように。改造しているのか、オリジナルなのか、そんな検証も必要な無いと凝視するのをストップして、「ボー」 と眺めていた数秒でした。

イタリアの街中の小道は、ドイツのそれに比べると建物も道も 「ボロイ」 のですが、「味」 があります。モルタルの壁が剥がれ落ちていて、中のレンガが見えていても、「けだるさ」 のようなものが感じられて、不快どころか、何となく 「魅力的」 に思えるほどです。

「このバイクがなぜ回りと合うと思ったのか?」 は、「けだるさ」 がキーだと思います。シートが沈んでいて色合いも渋く、「機械のくせに余裕をかましている」 なんて考えたのかもです。残暑の中を数キロも歩き回っていたので、疲れが物を擬人化させて見せたのかもです。

うまい!

2011-09-28 18:42:33 | ZZR1400
旧型のV-max 、その前輪にかぶせてあったメット、しっかりロックされていました。見た瞬間 「うまい!」 と関心したのですが、「自分ではしない」 とも思いました。そんな自分には、何らかの 「境」 、「限度」 、があります。大げさに言えば、「その境地には達しない」 の予感と確信で 「残念がる」 な気持ちです。ちょっと複雑な想いなのですが、イタリア的なものって、「官能的」 とでも言えば良いのか、直情的で、「真っ直ぐさ」 を感じる事があるのですが、自分のある種のキャパがそれを 「受け止め切れないもどかしさ」 があります。

平均的なドイツ人がイタリアに行けば、平均的日本人がドイツで主に言葉の問題で 「ドキマギする」 するのと一緒な目に遭います。でも、ドイツ人はイタリアが好きで、特にバイカーにとっては、「イタリア的なもの、アルペン、ドイツ語が通じる」 で、「イタリアの中のドイツ」 と言われる 「チロル地方」 が一番人気なのは、昔も今も未来も変わらない "単なる事実" です。

イタリアらしさ

2011-09-28 18:07:27 | ZZR1400
イタリアの道端で見かけたアプリリアです。転倒でもしたのか、カウルの前部分が広範囲に割れていて、それを 「セロテープ」 でぐるぐる巻きにしてありました。走っている時には周りの人は気が付かないレベルでしょう。運転している本人には見えない角度です。

欧州には、「遠目でOK、近場でNG」 がよくあります。「パッと見、きれいなら、整っていれば、細かいことを気にしない」 とでも言える感じです。平均的日本人が襖や障子を作る職人さんの正確無比な妙技に関心する位の落差が、日本人とヨーロッパ人の間にはありそうです。

多分、この 「ぐるぐる巻き」 で 「なんとも思わない」 のレベルに達するなら、「イタリアン度が満水」 と言えるのかもですが、なかなか困難です、普通は ... でも、見ていて不快になるようなことは無いので、「こう生きられれば人生には苦などなく、楽だけが横たわっている」 のかもです。






感動の極み

2011-09-22 07:39:22 | ZZR1400
頂上の駐車場です。ドイツ語圏のアルペンには壮大な自然とインフラとの調和があります。それは世界で最も厳しい環境保護法での監視と罰則、そして訪れる人たちのモラルによって守られています。

大気圏を突き抜けるかのような晴天、この日のライダーたちは 「感動の極み」 を実感したと思います。皆がそこに居れることの幸せを全身で受け止めました。「高山の尾根が手の届く所にあった」 はなかなか無い体験です。

森林限界の風景

2011-09-22 05:00:39 | ZZR1400
この写真、まさに 「森林限界の風景」 です。ここから上は木の無い世界、草だけになります。そういった単語は無いのかも知れませんが、更にその上は 「植物限界」 の世界が待っています。バイクと人間はそんな 「木も草も生えていない世界」 に上って行きました。

ここに道を通した人たち、こんな道の大部分は 「観光目的」 ではなく、生活上の必然でトンネルが掘れない時代の産物です。最初は 「獣道」 のようなものだったのかも知れません。それが後に幅が広くなり、もっと後に舗装されていったのでしょう。

ここは場所的にはイタリア、細かく言えば南チロルの山の上、こんな道を上がったり下がったりしている時に 「人はつくずく一人では生きれない者たち、他者との繋がりを絶えず求めて止まない者たち」 と言えるな、と思い返したりします。

道って、ネットワークな感じですね。道が通るって、データーが通るようになったに似ていて、昔の土ぼこりが立つ細い道がアナログ通信の世界だったとしたら、舗装されたこの高所アルペン街道はデジタル通信みたいに快適で高速な移動を約束しています。

森林限界の上の風景

2011-09-21 22:13:39 | ZZR1400
これはアルペンの森林限界の上の風景、約2千メーター以上での峠道で目にする光景です。火山性でないプレートの隆起で出来た長大な山脈の尾根歩きをしているかのような 「非日常」 です。

本来、ここらは生き物に親切でない標高で、水も流れていません。一見、荒涼としていますが、元々ツーリングは 「日常からの脱出」 、アクセルを開けた先に広がる 「非日常」 は願ったり叶ったりです。

このツーリングでは、朝も、昼も、夕方も、夜も、特別な時間が流れていました。総勢15人ものライダーたちの共同生活や移動はある種の連帯感を育てたと思います。短い時間でしたが、それぞれにとって 「とびっきり」 な日々でした。



峠の頂上を目指して

2011-09-19 16:18:33 | ZZR1400
アルペンの峠の頂上を目指した者だけが見る景色、がこれです。今回のツアーで越えた峠の数は20余り。一つ一つが名峠で、上っていく者たちに見事な景観を見せて行ってくれました。感動が度重なるのに衝撃は鈍ること無く、上った者達の目に、そして心に、その印象は深く刻まれたと思います。

例え、このような峠に100回上った者が居たとしても、 「もういいや」 には決してならない、そんな巨大な魅力でバイクごと人を包み込んでしまいます。こればかりは、 「百聞は一見に如かず」 の諺通りで抗しようがありません。私も同行した3人のドイツ人たちも 「魅了された者達」 なのです。

一生の思い出に、繰り返し味わいたい為に、今回のような型破りな団体ツアーは、後の為に、つまり一人でアルペンを超えていく為に、きっと役に立つことでしょう。赤字にはできませんが、単なる商魂ツアーに飽きた 「本物を求めるライダー」 には大きなヒントになったツーリングだったという自信がありましたが、終えてみると 「確信」 となりました。

もし、このようなツーリングをしてみたいと言う方、グループの方々は、このブログのメールアドレス(zzr1400_2006@mail.goo.ne.jp)に個別にお問い合わせください。日本からネットで電話もせずに予約可能なホテルに本当の意味での 「お得」 等はありません。簡単に手に入るものからは感動は得られないのは、皆さん他の事でもご存知な通りです。

身銭で繰り返し行きたいと欲する場所、再び食べたいと思う物、何度飲もうとも飽きないビールやワイン、そんな在り処を一人でも多くのライダーに経験して貰いたいと長年思ってきましたが、走りを引っ張ったドイツ人たちから、走行中のバイク上でメットのシールドを全開にし両手を挙げて雄叫びを上げた参加者たちの話を聞いて、それが実現できた事を知りました。

実験的試み

2011-09-14 09:24:08 | ZZR1400
日本から11名のライダーを受け入れてみました。場所は、東チロル(オーストリア)と南チロル(イタリア)の1週間です。実行委員はドイツ人3名と私での「実験的試み」 です。従来から 「欧州バイクツアー」 なるものはありますが、高止まりな旅費、現地ライダーの不在、バイク知らずの素人通訳、いわゆる団体旅行飯 ...などの幾つか、もしくは全部が当てはまるものが多いようです。

この旅行の基本は、「ドイツ人ライダーの様な1週間」 を体験してもらおう、でした。つまり、「ドイツ人だったらこう旅する」 のような感じです。日本からの飛行機代、現地でのレンタルバイク代だけが、「日本人ライダー特有な問題」 であって、他は10万円台で済む、を実現しました。敷居を低くする、そして 「もっとたくさんのライダーに欧州の、特にアルペンツアーを体験してもらいたい」 が動機です。「お得でもっと良い」 が目標でした。

透明性の高い明細、現地ボランティアライダーが同行、バイクを知り尽くした通訳が常駐、口うるさいドイツ人にも納得な料理の数々、他にも一人一台のプリペイ携帯の貸与(日本の携帯に比べて電話料金が半値以下)、何かの時にバックアップしてくれる現地の警察官や弁護士ライダーとの幅広い連携など。今までの旅行とは明確な一線を画した欧州ツーリングです。

1枚目の写真はドイツ側からオーストリアに入ってきた所で、国境のトンネルをくぐるとアルペン街道が始まっています。2枚目はチロルの山々を望む宿屋のベランダからの写真です。3枚目は今日のツーリングを踏まえての明日の予定を皆さんが寝入った後でのMeeting です。左端からトーマスさん(元白バイ隊員の警察官でBMW乗り)、マンフレッドさん(会社員でホンダ乗り)、トーマスさん(会社員でBMW乗り)です。

夕食時の現地ライダーとの英語や通訳を交えての 「ワイワイガヤガヤ」 は好評です。
ドイツ人ライダーたちにとっても興味の尽きないツーリングになっているようです。しかし、お金儲けとは無縁なこのようなツアーでしか 「本物志向」 を満足させることが出来ないとしたらちょっと残念な気もしますが、「自分だったらこうしてもらいたい」 だけを考えたツアーでもありました。

毒を喰らわば皿まで(ドイツ人の場合)

2011-09-06 17:54:58 | ZZR1400
ある日曜の午後、「遠くへは時間が無い、でもちょっと走りたい」 で行った近くの峠。駐車場に着いて売店の軒下を確保した数分後に豪雨に見舞われました。

写真のライダーのお二人、駐車場に進入して来るまでに既にビショビショになってしまっていたとかで、駐輪した後の豪雨の中でドイツ人には珍しく 「xxx 座り」 しての ヤケxx での談笑の後で、我々居た売店に温かい飲み物を買いに来ました。

誰かが、「もうそこまで濡れれば洗っているようなものだろう?」 って言ったり、「気持ち悪くない、革の上下の中がビショビショで?」 とか、「あああ、まだ新しいのに、オタクのツナギ...」 の一方的な会話が交差して、当のお二人は終始ニヤケていました。内心、穏やかならぬ気持ちがあったのだと思いますが、「もう、ここまで濡れたのだから...」だったのでしょう。

ちょっと達観した心境、それって妙に居心地良さそうな感じなのかも、とふと思いながら、軒下でコーヒーをすすっていました。