遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国 ふたたび不動産バブル崩壊への警戒感

2017-03-10 23:58:58 | 中国 全般
 中国で不動産バブルが危惧され、無計画な投資によって不良在庫となった、「鬼城」といった言葉をよく見かけていました。しかし、近年、再び価格上昇が始まっていて、不動産バブル崩壊の声が聞かれなくなっていましたが、それもつかの間、またぞろ不動産バブル崩壊が懸念され始めてきた様です。
 バブル崩壊と言われて久しい中国経済。その中の主役の不動産バブル崩壊。経済成長率が下落する一方で、今回の全人代では、6.5%の目標値にまで下がってきました。(分母が大きくなってきているので、下がってもあたりまえの側面はありますが)
 バブル崩壊と言われながら、政府の政策出動で凌いできたのですが、停滞が進んでいる中国経済下で、政府の政策でささえきれるのか、警戒は必要ですね。
 

中国住宅へ投機マネー 狂乱バブル崩壊の予感 (3/10 読売 国際経済)

 中国で不動産バブル崩壊への警戒感が高まっている
。トランプ米大統領の対中政策の行方とともに、中国経済は国内外の懸案に包囲されている。  (広州支局長 幸内康)

東京以上
 「買っておいてよかった」
 中国・広東省広州市に住むアパレル会社の女性社員(34)が表情をほころばせた。一人暮らしだが、昨年5月、市内に約65平方メートルのマンションを購入した。それがわずか10か月で1割以上も値上がりした。
 同じ広東省の深セン市に住み、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に勤める男性(35)の顔色はさえない。
 子供の成長に合わせ、より広い住宅への買い替えを考えた。だが、「高すぎる。華為は優良企業で給料もそれなりにもらっているが、それでも負担しきれない」とため息をついた。
 中国指数研究院によると、深圳の新築住宅の1平方メートル当たり平均価格は、昨年10月、1年前に比べ37.5%も上昇し、5万5150元(約90万円)となった。東京23区内の多くの住宅地をしのぐ水準だ。
 マンション建設用地の入札でも、不動産業者が史上最高価格で落札するケースが相次いでいる。
 国家統計局の統計によると、
北京と上海、深圳、広州の4大都市や、南京やアモイといった地方の主要都市で、1年前に比べ2~6割を超える急激な不動産価格の上昇が起きている


売れ残り
 
急騰の背景には、政府が住宅購入を促す政策をとってきたことがある。野放図な開発の結果、地方都市で売れずに積み上がった不動産在庫を減らす狙い
があった。
 住宅や店舗用ビルなどの売れ残りを示す不動産在庫は、2015年末に7.2億平方メートルと、年間の販売面積の6割弱にまで膨れあがった。
 このため、
政府は国民が住宅を買いやすくした
。中国では、住宅ローンを借りる際に用意しなくてはならない頭金の割合を政府が決めている。昨年2月、その比率を、1軒目の購入の場合はローン総額の25%から20%に、2軒目は40%から30%にそれぞれ下げた。銀行も住宅ローンで優遇金利を積極的に実施するようになった。

株から流入
 
住宅は、実際に暮らすためだけでなく、お金を運用して増やす投資の対象にもなっている

 14年11月以降、景気下支えのため金融が緩和され、企業や個人はお金を低金利で借りやすくなった。
 大量の資金はまず株式市場に向かった。株価の上昇が続いたが、
景気の減速に伴い15年に株式相場が急落中国は「金融市場が未発達で、投資先は株か不動産か金くらいしかない」(広東省不動産業協会の察穂声会長)。株式市場から逃避した資金は「比較的安全な不動産に向かった」
(上海財経大学の陳傑教授)。
 経済紙「経済観察報」は、株や金、外貨など
8種類の資産の利回りについて、昨年8月までの3年半の値動きを調べたところ、不動産だけが一貫して10%を超えた
という専門家の分析を伝えた。
 潤沢な資金を持つ不動産や金融関連の国有企業は史上最高値で不動産を落札し、価格高騰の主役を演じた。
過剰設備に苦しむ鉄鋼などの国営企業は、住宅建設の活況で一息ついた

 
地方政府も、不動産からの収入で財政を支えた
。中国では土地の所有権は国にあり、地方政府は土地の使用権を売って財源としているためだ。

リスク拡大
 不動産の価格高騰は様々な問題を生み出している。北京や上海、深圳の場合、住宅価格が住民の平均的な収入の30年分を超えているといい、一般の人にはとうてい手の出ないレベルになっている。
 値上がり益に期待する企業や個人は、手持ちのお金では足りないため、借金をして不動産を買っている。
 住宅ローンが多くを占める銀行の新規の中長期貸し出しは、16年に前年の約1.9倍に増え、貸し出し増加分全体の45%を占めた。中国全体の借金を示す「社会融資規模残高」も16年末時点で155兆元(約2600兆円)と、1年前より12.8%増加した。
 
今後、不動産価格が下落に転じれば、さらなる下落を恐れて売りが売りを呼ぶ可能性がある。値上がり益を見込めなくなり、企業や個人は借金を返せなくなる銀行にとっては、貸したお金が返ってこない不良債権が膨らむ。銀行は不良債権を増やさないため貸し渋りに走り、景気が悪化
する。
 日本経済が1990年代のバブル崩壊後に経験したような
金融システムの崩壊
を招くおそれがある。
 
トランプ米大統領は対中貿易赤字を問題視し、中国に対して強硬姿勢をとる。中国にとり最大の輸出先である米国への輸出が滞れば、中国経済に深刻な打撃
となるのは確実だ。
 既に、中国経済が減速しているため
投資家は資金を中国国外に逃避させており、通貨・人民元は下落が続いている
。中国当局は資金の流出を食い止めるため、様々な規制を打ち出している状況だ。
 
中国経済には内憂外患のマグマがたまりつつある


抑制策 ようやく本格化

 「大都市の不動産価格のコントロールは本当に必要だ」
 深圳市のトップである許勤・市共産党委員会書記は1月20日、広州市で読売新聞などに対し、不動産価格対策の重要性を強調した。
 深圳市は昨年3月と10月に出した価格抑制策に続き、今年1月にはとうとう「不動産価格の凍結」とも言える対策を打ち出した。
 新築住宅の値段は、市当局の審査を経なければ設定できず、周囲の同様の物件より目立って高くしてはいけないことになった。売れないからといって大幅に値下げすることも許されない。
 ほかの都市も昨秋から次々と頭金の規制強化などの価格抑制策を発表した。12月には習近平国家主席が「住宅は住むためのものであって、投機の対象とするものではない」と国民に向かってくぎを刺した。不動産価格の上昇は今年に入ってようやく落ち着きつつある。
 広東省不動産業協会の察穂声会長は「不動産は大多数の中国人にとって富の象徴だ。価格が暴落したら、影響は経済だけにとどまらない。政府は価格を下げさせないだろう」と語る。
 今年の全国人民代表大会(全人代)回初日の今月5日、李克強首相は「都市ごとの状況に応じた不動産市場のコントロールを強化する」と今年の不動産政策の方針を示した。価格高騰が激しい大都市と地方都市とでは異なる対応を取らざるを得ないためだ。今後も都市ごとの対症療法的な対応が続きそうだ。


 国内経済成長の低迷。国外に流出する投資資金。そこへ、対中貿易赤字対策を掲げるトランプ大統領の出現。
 国内外で吹く逆風に立ち向かう習近平は、鄧小平以来、中国経済の高度成長を支えてきた「改革・解放」を継承する、胡錦濤・共青団派の李克強首相の職域である経済分野にも独裁の手を伸ばしてきていますが、課題の、国営企業改革が進められず、泥沼にはまりつつある足を抜けないでいます。

 記事は、「中国経済には内憂外患のマグマがたまりつつある。」と結んでいます。いよいよバブル崩壊の時が迫ってきたのでしょうか。





  この花の名前は、レンゲショウマ


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