北京の青空もf16

2006年 帰国。いつの日かまた中国へ

雲南省の旅2

2006-02-18 15:39:15 | 
麗江に着いたのは、2月12日。この日はちょうど中国の「元宵節」。春節から数えて最初の満月の日だ。元宵節には、灯籠を飾り、花火をあげ、家族そろって「元宵」という胡麻や落花生の餡が入った団子をゆで汁に浮かべて食べる。麗江の広場は若者があつまり、踊ったり歌ったりたいそう賑やかな夜だった。残念ながら、たこは頭痛のため早めにホテルに帰って休憩。
麗江は納西族が主に住む町で、古城は800年ほど続く古い町並みを今に残しており、世界遺産にも指定されている。納西族はチベットや中国の仏教の影響を受けた「東巴(トンパ)教」という独自の宗教をもち、東巴文字という象形文字を持っていることで知られている。伝統的かつ神秘的な町を期待して麗江行きを決めたのだった。
ところが狭い路地は、いたるところ土産物屋、食堂、旅館。観光客の数も半端じゃない。「世界遺産がこんなになっていていいのか!」と思うほどだ。東巴文字もすでに商品化され、記念グッズには東巴文字が刻まれている。
しかたがないので、いつものように店や人の少ない路地を選んで歩いてみた。木造と土塀の民家、すり減って丸みをおび、つやつやとした石畳はいい雰囲気だ。なんども同じを場所を歩いているうちに、土産物屋にも慣れ、違うものに目が向くようになってきた。町の人の暮らしを支えているのは豊富な湧水と水路。同じ水路で野菜を洗ったり、洗濯をしている。(野菜を洗っている隣で、洗濯洗剤を使っているのが心配だ。)子供たちは石畳の上を駆け回っている。女性は編み物をよくしている。歩きながら編んでいる人もみかける。家によっては、屋根の上には、縁起物の猫の置物が飾ってある。沖縄のシーサーみたいだ。
しばらくするうちに、土産物屋の事情も分かったきた。革製品は手頃でデザインのよいバックや財布がたくさんある。職人がいる店では、特注も受け付けている。工芸品を作ったり、売っている人は他の地域の出身者が店を開いていることが多いらしい。似たような店が多く、同じようなような商品を扱っているが、よく見るといいものとそうでないものの差が見えて来ておもしろい。
若い東巴(このばあいの東巴は東巴教の宗教者の意味)とも知り合った。彼は伝統的な東巴紙作りの技術を受け継いでいる。正式な東巴文字も書くことができる。彼の扱う商品は比較的伝統的なスタイルで、他の店とは一線を画していると思う。
彼の話す納西語の発音をまねすると、「君は(中国語)の標準語より、納西語の発音の方が正確だ。」とからかわれた。納西語は日本語と発音が似ているのだ。
納西古楽のコンサートにも行った。毎晩催される観光客向けの演奏会。これだけきくと内容はあまり期待できない気がするが、数百年の歴史をもつ楽器を奏でる老人たちの風格は、まさに「仙人」そのものだった。演奏がおわったら雲に乗っても不思議じゃない。
麗江は奥が深い。数日間の滞在では気づかないすごいものが隠されている(気がする)。(写真:麗江では猫は縁起がよいらしい。東巴文字で「猫」を意味する文字は、猫の顔なのがすごい)

雲南省の旅1 

2006-02-18 13:59:52 | 
今回の旅の目的地は大理と麗江の2カ所。
大理はおもに白族が住む町で大理石の名前の由来になったところだ。新しく開発された新城地区と1000年以上の歴史をもつ古城地区に分かれている。(中国語でこの場合の「城」は都市の意味。)人口はおよそ30万人、そのうち3万人ほどが古城で生活している。古城は城壁に囲まれ、東西南北の4つの門がある。ツアー客にとって、観光のメインはもちろん古城だ。
古城のメインの通りは、お土産の店とホテルが軒を連ね、観光客でいっぱいだ。しかし、一歩裏通りに入ると昔ながらの民家が並び、観光客はほとんど見当たらない。ぼくたちが歩くのは、こういったマイナーな通りだ。もちろん繁華街もたのしい。無国籍風のカフェがたくさんり、内装もおしゃれでコーヒーと洋食が安くておいしい。早い時期から外国人旅行者を受け入れて来たと言われるだけあって、街によく馴染んでいる。カフェの雰囲気からは、ヒッピー文化の影響を強く感じた。インドやネパール同様に、かつてはピッピーたちの溜まり場になっていたのではないかと想像している。裏通りにもかなりいい感じのカフェや宿がある。大理に行ったら、絵はがきのような名所旧跡より、裏通りやカフェがおすすめだ。(写真:裏通りでみつけたクラブ。紫と金の配色が見るからに危険な感じだ)