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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

辺見じゅん著「女たちの大和」ハルキ文庫

2006-08-23 23:47:44 | 本と雑誌

辺見じゅん著「女たちの大和」ハルキ文庫
死んでいった者達の
死んでいった者達への想い

覚悟

戦争 太平洋戦争で場所は変われど 家族を愛する人を 日本の未来を思い案じつつ死んでいった 彼らを 時代と逆行してもいい 英霊と呼んで何故いけない?

国を守る為に 家族を守る為に 死に赴く身でありながら なほ 残された者達を案じて

名もなき人々かもしれないが ゆえに より真摯に心をうつ それぞれの真実のエピソードが

感情を抑制した冷静な文章で綴られています 軍人さんは戯画化されたドラマの中の 理不尽な事ばかりする存在ではなかったことも知ってほしい

早くに喪われすぎた命を惜しみつつ

これは著者の綿密な取材によるノンフィクションです


北森鴻著「孔雀狂想曲」集英社文庫

2006-08-23 19:22:10 | 本と雑誌

下北沢にある骨董品屋 雅蘭堂(ガランドウ)の店主 越名集治

彼が遭遇する骨董品の世界の化け物(人間ですが^^;)達

ウラのウラのウラの・・・・・

とてつもなく ややこしい仕掛け

騙されれば命はない 名声も消える

どいつも こすっからいのだ

元は万引き未遂の押しかけ女子高生バイトの安積と 掛け合い漫才のようなやりとりを繰り返しつつ

細い目で越名は 骨董の世界の闇を見る

連作短編集です

買って損はないですよ~~~

私は今回再読なのですが 楽しみました

そしてね 哲学者の木田元先生が書かれた解説が これまた素敵な文章で 中身も充実

これだけ読む為に買ってもいいくらいです

なんといってもーミステリ読んで70年ーしかも奢らず丁寧で

北森先生の作品についても 詳しく触れておられますし

北森鴻紹介ーのエッセイとしても良いくらいです

では木田先生の文章をお借りしましょう

{きっと病みつきになると思うよ}

はい付け加えることはありません


櫂 広海 「凶人形」「骸乙女」あおば

2006-08-23 19:13:18 | 本と雑誌

鬼談シリーズ6「凶人形」7「骸乙女」

いずれも女性と見まごう美貌の人形師北村雨月と その友人の小説家とその秘書の杏子さんが 不思議な事件と遭遇し 人形からみで解決していく

少しホラーの領域に近いかもしれません


坂東眞砂子著「道祖家の猿嫁」講談社文庫

2006-08-23 19:09:24 | 本と雑誌

道祖(さいど)家へ花嫁行列が向かう

何故か その行列には 賑わいも華やかさもなかった

まるで葬列のようであった

舅が初めて見る花嫁は・・・余りに猿に似ていたのだ

猿と呼ばれながら 蕗は思うのだ

夫だって牛に似ている

大舅 大姑 舅 姑 小姑 夫に仕え

夫の浮気に耐え

誰よりも蕗は長生きする

蕗に似ている十緒子は その33回忌に久しぶりに故郷へ戻る

けれど生家は もう取り壊す予定がたっていた

そこへ戦死したと思われていた辰巳の娘から手紙が届く

かつての日本には 蕗のような女性は多くいただろう

声無き主張をし弱い立場にみえて 結構したたか

強いのだ