カメさん日記

趣味のカメさん日記です。レア種で情報が少ない種を中心に書いていきます。

chelodina coliei飼育考 3

2019-07-06 05:35:48 | オブさん日記

今日は。

前回はコウホソナガクビの水温・水質について述べました。

さて、今回はエサの話です。

ニホンイシガメを始めとしたいわゆる潜頸類のミズガメは人工飼料を問題なくベビー時から食べてくれるでしょう。

一方で南米・オセアニアのヘビクビ・ナガクビはなかなか人工飼料を食べてはくれません。

私の個人的な考えですが人工飼料は便利ですが完全栄養食として、その効果を最大限に引き出すにはコツが必要です。

人工飼料は保存の観点から乾燥飼料が主流です。

従ってカメ達は水分の少ない飼料を大量に食べてしまい、結果的に肥満に繋がる傾向にあります。

生き餌は水分は十分ですが栄養面での不安や、何より病原菌の持ち込みリスクがあります。

また私はケージ内で命のやり取りが行われることを見たくないので生き餌は一切与えていません。

私は自作のタートルプリンを10年ほど前から愛用しています。

プリンはサプリメントによる十分な量のカルシウム・ビタミンに加えて水分量も多いので一定量で満腹感が得られるようで肥満もありません。

我が家ではブラジルヘビクビ、トゲモモヘビクビ、パーカーナガクビはプリンとレプトミンスーパーを常食しています。

コウホソはレプトミンスーパーは餌付いてないのでプリンと冷凍コオロギメインで与えています。

さて、ケアシートをみてみましょう。

カメは大食漢で、生肉、昆虫、ミミズ、コオロギ、小さなネズミ、魚を食べている。

生肉のようなカルシウムの不足したエサを常用するなら、サプリメントによるカルシウム/ビタミンのダスティングが必要となる。

カダヤシといった小魚なら完璧だし、大きな池にエサとしてザリガニを時折入れておくのも良い。

彼等は普通は水中でエサを食べるが、時にはトングやピンセットから食べることもある。

成体には1週間に2回、幼体にはもっと小さなエサをより回数を多く与える。

ミジンコやアカムシ、ブラインシュリンプなどは申し分ない。

食べ残したエサは1時間以内に取り除く。

エサのバラエティはとても重要で、生肉の単用はビタミン不足による死を招きかねない。

私はこのケアシートが随分と示唆に富んだ内容だと考えました。

なぜなら彼等のエサを魚とエビと断定する前に生肉と昆虫を最初に挙げているのです。

我々オールドマニアは古くから当たり前のようにナガクビには魚とエビを与えてきました。しかしケアシートではこれらは後に上げられています。

現地の観察でもコウホソは水鳥の死骸を食べている姿が目撃されています。

コウホソナガクビの飼育者には「10㎝の壁」があります。

通常のナガクビは甲長が10㎝を越えるとそれまでが嘘のように人工飼料を爆食するようになります。

それに比例してどんどん丈夫で飼育し易くなっていきます。

しかしコウホソはその逆です。

10㎝からシェルロッドや拒食に陥り死んでしまうことが多いのです。

私は以前はこの原因が棲んでいる水質が変化するからではないか?と推測していました。

しかし現在ではエサではないか?と推測しています。

つまり我々が与えているエサでは10㎝を越える頃には必要栄養素が尽きて病気になるのではないか?

そこで私は少なくとも甲長8㎝までにタートルプリンに餌付け、必要栄養素の補給をする飼育計画を立てました。

幸いプリンを甲長6㎝から食べてくれ、現在は冷凍コオロギを併用した給餌を実践しています。

ピンクマウスの栄養バランスが爬虫類にはベストといわれますが、私のタートルプリンはこれを越えることを目的に作っています。

なのでプリンと冷凍コオロギの併用はナガクビにとって究極の栄養バランス飼料だと信じています。

これは私の贔屓目かもしれませがタートルプリン中心の我が家の曲頸達の元気さは凄まじく、常に飛び出さんばかりにアピールしてきます。

これはやはりサプリメントの長期使用によるものだと考えています。

例に漏れずコウホソもプリン給餌を始めてからは日増しに状態が上がっています。

コウホソ用のタートルプリンは鶏ハツ、レバーが50%、芝エビ・キビナゴ・トリガイが30%、ニンジン・サプリメントが20%位のイメージです。

コウホソの現地レポートを読み、こんな比率で作れば完全食になるのではないか?と想像して作りました。

私はエサを自分で作ることが当たり前のせいか、既製品は極力使用を控えています。

これは別に人工飼料を疑っているのではなく、カメの調子を上げるにはどうしてもエサがキーファクターであり、もうひとつ上の飼育を目指すならエサの自作が必然であるからです。

ヘビクビ・ナガクビの飼育では水質、エサ、ケージの大きさ、紫外線、この順番でクオリティを高めていき、最後にこの4要素の組み合わせバランスを決定するとカメの調子は上がっていきます。

調子が上がれば当然大きくなっていきます。

不思議なことに、プリン中心だと肥満がありません。

これはやはりプリンの水分含有率が高いからだと思います。

余談ですがエサによる水分摂取も我が家のカメ達が元気な要因ではないかと考えています。

やはり乾燥飼料だけでは不安な点です。

プリンは凝り出すとキリがありません。

いずれ時間ができたら種類毎のベストレシピを作りたいと考えています。

私は「カメに突然死はない」というのが自説です。

カメの死には必ず原因があります。

死の原因はおそらく水質、エサ、ケージ、紫外線によるものが大半のはずです。

我々飼育者はカメの見かけの元気さに騙されてはいけません。

彼等が真に満足しているかは10年、20年単位で結果がでる、まさに長期飼育の見本がカメの飼育なのです。

動物病院で定期的に健康診断することが理想的な動物病院の利用方法であり、病気の治療で動物病院のお世話になるならば、やはり自身の飼育方法を見直す謙虚さも持ち合わせなければなりません。

こうした観点からも病気の予防も含めて私は生き餌を一切与えず、自作のエサを中心に飼育をしています。

冒頭で、人工飼料の使い方にはコツがいると述べました。

それは人工飼料といえども長所短所があり、その短所を補う術は他ならぬ飼料者自身の日頃の観察から見つけだすことです。

人工飼料は80点主義で作られています。

便利ではあるが完璧ではありません。

完璧を目指すならば飼料者自身のスキルを上げることが必要だと私は考えています。


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