




堀江亮介はノンキャリアの外交官だが 弟の洋三はキャリアの外交官だった しかし同乗者3名を乗せて運転中 不可解な動きをする黒い車が接近後 事故を起こし洋三と同乗者は亡くなり 生き残った別の同乗者には障害が残った
その後始末に現地へ向かった堀江は 弟に愛する女性がいたことを遺された日記から知る 優れた頭脳を持つその女性は北朝鮮へと拉致された疑いがあった 洋三は愛する女性の行方を必死に捜していて不慮の死を遂げたのだ
数年後 この弟の死は堀江の任務に絡んできた
怪しい動きを見せる新興宗教とそれに絡み不気味な動きをする人間達
繰り返される尾行
核により日本を壊滅させようというハルマゲドン計画
失恋から宗教へ救いを求めた哲学を勉強する三村和明は入信した新興宗教の活動の異常さに気付き 女装して世間の目を欺きながら 内側から企みを崩そうと試みる
三村が助けを求めたのは 如何なる廻り合わせか 堀江の弟の洋三が愛した女性の弟トーマスだった トーマスは姉の行方を捜していた
陰謀は阻止されたが三村は命を落とした
さて堀江が愛したシルビアは病死したが フリッツという息子がいる それは堀江の子供ではないが フリッツは堀江を父として慕っていた
だが「ウィーンの冬」ではフリッツについては殆ど降れられない
人の情とは そういうものだろうか
「プラハの春」「ベルリンの秋」「ウィーンの冬」がシリーズ物であるだけに シリーズを通して見た時に主役であるから 作中いかにいいように書かれていても 優柔不断で 人間として感情に欠陥があるようにみえる
著者がほぼ堀江と同じ経歴の人物であるから 穿った見方をすれば美女との肉欲場面は著者の願望として読み飛ばし
歴史の裏側ではこんなことがあったんだ 余り詳しくは書けないけれどねー そう学校の教科書には書かれてない歴史や駆け引きなどを 著者は人々に知ってほしくて 自らの経験したことを小説に仕立てたのかもしれません