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社会人大学院(早稲田大学大学院商学研究科プロフェショナルコース)へ通う、のんきなサラリーウーマン実録

プロモーションはこう考える

2006年01月25日 | お勉強

いつもマーケティングの成功例としていろいろな商品が挙げられるP&Gですが、先日セールス・プロモーションの授業の中で、これまた上手いと思わせられる事例があったので紹介します。

あなたは、このたびP&Gの洗濯用洗剤「Biomat」(バイオマット)のプロモーション責任者になりました。担当する国はイスラエル。ユダヤ人正教会の地域を対象に、効果的なSPを仕掛けなければいけません。

しかし、困ったことにユダヤ人正教会の人々は、ほとんど宗教上の理由でテレビやラジオを持っていないことが分かりました。手にする印刷物も限られています。

市場調査の結果、同教会の人には共通する二つの特徴があることが判明しました。
1.弱者救済をしたいと思っている。
2.善行をしたいと思っている。

さて、あなたなら、どのようなセールスプロモーションを提案しますか?

・・・・・・・

授業では、P&GがBiomatの売り上げの一部分を寄付していることを屋外広告やフリーペーパーで認知してもらう、とか、誰かに洗剤を寄付できるよう特別なパッケージを作る、などといった案があがりました。

さて、実際はどうしたかと言うと、P&GはNPOと連携し、弱者救済の信念をBiomatブランドに結びつけることを考えました。

メッセージは「Biomatは、あなたの救済活動をお手伝いします。不要な衣類を持ってきていただければ、Biomatで洗って、必要としている人々にお配りします」というもの。

衣類の回収方法は、Biomatロゴ入りのトラックに洗濯機を装備して街中を回ったそうです。トラックが来る日は、教会の刊行物やチラシによって伝えられ、人々は目の前で寄付した衣類がBiomatで洗われていく様子を見物し商品の特性を理解したとか。
もちろん、この地域でのBiomatの市場占有率は大幅な伸びを記録しました。

このプロモーションはカンヌの国際広告祭でメディア部門のグランプリを受賞したそうです。


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