ZZR1400GTR's Tagebuch(日記)

主に独逸・墺太利・瑞西・南チロルの欧州事情を発信。

ドイツ車の品質

2011-05-08 20:27:17 | ZZR1400
私がドイツに来た24年前、タクシーはほぼ全部が 「ベンツ」 でした。50万キロ乗ってエンジン乗せ替えで更に50万キロ乗って外国に売る、がタクシーの常識だったように見聞きしました。でも、今のベンツはそんなに 「もたなく」 なりました。過剰品質ではなくなったから、「もたなく」 なったのです。それでも、「腐っても鯛」 で 「優秀なクルマ」 には違いありません。

その当時の BMW の値段は、「本当はベンツを買いたいのだけれども...」 が 「BMWで済ます」 動機付けの一番理由でした。BMWはカタログ上の同じ位の性能のベンツよりも 「必ず」 全車種安くて、「お得感」 があったのです。VW は 「大衆車」 以外の何物でもなく、Audi は 「ベンツは無論、BMWも買えない、しかしVWでは」 の人たちに人気がありました。BMW と Audi はその頃からライバル関係になる素質がありました。両社共に、ベンツに対する 「劣等感」 を抱えていたからです。

BMW の品質は見違えるほど良くなって、しかし値段も高くなって行きました。ベンツは、その過剰品質が下がってきて、値段も相対的に下がり、買い易くなりました。VW も常に 「大衆車からの脱皮」 を図って品質も悪くなくなり、Audi もBMW に手が出ない人が買う代替品ではなくなりました。

写真は BMW の バイクの K1600GTL のパニヤケースのものですが、「あっさり」 しています。機能的には見た目では分からないほど豊富な機能を持っている 「鍵穴」 なのですが、この鍵穴が 「ドイツ車の品質を体現している」 なんて思いました、大げさですが ...理由は、現代のドイツ車すべてがどこかに収束しようとしていて、その焦点は 「バランス」 、とくに 「価格」との兼ね合いをつけようとしています。それは、直ちに品質が下がるを意味しませんが、「昔ほどではない」 は避けられない 「さだめ」 だと思います。