遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

欧州3カ国歴訪 一帯一路への支持拡大はならず

2019-03-30 01:08:18 | 中国 全般
 G7で初の「一帯一路」への参加覚書をイタリアと交わした中国・習近平主席。イタリア、モナコ、フランスの欧州3カ国への歴訪を終えて帰国しました。
 耿爽外務省報道官は、「習指導部は、中欧関係の発展に新たな推進力を注入した」とのアピールを発信した様ですが、イタリアの対中傾斜で欧州連合(EU)内部の警戒感はさらに高まり、人権問題をめぐる溝も埋まっていないのが現実。
 依然独仏は中国への警戒感を解いていない様子なのだそうで、習近平の訪欧・「一帯一路」拡張の狙いは叶わなかった様子です。
 
「一帯一路」欧州でも逆風 習近平氏が帰国 - 産経ニュース 2019.3.27

 【北京=西見由章】中国の習近平国家主席は27日、イタリア、モナコ、フランスの欧州3カ国への歴訪を終えて帰国した。巨大経済圏構想「一帯一路」についてイタリアと先進7カ国(G7)で初となる覚書を交わすなど、習指導部は「中欧関係の発展に新たな推進力を注入した」(耿爽外務省報道官)と成果をアピールする。ただイタリアの対中傾斜で欧州連合(EU)内部の警戒感はさらに高まり、人権問題をめぐる溝も埋まっていない

 米国との貿易摩擦が長期化する中、
習指導部は巨額投資と巨大市場の開放をテコにEUとの関係強化を図っているが、期待したほど一帯一路への支持は拡大できていないのが現状だ。

 中国共産党は27日、収賄容疑で調査していた国際刑事警察機構(ICPO、本部・仏リヨン)前総裁の孟宏偉前公安省次官を党籍剥奪処分にしたと発表した。同事件をめぐってはフランスにとどまる孟氏の妻がマクロン仏大統領に、中仏首脳会談で待遇改善を提起するよう求める書簡を送付。訪仏後まで処分の発表を遅らせたのは、事件に注目が集まるのを避ける狙いがあったようだ。

 中国外務省は習氏が外遊に出発した21日、EUの駐中国大使らに新疆ウイグル自治区へのツアーを提案した。100万人以上のウイグル族らを強制収容しているとの批判に反論するのが狙いとみられるが、EU側は「準備が必要」だとして拒否した。中国側の政治的主張に利用される懸念があったとみられる。

 イタリアのマッタレッラ大統領は習氏との会談で「人権擁護の重要性」について言及。マクロン氏も人権問題について習氏に提起したもようだ。

 一帯一路への参加を推進した
イタリア経済発展省のジェラーチ次官は26日、中国海南省で香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの取材に、イタリアに続いて欧州の少なくとも2カ国が覚書を交わす予定だと明かした上で「実際のところ、すべての欧州諸国が一帯一路への参加を望んでいる」と言い切った

 ただ
EUの屋台骨である独仏は中国への警戒感を解いていない一帯一路の事業は債務超過に陥る発展途上国が相次ぎ、その投資効果に懐疑的な見方も強まっている。「普遍的価値観や安全保障に基づいた米欧関係とは異なり、中欧関係は中国による投資の明確な効果が短期間で表れなければ容易に後退する」(同紙)との指摘もある。

 国際刑事警察機構(ICPO)前総裁の孟宏偉前公安省次官を党籍剥奪処分にしたことの発表を、訪欧が終わるまで延期したり、習氏が外遊に出発した21日、EUの駐中国大使らに新疆ウイグル自治区へのツアーを提案(拒否された)したりの小細工もあった様ですが、習近平の「一帯一路」拡大浸透の狙いは、叶わなかった様ですね。

 「一帯一路」の債務の罠が露呈し、警戒を強めたり、離脱したりする国が増えているのですから当然のことです。
 しかし、イタリア経済発展省のジェラーチ次官は、イタリアに続いて欧州の少なくとも2カ国が覚書を交わす予定だと明かした上で「実際のところ、すべての欧州諸国が一帯一路への参加を望んでいる」と言い切っているのだそうです。
 (マッタレッラ大統領は習氏との会談で「人権擁護の重要性」について言及)

 EU内での「一帯一路」への評価は分かれている様ですが、財政の苦しい国々や、札束外交の罠に犯された国がなびいてしまう国が、まだ欧州にもあるのですね。

 日本の安倍首相でさえも、共同投資に賛同した時期がありましたが、最近、4条件に適合している場合と条件を付ける様になりました。

 「自由で開かれたインド太平洋戦略」の主唱国でもある日本。
 EU主要国が、「一帯一路」に警戒感を強めてくれていることは、歓迎すべきことです。



 # 冒頭の画像は、エリゼ大統領宮殿の階段で記念撮影をする中国の習近平夫妻とフランスのエマニュエル・マクロン大統領夫妻




  ダイダイ


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