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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「よたばなし」-6-

2018-12-01 23:03:41 | 自作の小説
ー彼ー

家に行くと約束した日 上品(かみしな)寿(ひさし)は大学の研究室前で僕を待ち構えていた

「逃げられたら困るさかいにー こんな早起きしたん初めてや 
ボクのこの熱意にあんじょうこたえておくんなはれや」

上品と待ち合わせの約束をしたのは 大学内にある食堂だったんだけどね

「ええねんて 研究は待ってくれはる じっくし時間かけて考えたほうがええのんなりまっせ」

好き勝手言う上品だった


「ほれほれ ボケかツッコミかしてくれへんといい漫才にならんがな」


なんで自称・親友と漫才をしないといけない
これから怨霊さんとご対面しないといけないのに


「人生は楽しく生きなあかんて 笑う門には福来るっていうやんか」

などと言う上品の多弁に悩まされつつー彼の家に着いた
とても長い旅に感じた


案内されたのはアパート
寿(ことぶき)マンションとあるが・・・どう見てもアパートだ


「じっちゃんがバブルの頃に収益物件として購入 家賃でラクに暮らそうというハラがー
出るもんが出るせいで借り手はつかず 売るには売れずの厄介物件・・・
取り壊すにも金がかかる

ボクの名前が同じ寿の字を使った読み方違い
じっちゃんは いっそコイツーボクにやろうと思ったんやて
いい加減人間やったからなあ」

そのアパートの一階の一室を上品は使っていた


「さ~~~~会(お)うてくれ 会(お)うてくれ 怨霊さんに」
などと楽し気に上品が言う

「少し眠ってくれ上品 僕なりのやり方があるんだ」

「いややなあ 男の前で眠るなんて 変なことしたらあかんで
ボクの寝顔があんましかわいいからいうて妙な気 起こさんといてや」


ひどくイライラするのは僕の人間ができていないせいだろうか
だんだん殴ってやりたくなってきたぞ


少し待つと上品が眠りにおちたらしく 彼の見る夢が浮かんできた

その夢の流れの中に僕も入る


上品は何処かの小屋の中にいる
魚の匂い
網がある
海が近い場所なのだろうか

あのお喋りな上品が口をきかずにいる


そこで夢の所以か 上品の顔が別人のモノに変化する

小屋に女が飛び込んでくる
駆けて来たのか息が切れている

首のところで一つのまげを作っているその黒髪は乱れ・・・・
妙に艶めかしい長じゅばんは着崩れている

女は声も出さず 男の胸に飛び込む


・・・ああ・・・
声にならないため息が漏れたかどうか

男は用意していたらしい徳利から湯呑へと酒をつぐ

「さあ・・・それほど苦しみはしない
けれど女のお前の着ている裾が乱れたり 胸がはだけてはー
綺麗にととのえてから追いかけるよ
すぐに行くから 待っていておくれ」

男は優しい言葉をかける

毒というのに 女は嬉し気に呑んだ

覚悟はできていたということか
女は死ぬために必死で駆けてきたのか

男はーそれほど苦しみはしないと言ったが
女は酷いほどに苦しんで 苦しみ抜いて死んだ



男はそんな女を見下ろして 追いかけはしなかった

死になどしなかった


男は笑ったのだ 
「やった やったぞ 死んだ 死んだ これで おつるはオレのモノになってくれる」


もう死んだ女に見向きもせずに 男は出て行ってしまう


しばらくたって・・・・・・

女の影が起き上がる

騙されて死んだ哀れな女

ーああ 悔しい 悔しい 騙された 愚かな自分が恨めしい
あああ!-

女は叫び声をあげる

ー怨みをはらしたいのに ここを動けない 出られない!
ここから出られない
あああ どうしてくれようー


ーここへ来る奴 みぃんな殺してやる! 恐ろしい思いをさせてやる
誰も彼も赦さない 赦しはしない
その命を貰うんだー


物凄く恐ろしい顔になった女は・・・・・・・
僕を見た


ーなんて好い男だ さぞや女を泣かせてきただろう
おいで・・・ おいで・・・-

女が手招く

僕は動けない
上品の夢の中だというのに
上品は何処へ行ったのか
何処へ消えたのか

いや これは怨霊の視(み)る夢か
僕は知らず そちらへ取り込まれたのか


ーおや あの パッとしない顔の男は上品という名前なのかえ
あれはサ 好みの顔じゃないから 脅すだけにしたのサ

だけどお前は別
あたしは好い男が好きなのサ

それに・・・・おや お前 随分と良い 美味しそうな血を持っているじゃないかー


恐ろしい顔で女は嬉し気に笑う





モノを買う動機^^;

2018-12-01 15:17:28 | 子供のこと身辺雑記
熊本県産 苺のゆうべに



亡き父が熊本県出身
ついつい買ってしまう熊本県産♪

伯父伯母達も亡くなり今や遠い場所となってしまいましたがー母の出身地の鹿児島県 そして私が産まれた場所の福岡県と・・・
大切な心のルーツです
私の魂の根っこは九州にあります


同じお店で見つけたpino(ピノ)










チョコアソートはバニラ・アーモンド味・チョコ
シーズンアソートはバニラ・キャラメル・抹茶
パッケージも可愛くて ついついのつい買ってしまいましたが
動機は「食べたい」からではないんです


ネットの情報で好きな宝塚 男役 宙組二番手スターさんの芹香斗亜さんが拘りの食べ方があるーとお茶会で話されていたとか

それでどの食べ方がピノは一番おいしいか実験してみたファンさんもおられたようです

で 私は 芹香斗亜さんがお好きな「ピノを買った」ということだけで満足しております・笑

瑠奈と麦丸と

2018-12-01 14:59:36 | ペット
茶色いのが年下の麦丸
男のコだけに 体は大きいです














瑠奈は あんまし元気すぎる麦丸が時々うるさくなるらしく 家の中で上手に雲隠れしています
だから麦丸は瑠奈が横にいてくれるだけで嬉しくて
瑠奈の頭や耳を舐めたり

最初は気持ちよいのか麦丸の好きにさせている瑠奈ですが 
やっぱ うるさいとばかりに 麦丸の気付けない場所へ行ってしまいます






ちまちま庭いじり

2018-12-01 14:48:02 | 子供のこと身辺雑記


つるバラの足元にチューリップの球根を植えました
実に50球 お徳用5色混合
春が とおっても!楽しみです
手前の白い花はノースポール
春になれば 咲き誇るつるバラ
その足元にチューリップいっぱい

しかし 冬はこれから まだまだ春は遠いのでした




サザンカのハシモトシボリの花がが少し開いてきました



蕾のうちは濃いピンク
開き始めると斑入りなのがわかります








溜まったポイントで買えた寄せ植えさん♪




「よたばなし」-5-

2018-12-01 00:32:12 | 自作の小説
ー或る女ー

そりゃあ 心中しようか 一緒に死のうかとするほどですから そりゃあ惚れておりましたさ
でもね なんと言っても女郎でございます

とうにさ 本気の惚れたはれたなんざ諦めきっておりましたのさ

こっちは口説(くぜつ)とこの体で客の気を惹いてつなぎとめて また来たい またあの女を抱きたい
そう思わせておあしを稼ぐのが商売じゃありませんか

お日様の下など歩いちゃいけない身の上です
いつかは悪い病気など持ってさ
野垂れ死ぬ・・・・・・


そう思っておりましたさ

稼ぐうちは店も多少は大事にしてくれる
ならば少しでもいい客を掴むんだ

ふふん
すれっからしでございます

心なんぞ 邪魔なんでございますよ
何の役にも立ちはしない

割り切って それに慣れて・・・・・・


ああ
厄介なものでございます


馴染みの客
通ってくる男

ええ 見かけの良い男でござんした
色白で


その男が言うのでございます

一緒に死のうと・・・・

お前を嫁にしたいが身受けする金も無い

だからと言ってもうお前が他の男に抱かれるのはイヤだ
自分ひとりのモノにしたい

この世ではかないそうにない
いっそ一緒に死んでくれと

何を馬鹿なーとね 思いましたよ
のぼせ上って

けど三月(みつき)半年と同じ言葉が続いて

いつか ああ ずうっと色んな男に体をいじられ続けて生きるのも
などと思うようになり


ならいっそ この男の言うように
それもまたいいじゃあないか

生きていても死んでも同じ地獄であるのなら
せめて夢を見ながら死のうかと


一緒に死のうと約束して
男が待つという小屋に 店を抜けて忍んでまいりました

男が用意した死への道具は毒でした

優しい声で男が言います
「先にお行き すぐに追いかける 毒で苦しんで着物が乱れて 女のお前がみっともない死にざまを晒してはいけない」

男は約束したのです
ーすぐに追いかけるー


その言葉を疑う心はありませんでした

素直に毒の入った酒を仰ぎました
ひと息にー

・・・・ああ胸が焼ける 苦しい苦しい苦しい苦しい・・・・・・
喉をおさえて 胸をかきむしり
苦しさは続くのです


いつか真っ暗な闇の中におりました


男ですか

来ませんでしたよ


全部 嘘だったのでございます


あたしには違う店に稼ぎを競う女がおりました


これで人気があったんです

あたしか その女か


その女の企んだことでした

あの男は その女をこそ口説いていたのです

その女は 男があたしを本気にさせて 心中を受けたら

そこまでしたら女房になってもいいとー


酷い話

男なんて信じたあたしが馬鹿なんです

だから いまもまだ迷い続けておりますよ

苦しんで死んだこの場所に縛られて


どれほどの時間 こうして迷い続けているんでしょ

あたしの姿は鏡やガラスに映るそうで


小屋は無くなり違う建物になっても

あたしは やっぱりこの場所を離れられないんでございます
因果なものでございますねえ




恨みをはらそうにも あの男も女もとうに死んでしまっております

だから あたしは ただ ここに出るしかないんですよ