ZZR1400GTR's Tagebuch(日記)

主に独逸・墺太利・瑞西・南チロルの欧州事情を発信。

燃料ポンプを頼まれました

2011-11-28 22:28:32 | ZZR1400
先日にある知り合いからメール頂き、燃料ポンプを頼まれました。日本では公式には売られなかったバイク用の物です。不動で困っているようでした。オリジナルのボッシュ製は高いので、ドイツ製の類似品を送ってあげるつもりです。大きさと吐出量が似ていて、カプラー形状が一緒なら転用できるからです。

写真の燃料ポンプは別車両の物で、真ん中はカットモデルですが、左隅の歯車の回転で燃料を送っています。一番下がその知人が送って来た 「壊れた燃料ポンプ」 の写真です。現代のバイクでは他の部品とインタンク式のアッシー交換となる部分ですが、中古車を買った時の新品交換は大きな効果があると思います。なぜならこの部分は劣化して行くだけの回転部分ですし、不動の理由に関わらずじっと置かれたままになっていたバイクでは燃料が腐っていたでしょうし、アッシー部品の中での燃料フィルターは交換不可能なタイプが多いので、「汚れによる目詰まり」 もあります。いずれにしても、劣化が進み、燃圧が下がり続けて行く中で、それでもお構い無しで使って行くと、燃料が薄くなって行って高回転域でブローし易くなるでしょう。レギュレーターは高過ぎる燃圧を下げることはできても、低すぎる燃圧を上げれる様にはできていません。

でも、売る方は既にその車両から 「心が離れている」 でしょうし、買う方も 「なるべく安く」 で、この部分のアッシー交換(高額)など、「夢のまた夢」 となり、「いろいろ直したんだけど、今一調子が出ないんだよね」 なんてことになり、しかし原因は 「迷宮入り」 なんてことにもなるかも知れません。

たかが燃料ポンプ、されど燃料ポンプですね。

チューニングを極める方法の一つ

2011-11-22 23:46:13 | ZZR1400
「サブコン」 の一つ、しかし世界標準と言えるパワーコマンダーやワイドバンドコマンダーなどを駆使して自分にとって最適な空燃比取りに挑み続け、馬力もトルクも 「最高」 へ、また定期的な補正も繰り返しながら、ずっと 「チューニングを極める方法」 について考えて到達した結論、「正解の一つ」 に違いないのは、意外な内容でした。

それは、「基本に帰る」 です。この写真は現代のバイクのインジェクションシステムですが、言わずもがな 「空燃比」 の内の 「燃」 の主役です。インジェクションは100年もあるアイデアで、ドイツのボッシュ社が製品化して既に90年近い月日が経っていて、ボッシュ社の考え方が事実上の 「世界標準」 です。そんな古くて新しいシステム(電子制御式)での要素は4つだけ。

1)タンク (Kraftstofftank)
2)ポンプ (Kraftstoffpumpe)
3)レギュレーター (Druckreguler)
4)ノズル (Einspritzduesen)

ボッシュ式のインジェクションシステムの燃料系統にかかっている圧力はせいぜい3気圧止まり、しかしその圧力が 「一定」 そしてそれは 「ほんの少し」 のチューニングの余地があります。つまり、「理想の空燃比」 を生かすも殺すも 「燃」 の側では 「燃圧」 が規定圧力に達していて、しかも安定している事が必須になります。しかし、普通はこの燃圧を図るようなメーターやセンサーは付いていない車両が圧倒的ですから、それを付けるのです。また、安定も大切ですが、燃圧を高めの方向にふる(レギュレーターの交換)や、そのバラツキも考慮する、チューニングができそうです。

ノズルから噴霧される燃料が十分に細かくて最適な量の空気と混ざり爆発させる、それが理想の空燃比を取った甲斐があったことに繋がるでしょう。「空」 の方は、「気圧センサー」 や 「吸気圧センサー」 が正確に作動してくれていることを確かめれば、あとはECUの仕事になります。

ZZR1400 の新型にはターボもスーパーチャージャーも付いていません。排気量アップをしたとはいえ、きっといろいろな箇所をまじめに見直した結果のパワーアップなのでしょう。「派手な手段」 をとっていないことで、返ってその質感を高めそうです。自分の固体は現行の市販車より一回り上、今度の新型はそのまた上を行くのでしょうから、クルマで例えると、GTR の チューンド32 が 33 に追いつかれ、34で超えられてしまった、のような感じです。果たして、チューンド32 が 34 と肩を並べられるようになるのか? 案外、チューンド32 から 34への乗り換えの方が簡単そうです。しかし、そうすることで 「本当の事が分かる」 ことから遠ざかるような気もします。