遊爺雑記帳

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「烏炊に学べ」 中国の民主主義の手本

2012-01-24 23:27:52 | 中国 全般
 中国広東省の烏炊村で、村のトップ2の書記と村長(村民委主任)を住民が追いだして、その闘争の住民代表が、村トップの共産党支部書記に任命されたのだそうですね。
 「民主主義の手本だ」「烏炊に学べ」と、省内外の農村住民らが同村に詰めかけているのだそうですが、今年秋の習近平政権への移行を控え、「安定の確保」が最優先の共産党政府は、「民意を重視する」態度を示しつつも、「烏炊モデル」の波及を懸念し、各地で抗議行動の指導者などの監視を強化しているのだそうです。
 

広東の村 「自治」獲得 腐敗トップ闘争で追放 (1/24 読売朝刊)

 中国広東省の烏炊(うかん)村で、不正と横暴を続けた村幹部を住民らが3か月に及ぶ闘争の末、更迭に追い込んだ。今月15日には、住民代表を務めた男性が村トップの共産党支部書記に任命された
。住民運動の指導者が書記になるのは極めて異例で、地方政府の汚職に悩む各地から「烏炊に学べ」の声が上がっている。 (烏炊で角谷志保美)

◆初めての選挙
 「信頼できる指導者が書記になって良かった。もうすぐ初めての選挙もある」。21日に烏炊を訪れると、村民たちは口々に喜びを語った。
 党の上部組織は15日、闘争の間、住民代表を務めた党員、林祖恋さん(65)を村党支部書記に任命した。闘争時に過激な行動に走らせずに党との橋渡し役を務め、事態を収拾した手腕が買われたのだ。 林書記のもとで、村の土地・財産の管理や公共事業などを行う村民委員会の役員を決める選挙も3月1日に実施されることになった。
 中国では、国から地方の末端まで党組織が張り巡らされ、村民委は村党支部の指導下にある。1988年からは、村民委主任(村長)ら役員を選挙で選ぶ方式も始まったが、人口約1万2000人の烏炊では昨年まで40年以上、選挙もないまま、有力者2人が書記と村長に就いてきた。
 「2人に刃向かえば、警察や役所など公権力を動かして介入し、とても太刀打ちできなかった」と村民は話す。

◆村民が死亡
 書記ら幹部は90年代から村民に無断で村の土地の使用権を次々と売却。最終的には耕地の約9割が人手に渡り、工場建設やリゾート開発などが進んだ。売却益は分配されず、書記らだけが私腹を肥やした。村民によると、2人は高級外車を乗り回し、香港に豪邸も建設、香港の銀行には多額の預金があるという。
 都市部の出稼ぎから戻った若者たちが2009年から、村の上位組織に当たる陸豊市などに陳情を繰り返したが、取り合ってもらえなかった。「古里で家庭を築こうと戻ってきたら耕地がなくなっていた。魚も海洋汚染で激減しており、これでは生活が成り立たない」と、若者(27)は言う。
 運動は村全体に広がり、昨年9月には村民と治安部隊による衝突が発生。村民らは村幹部を追放し、自治組織を結成して抗議を続けた。12月には当局側が若手指導者ら5人を逮捕。その一人、薛錦波さん(42)が拘束中に死亡したことで対立が激化した。村民は村に入る道路を丸太で封鎖し、当局側も武装警察を配備して村を包囲、緊張が高まった。

◆「民主主義の手本」
 
若者たちは闘争の様子をネットで発信。国内外で解決に向けた圧力が高まるなか、広東省当局は12月下旬、党幹部を村に派遣して自治組織を暫定的に公認
、土地問題の調査や薛さんの死因究明を約束して事態を収束させた。
 ただ、当局への不信感は根深く、「土地問題が解決するまでは気が抜けない」と活動の中心になった村民らは話す。それでも、
「民主主義の手本だ」「烏炊に学べ」と、省内外の農村住民らが同村に詰めかけている


政権、理解示しつつ警戒

 【北京=1関泰晴】中国共産党政権は
烏炊村の「成功」に倣い、各地の住民が連携して抗議行動が拡大することを警戒している。今秋の第18回党大会での大幅な世代交代を控え、「安定の確保」が最優先となる中で、住民の要望に一定の理解は示しつつ、政権批判は許さない
構えだ。
 共産党機関紙「人民日報」は昨年12月、「村人の訴えに真剣に耳を傾けて果断に解決していれば問題は拡大しなかった」と論評し、地元当局の不手際を糾弾。一方で、広東省の対策チームが現地に赴き、「民意を重視する」態度で対立を和らげた点を評価した。中国筋は「真意は『抗議デモは地元の責任として党政権に批判が広がるのは阻止せよ』ということだ」と指摘する。
 香港メディアなどによると、地元当局の不正を告発する抗議行動が今月以降、広東省広州、河北省承徳などで相次いだ。
党政権は「烏炊モデル」の波及を懸念し、各地で抗議行動の指導者などの監視を強化
しているという。

 汚職にまみれた地方幹部の処分をすすめ、民意の暴発を抑えるのに懸命の政府の動きがあるとはいえ、村の党幹部を追いだして闘争を続けた村民の代表が、村の党トップの書記に任命されるとは、驚きです。
 喧嘩両成敗であったり、せいぜいトップのすげ替えかと考えるのですが、民意がそれを許さないまでの情勢に変わってきていて、地方幹部の尻尾切りで党中央への民意の批判を防ぐのに精いっぱいの状況になってきた証なのでしょうか。

 都市部を経験した若者たちによる地域のリテラシィの向上。武装警察の包囲に対するネットを利用した情報の拡散での抵抗の奏功。力で封じ込めても止められなくなってきた知識や情報の広範な流れの存在が大きいのですね。
 共産党は、各地で抗議行動の指導者などの監視を強化して抑え込み、標的・責任を地方に留めていますが、いつまでこの手が通用するのでしょう?
 習近平新政権の舵取りが注目されますね。江沢民流の、反日での世論統制の道への逃避へ戻ることがない様願っています。

 広東省の陸豊市鳥炊村が「自治政府」を樹立し、共産党支配に挑戦? [宮崎正弘の国際ニュース・早読み] - メルマ!




  この花の名前は、サクラタデ  撮影場所=六甲高山植物園

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