ニッキ-通信 ~盲導犬ニッキ-のお母さんより~

盲導犬ニッキ-と私の日常。要援護者・障害者の防災について紹介します。

ジャネットを拒否しないでちょうだい

2016年06月27日 | 日記

ヤネットをきょひしないでちょうだい

快適な梅雨の晴れ間を五月晴れと言う。今日は正にそんな日であった。
ジャネットとおかあさんは一日中ごろごろ。といっても 雷ではない。実は昨日、出かけてとても疲れたのである。

 昨日は鎌倉にあるお金持ちの邸宅でホームコンサートが開かれた。ホーム コンサートといっても80名の聴衆が集まったのだから これは親しい人たちが集まって といったものではないが。それでも、顔なじみの方々が多かったのか、会場は なかなかの賑わいである。
午後二時からソプラノ、バリトン、テノールの歌手が登場。日本語 イタリア語、ドイツ語、フランス語と次々と歌ってゆく。コンサート会場ではないので舞台は無い。最前列をどうぞと言われたが素直に従わなくて良かった。すぐ傍で歌うのは良いが、歌手の皆さん、その清涼がただごとではない。おかあさんは鼓膜が耐えられなくて、途中でちょっと耳を押さえたりする位だ。大会場ではない。もう少し声量を抑えてくれない物かと。
 最近のジャネットはソプラノの高温に弱くなっている。だが、ジャネットは立ち上がったり実を震わせたりしながら耐えてくれた。おかあさんも耐えた。
 あいだに1時間休憩を取って、ランチタイム。邸宅の持ち主は食べ物系の会社のオーナー。流石においしいランチを頂いて感謝。
 その後 5時まで 又1時間の演奏があった。

 たっぷりと2時間の演奏も音量が大きいと疲れるものだ。。ただし選曲が珍しいものが多く、新たな美しい曲たちにめぐり合えて良かった。
 ジャネットはこの3時間をほとんど動かずに静かに出来たので、周りの人たちから褒められた。
 こうして出かけて、盲導犬の立ち居振る舞いやその可愛らしさを見てもらうことで、社会的な評価を より高めることが出きる。
 
 さて、最近 ホテルでの補助犬の宿泊拒否やレストランの入店拒否やタクシーの乗車拒否などの事件をよく聞くようになった。
 昨日は大船駅からタクシーに乗ろうとしたら犬はナメと言われた。
 そんな場かなと思ったが、ドライバーがイッパン犬と勘違いしたからだと分ったが 驚いた。
 ペットを連れてタクシー利用は出来ないのだが、それと知らずにペット同伴者が多いとの事であった。。

さて、10月におかあさんの入っているユーザーの会での旅行の宿泊のお話。その時は25頭くらいの盲導犬が参加するだろうその宿泊予約をしようとして拒否されたのだ。

 岩手県の一関にあるビジネス ホテル。
夜の宴会は引き受けたのにである。
 理由は、アレルギーのあるお客様に配慮してとの事らしい。
 そこで 盲導犬協会が動いた。
 まず 不特定多数の人が出入りするホテルなどは法律で拒否できないようになっていることや盲導犬の健康管理やトイレ管理、清潔管理などがきちんとされていることを理解して貰い、盲導犬などの補助犬の宿泊を受け入れることに同意したとのことである。
  ホテルは一軒ではないので、隣のホテルに問題なく予約は出来たが、会としては この拒否を捨てては置けない。
 それにしても 犬のアレルギーって 空気感染するのかな
 
 おかあさんはこんな話を聞くとうんざりする。日本ってどうしてこんなに本質に目を向けない人や組織が多いのかと。
 他の客のアレルギーの心配をするよりも そこに泊まりたいと希望してきている客、たとえ 補助剣道半でもだが そちらを優先する優しさすら持てないのかと思うと ほんとうにうんざりする。

 ここで 色々な形の説得が始まるのだが、その遣り方が面白い。
 ユーザー側がしたで(下手)に出るケース。けんか腰になるケース。諦めて出てゆくケースなどだ。 

 それなりの店や組織は説明をすればわかるが、もう 感情的に鳴って受け入れないで
追い出すなんていう場合もあるらしいが、断られると 本当に頭に来る。そこで きつい言葉の3つも言いたいところだが、それはまずい。解決しておかないと、次に来たユーザーが同じ憂き目に会う。
 その賢い対処法として、厚生労働省の出しているパンフレットや2002年に出された補や今年の4月に思考された障害者差別解消法を
示して、理性で分って貰うことだ。それでも駄目なら 行政指導や盲導犬協会からのお願い指導を要請する。
 そして、全く問題なく受け入れてくれる所には補助犬同伴可のステッカーを貼って貰うし、理解してくれたところにもはっきり分るところにステッカーを貼る手伝いをしたいものだ。
 
 おかあさんがどうしても言いたいことが一つだけある。

 それは 盲導犬を拒否することは盲導犬を同伴している人間、ユーザーを拒否していることをしっかりと認識して貰いたいことだ。
 おかあさんは ホテルや店から拒否されるようなことは何もないと思っている。ホテルで麻薬を吸ったり、備品を持っていったりしたこともない。
イッパンの泊り客と同じ。拒否されるいわれはないのである。

  
 とはいうものの ジャネットに関しては一つ心配事がある。それは抜け毛だ。
 ホテルなどでは お尻までカバーする4本足の洋服を着せるとか、寝るときはシートを必ず使うとか、ブラッシングをまめにする(今は朝夕2度ブラッシングをしている。)、コロコロを持って旅行に行くなど おかあさんサイドでも配慮しなければならない。これがきちんとなされて 始めて正々堂々と社会に迎える。肝に銘じておこうと思うこの頃である。

 

 日本まだまだ福祉国家でもないし 文化的にもお粗末とおもえるが皆様はどう思われるであろうか。