遊爺雑記帳

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ウクライナの反撃、西側兵器で形勢逆転は可能か

2022-07-19 01:23:56 | ウクライナ全般
 西側諸国が供与した最新兵器がウクライナに戦況の好転をもたらしつつある。だが、全面的な反転攻勢につながり、戦争の長期化を避けられるかは不透明と西側当局者は話していると、WSJの Daniel Michaels, Warren P. Strobel and Gordon Lubold (以後、WSJと略称)
 
ウクライナの反撃、西側兵器で形勢逆転は可能か - WSJ By Daniel Michaels, Warren P. Strobel and Gordon Lubold
2022 年 7 月 18 日

 西側諸国が供与した最新兵器がウクライナに戦況の好転をもたらしつつあるだが、全面的な反転攻勢につながり、戦争の長期化を避けられるかは不透明と西側当局者は話している。

 米国の高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」をはじめ、フランスや英国、ドイツ、ポーランドなど
西側諸国が供与した兵器は、ここにきて前線から遠く離れたロシア軍基地に直接的な打撃を与え始めた最近ではロシアの弾薬庫を爆破している。ロシアは足元、密集地への集中砲撃でウクライナ東部の領土制圧を進めており、こうしたウクライナの反撃は極めて重要な意味を持つ。

 
米国防関連のある高官「ウクライナは前線から遠く離れた国内のロシア拠点についても確実に破壊できるようになった。これによりロシアが砲撃作戦を行う能力は著しく落ちる」と話す。

 弾薬庫や指揮所を破壊することで十分にロシアの攻撃力を弱体化できるか。これはより精密で射程が長く、高額な軍装備の供与へと切り替えている北大西洋条約機構(NATO)加盟国にとって、なお核心的な問題だ。

 
西側のある情報当局者は「何が最も効果的な兵器システムかを巡っては、各国でかなり綿密な分析が進められている」と明かす。提供するシステムは徹底した訓練を行わなくても操作可能で、戦場で容易に維持・修理できる必要があるという。

 足元では
ハイマースや他の多連装ロケット発射機(MLRS)が注目を集めているが、弾薬や装甲兵員輸送車(APC)、従来の榴弾砲向けの精密榴弾なども大きな効果を発揮している。

 
ウクライナ側は西側の兵器供与を歓迎しているが、精密長距離砲システムや装甲車、戦車、ドローン(小型無人機)など、さらなる軍装備の提供を求めている

 
米国はハイマース12基の供与を確約しているが、まだすべて実戦配備されていないウクライナ国家安全保障・国防会議のオレクシー・ダニロフ書記は先頃行ったインタビューで、ウクライナにハイマースが50基あれば「全く異なる状況になる」との見方を示している。

 ただ、最新鋭システムが早期に実証できる形で結果を出さなければ、兵器を提供する西側の意欲が後退しかねないとの警告も聞かれ始めた。西欧諸国はウクライナでの戦争の結果、エネルギー・食品価格の高騰に見舞われており、冬季が近づくにつれて状況はさらに悪化する様相を呈している。米国では11月の中間選挙を控え、インフレやエネルギー価格に焦点が移るだろう。

 
米大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)のレイチェル・リゾ非常勤上級研究員「時間が経過するのに伴い、西側諸国がここ半年に提供してきたような支援を持続するとは想像しがたい」と話す

 
ロシアは開戦当初から目標の引き下げを迫られたが、それでも占領地を確実に拡大しており、集中砲撃の下で緩やかに進軍を続けることが可能なようだ。

 
アブリル・ヘインズ米国家情報長官(DNI)は先月下旬、ウクライナでの戦争が「かなり長期にわたる」と米情報機関では推測していると明らかにした。そのシナリオでは、ロシア軍の大規模な戦局打開はないものの、小規模な領土制圧を重ねていくという。

 
西側の最新鋭装備によるロシア軍の重要拠点破壊がどこまで戦況見通しの改善に寄与するかは、今後数週間に明らかになっていくだろう。オープンソースの機密情報専門家からは、おそらくウクライナの攻撃による砲弾不足の結果、すでにロシア軍が戦術を変更している兆しが確認できるとの指摘も出ている。

 
一方、ロシアのソーシャルメディアやウクライナの諜報(ちょうほう)活動からは、ロシア軍兵士が迎撃困難な新型ロケット砲の精密さと射程の長さに衝撃を受け、士気が下がっていることも分かっている。とはいえ、西側の最新ロケット砲システムの数はなお限られるのが現状だ。

 
西側の最新兵器が実際に戦場に投入されるペースが鈍いことで、ウクライナとロシアのいずれも明確に相手を打ち負かすことのできない長期戦の様相が強まるとの見方は多い。そうなれば、ロシアに優位に働くとの見立てもある。ウラジーミル・プーチン大統領は世論を気にする必要がなく、ロシアは冷戦時代の兵器を大量に抱えているため、少なくとも制圧した領土を維持できるとみられるためだ。

 ただ、
西側のアナリストによると、長距離砲によるウクライナの攻撃は、中央集権体制が顕著なロシア軍に突出した影響を与えうると指摘されている。ロシア軍の兵站は柔軟性を欠くため、前線近辺に多い大規模な弾薬庫に依存せざるを得ないこれらの弾薬庫を爆破すれば、個別の武器を破壊するよりもはるかに大きな打撃をロシア軍の作戦に与える。また上官数が多いロシア軍にとっては、指揮所の破壊も重大な影響を及ぼす。

 
米シンクタンク外交政策研究所(FPRI)のロブ・リー上級研究員は、「破壊できれば(ロシア軍にとっては)相当大きな損失だ」と話す

 
ロシアは西側のシステムに対してほぼ無防備だと同氏は指摘する。素早く発射した上で、相手の火砲システムの射程外に素早く移動できるためだ。また夜間も作戦を実行できるため、ロシアのドローンが検知するのは難しいという。

 
リー氏はハイマース投入によって、ロシアの進軍を鈍らせる一助になっているようだと述べる。しかし、ウクライナが領土を奪還できるとは必ずしも言えないという。それにはウクライナが十分に訓練された部隊をそろえ、重火器や砲弾を確保する必要がある

 
ウクライナが受け取った新型システムは、西側諸国がこれまで供与した重火器や車両よりも一段の訓練を要する。そのため、ウクライナ軍の投入ペースも落ちる。こうした中、前線の兵士に不可欠な支援を提供できない手薄な状況になっても、新型兵器の訓練のために兵士や将校をいったん戦線から外すべきかどうかを巡り、活発な議論が繰り広げられている

 米国の高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」や、他の多連装ロケット発射機(MLRS)が注目を集めているが、弾薬や装甲兵員輸送車(APC)、従来の榴弾砲向けの精密榴弾なども大きな効果を発揮していると、WSJ。
 ウクライナ側は西側の兵器供与を歓迎しているが、精密長距離砲システムや装甲車、戦車、ドローン(小型無人機)など、さらなる軍装備の提供を求めているのだそうです。

 米国は、12基のハイマース供与を確約しているが、まだすべて実戦配備されていない。
 ウクライナ国家安全保障・国防会議のオレクシー・ダニロフ書記は、ハイマースが50基あれば「全く異なる状況になる」との見方を示していると、WSJ。
 一方、米大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)のレイチェル・リゾ非常勤上級研究員は「時間が経過するのに伴い、西側諸国がここ半年に提供してきたような支援を持続するとは想像しがたい」と話しているとも。

 西側の最新鋭装備によるロシア軍の重要拠点破壊がどこまで戦況見通しの改善に寄与するかについては、機密情報専門家からは、おそらくウクライナの攻撃による砲弾不足の結果、すでにロシア軍が戦術を変更している兆しが確認できるとの指摘も出ていると、WSJ。

 ロシア軍兵士が迎撃困難な新型ロケット砲の精密さと射程の長さに衝撃を受け、士気が下がっていることも分かっている。とはいえ、西側の最新ロケット砲システムの数はなお限られるのが現状だと。

 西側の最新兵器が実際に戦場に投入されるペースが鈍いことで、ウクライナとロシアのいずれも明確に相手を打ち負かすことのできない、長期戦の様相が強まるとの見方が多いのだそうです。
 長期戦になると、ロシアに優位に働くとの見立てもあると、WSJ。
 つまり、プーチン大統領は世論を気にする必要がなく、ロシアは冷戦時代の兵器を大量に抱えているため、少なくとも制圧した領土を維持できるとみられるためだと。

 ただ、西側のアナリストによると、長距離砲によるウクライナの攻撃は、中央集権体制が顕著なロシア軍に突出した影響を与えうると指摘されているのだそうです。
 ロシア軍の兵站は柔軟性を欠くため、前線近辺に多い大規模な弾薬庫に依存せざるを得ない。これらの弾薬庫を爆破すれば、個別の武器を破壊するよりもはるかに大きな打撃をロシア軍の作戦に与える。また上官数が多いロシア軍にとっては、指揮所の破壊も重大な影響を及ぼすと。

 米シンクタンク外交政策研究所(FPRI)のロブ・リー上級研究員は、「破壊できれば(ロシア軍にとっては)相当大きな損失だ」と。
 ロシアは西側のシステムに対してほぼ無防備だと同氏。

 リー氏はハイマース投入によって、ロシアの進軍を鈍らせる一助になっているようだと述べる。しかし、ウクライナが領土を奪還できるとは必ずしも言えないとも。
 ウクライナが十分に訓練された部隊をそろえ、重火器や砲弾を確保する必要があるのだそうです。
 新型システムは、西側諸国がこれまで供与した重火器や車両よりも一段の訓練を要する。そのため、ウクライナ軍の投入ペースも落ちるのだと。
 このため、前線の兵士に不可欠な支援を提供できない手薄な状況になっても、新型兵器の訓練のために兵士や将校をいったん戦線から外すべきかどうかを巡り、活発な議論が繰り広げられていると、WSJ。

 新兵器、新システムの増援も、そう単純には進まないのが難点。



 # 冒頭の画像は、米国が供与した長距離榴弾砲「M777」を操作するウクライナ兵



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