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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

三日月に甘えて

2015-04-09 22:22:00 | 自作の詩
三日月浮かぶ夜に 貴方を想っている 

空に浮かぶは三日月 明るい光 

想うは貴方のこと 

ただ想い続ける とりとめなく 

ー眠れないのは わたしばかりかしら 


ただ 好きなのだと 

貴方のことを考えている 

夜の下 


三日月よ 空に浮かぶ三日月よ 

ああ

君ありき ただ君ありき 


巡り来る三日月よ 


また寂しさは 

ー貴方が傍にいないから  貴方を前にしたら言えないけれど


ただ 三日月に呟いてみる

月の光に甘えるように

沢木冬吾著「償いの椅子」角川文庫

2015-04-09 09:28:35 | 本と雑誌
償いの椅子 (角川文庫)
沢木 冬吾
角川書店



五年間 消えていた男が帰ってきた 彼を知る人々の前に
死んだとも思われていた能見享司
山村の貧乏かつ穏やかならざる環境の家庭を飛び出した少年はトルエン中毒になりながら それから抜けた
秋葉という男との出会いが能見を変えたのだ


けれど秋葉は能見を助けて死んだ

能見は秋葉と自分を襲撃させた人間への復讐の為に 準備をととのえて戻ってきたのだ


秋葉の愛した女性と暮らしている東野は 能見の出現に怯える


能見の妹の夫はろくでなしで 自分の息子の充には暴力をふるい 娘の梢にはその体に手を出していた


能見が車椅子を必要とする体になっていたことは 伯父の能見に希望をかけていた姉弟を暗い気持ちにさせる


父親に似ることをおそれる充は 絶望もありある行動に出てしまう



能見を追う公安・警察ー奇妙な組織



妹一家の生活も案じる能見

とは
自分に課した正義 自分なりのルール


能見を追う側の南城にも正義はあり -人の死をなんとも思わぬ南城にも美点はあり もしも違う立場であったなら案外 能見とは通じる部分もありはしなかったかと

だがー過去は消せない

途中 能見を追う側だった桜田は 終盤 自分が立たされていたところを知って 能見を助ける側に身をおく



妹一家の愁いは取り除き 復讐は果たし 能見は消える



けれど 姪の梢に約束の誕生祝の品は届いた



能見は生きているーらしい

能見を知る加治の店には桜田らしき人物が常連となっている

能見の出現でひろがった波紋は・・・彼を知る人間達を少し変えた




北方謙三氏のデビュー以来 久々にハードボイルドを読んだ
そんな印象です