ソロモンの偽証: 第III部 法廷 下巻 (新潮文庫) | |
宮部 みゆき | |
新潮社 |
裁判が進むにつれて 次第に明らかにされる柏木卓也という少年の普通ではない言動
と
森内恵美子を中傷し さらには暴力でも傷つけた垣内美奈絵の顔に 自分と同じモノを見る三宅樹理
彼女は反省するだろうか それとも心は闇に落ちたままだろうか
柏木卓也が死んだ夜 大出俊次が自宅にいたことを見る第三者の存在も明らかとなり 大出俊次は柏木卓也の死に無関係なことはー大出俊次の無実は ほぼ明らかとなる
この裁判に弁護士として尽力してきた神原和彦
彼こそが柏木卓也が飛び降りた屋上に居合わせたことが分かる
柏木卓也は身近な人間(兄の宏之や神原和彦)を死に追い込もうと考えていたらしいことが 人に記憶されている
柏木卓也は自分が死ぬのではなくて 神原和彦を自分から死なせようと そうさせることに喜びを感じていたらしかった
しかし事は卓也が思うようには操れなかった
おまえなんか おまええなんか
自分以外の人間を自分より下の存在と見ている少年
大出俊次には無罪の判決
陪審員たちはー柏木卓也が柏木卓也を殺したーと
閉廷
そして中学三年の夏が終わる
それからー
この学校裁判で弁護士助手を務めた野田健一は教師として母校に戻ってきた
現在の女性の校長は 事件が起きた頃の校長先生だった津崎にどこか雰囲気が似ている
いまや伝説となった学校裁判について 当事者だった野田の話を聞きたいと言う
健一は言った「何でもお話できます」「どんなことでも」
同時収録「負の方程式」では成長した藤野涼子が弁護士となって登場
「誰か」「名もなき毒」「ペテロの葬列」を経て探偵となった杉村三郎と共演します
ある教師と中学生達 どちらが嘘をついているのか
中学生は恩師の為にも立ち上がったのでしたがー
藤野涼子は物語の終わりに「ソロモンの偽証」 学校裁判で弁護人を務めた神原和彦が自分の夫であること
その職業は「清らかな象牙の塔の住人ー学者ってどんどん浮世離れしていくから困っちゃうー」と 杉村に話す
「どっちの親にも孝行なお婿さんだし 子育てもしてくれる」
神原和彦は幸せになれたのだ
その不幸な生い立ちにもくじけず 生きている
映画化もされており 現在上映中です
映画化に伴い多少の変更 いじりーは あるようですが