日々、暮らしの中で考える。・・・・・・木もちeー暮らし

普通の暮らしの中で気がついたこと、考えたこと。またこのような生活の視点を通し、仕事で出合った方々のお話を綴っています。

ウッドロングエコのカタログ 表紙写真の舞台裏

2011年04月29日 01時22分49秒 | 仕事_ウッドロングエコ

▲3週間前に入稿を終え、搬入を待つだけになった水質・土壌汚染をしない木材保護剤ウッドロングエコの商品カタログ


撮影日は寒々しい春。しかし表紙には、生命力を感じる「緑」が欲しい。

東日本大震災から2週間後の撮影。

あいにく撮影前日は雨。雨の中カッパをきてデッキを掃除しました。トホホ・・・・43歳になってもまだこんな下積み仕事の毎日です。きっと私の場合これが一生続くんだろうな~。

でも心は学生気分。良い表紙写真を撮るための準備は大変だけどワクワクします。

残念ながら翌日も日差しが強すぎてで撮影中止。

さぁ一日伸びたから、背景をつくるか!

イメージは「生命力を感じる緑」にしたいので、

花壇の右の植物を上手に引っこ抜き、花壇左に移植。

ホームセンターや花屋で売っている花や緑だと、お行儀が良すぎて、写真で撮ると絵にならないんですよね。

というか小川社のイメージには合わない(笑)

 
まぁ、まずはこんな感じから・・・。さぁここからどんな緑を足していこうか!


 
レタスの苗を購入し、仮植え。撮影のために購入したのでホームセンターで売っていたレタスの苗をほとんど買い占めました。

背景に黄色が足りないので、思い切って室内用の黄色の花を仮植え。

室内用の花は鮮やかだからポイントに使うと絵になります。

縦位置の写真だったらなんとか絵になりそうな予感。

近所にある雑草も抜き、少し野生的な緑を加えて・・・さらにナチュラルに!

近所の人は一体何やっているの???と不思議そうな顔をしていました。

当日は写真を撮った都合で緑や花を足す為、夜にホームセンターでまた植栽を購入。

昨日からホームセンターへ3回もいき買い足しています。暇人か?遊んでいるのか?仕事なのか?



▲撮影当日。朝6時  少し曇っていていい感じ!晴れだと光が強すぎて、ウッドデッキの色がとんでしまうので良かったとほっと一安心。


▲モデルさんの服の色を選びます。この色は、塗料のカタログというよりアウトドアのカタログになるということで×


▲この色は、炊き出しをイメージするので×


▲衣装を4色用意しましたが、紺のジーンズ生地の服にしました。


スタッフの藤井が適当にモデルのMさんに話しかけてくれたので、Mさんの動きも柔らかくなってきました。

火の近くで中腰でモデルをするから、疲れるだろうな。

撮影時間は4時間程度。たった一枚にこれだけ時間がかかってしまった。

改めてプロのカメラマンとモデルさんって大変な仕事なんだろうなと思いました。




▲完成!



撮り終わったらすぐにPCのデスクトップに写真を挿入しスライド状態でみえるようにしています。いつでも目につくようにすると、写真も客観的に見えます。

小川社の場合は、「キレイな写真」ではなく「自然体な商品写真」。

だから、普段の生活から「ここなら写真を撮れるかな???今の時間の日差しだったらキレイかな??」などぼんやりフレームを考えながらお掃除しています。

私の仕事は公私が無いのだろうな~。不器用な私にはあってはいる仕事ですが・・・・・・。

下手でも毎日ブログを書くと・・・・自然と引き出しができてくるから、

いざという時にさっと仕事ができます。

「継続は力なり」と思い書いていますが、果たして、力になっているのだろうか???




話は反れますが・・・・・先日主人から「お前ブログは、一日百件程度の人が見るだけじゃないか!」といわれて思わずムッ

「いっとくけど・・・・私の仕事は、さぁ今から広告の文章書きましょう!広告写真を撮影しましょう・・・。なんてわけにいかない。なんにもわかってない。」

とも思いましたが、どうせ話してもすれ違うだけだと思い言葉に出すのは辞めました。

営業マン相手の主人に話しても通じるわけがない。

でも考えてみれば皆同じ。確かに人の仕事って見えないことが多いです。

もし私が主人の立場に変わったら、すぐに胃が痛くなって出来ないだろうと思います。





私を産んだ親でさえ、

「今さぁ~雑草をとって、表紙の写真に緑を足しているから忙しい!」

といったら???という世界だと思います。私の仕事は・・・・・。





あの巨匠の黒澤明でさえ、七人の侍のシーンを撮影するときに

「あの家が、このシーンカットには邪魔だ!」といっていたそうです。

それだけ、背景をトリーミングする作業って、難しいし・・・・けど楽しい作業なんだろうと思います。

フレームの中に黄色の花が少しあるだけでも、絵が変わってくるので、皆夢中になって仕事をするんだろうと思います。

さぁ私もせっせと動き草刈と掃除をして、

黙々と日々のシーンの絵づくりをして、仕事にしていくしかないんだろと

思い直しました。なかなか達観できない自分が幼くみえる今日このごろです・・・・・・。

「継続は力なり!」でやるしかないか。


































ペレットストーブと 空想商品「非電化自販機?」

2011年04月28日 00時23分30秒 | 環境
福島第一原発事故が起きてから

小川社で何ができるのだろう?

とずっと考えていました。




GAIAの清水社長のブログの中で

「私たちは原発は要りません。1/4節電しよう~電力の1/4原発で造られています」というバナーが紹介されていました。

このバナーを拡大しGAIAのトラックにも描くとか。


デザインはターンムファームさん。ハバネロホットソース作っています。







小川社だったら、何が出来るだろう。何が商売になるだろう。

木質系燃料かな?




・・・・以前から主人は「ペレットストーブ」に興味をもっていました。

しかし三重県でペレットストーブを購入した場合は、

ペレットの燃料は大阪から仕入れることになります。そうなるとコストがかかりすぎるし、

各家庭で燃料を在庫する場所も必要です。

そこまでするものなの?と思っていましたが・・・・・。

幅広い人脈をもっている主人なら

将来的に小川社でペレットストーブの燃料も尾鷲で製造かもしれない!



そして独自の販売方法を考えれば販売も可能かも?と一人で勝手に考え直しています。




薪ストーブは、都会や住宅密集地区では難しい。

ペレットストーブ(FS式)だったら煙突をつけなくても良い。

まず一回、我が家で導入して現時点の使い心地や問題点を見出すなどしてみようかと考え中。

それに最近では、自家製でペレットもつくれるものもあるとか。

まずは情報収集をして、一歩進みたい。












次は自動販売機を何とかしたいのですが。

どんな田舎でも自販機があるんですよね。都会だったらあれほどコンビニがあるから自販機ってこんなに必要?とも思います。

まぁ自動販売機無人店舗のようなものなので、今の社会ではすぐに無くすことはできないだろうな。




それだったら、まったく別の発想で非電化自動販売機ができないだろうか。

私は科学は全くの素人なので、いい加減な発想ですか・・・・・

(ここからは、空想の世界です)


前にもこのブログで紹介させて頂きましたが

発明家の藤村さん「非電化冷蔵庫」と

セイコーの「電子ペーパー」の技術を掛け合わせれば

「冷蔵機能」と「商品パッケージ」を照らすの大元の電力だけなら

もしかしたら非電化自動販売機が出来るのではないか?




電子ペーパーは白黒しかできませんが、画像はものすごく美しい。

逆に不自由さを逆手にとれば、タイポグラフィックの個性がでるので

かえって話題になるのでは。

素人ならではの無茶の発想ですが・・・・・。

企業も省エネをPRするなら、

自販機という「新しい媒体をつくる」つもりでいたら広告も兼ねるのでは。

ドリンクも「身体にやさしい冷やしすぎないドリンク」にするとか。

日本のドリンクは、かなり冷やしすぎですよね。





通常、コンクリートの上に自販機を設置しているので

真夏はかなりの熱をもっているはず。

「自販機にそこまで開発費をかけないよ!馬鹿。」といわれること間違いないけど

自販機という発想ではなく、新しい媒体を産み出すくらいの戦略で

根本から変えないと・・・・・。










































地域の植物でつくられていた生活雑貨・・・・・鬼毛ほうき・棕櫚束子・南方熊楠まで

2011年04月22日 13時32分30秒 | 暮らし

▲鬼毛ほうき

整体人様から鬼毛ほうきを頂いてから

すっかり掃除機の出番がなくなりました。


鬼毛ほうきは、

埃もあまり立たず、とにかく小さなゴミよく取れる!

コレ一本で天井、照明から出隅や入り隅までサッサと掃ける。


なによりも軽い!そして床の素材を選ばない(フローリング、畳、カーペットまでこのほうき一本で大丈夫。)


「あれ??掃き掃除ってこんなに楽しかったけ?」と思うほどです。


▲このほうきが届いてから娘も掃除するようになったので、販売先に電話をかけ娘用のほうきも買いました。
 我が家では、掃除道具を一番使う台所にほうきなどをおいています。食器棚に横板に掃除道具をかけています。

今はピン画鋲をさしフックの代わりにしていますが、鉄製のトンボのフック(尾鷲にあるcafe スケールの雑貨屋さんにおいています)に変えたいと企画中です。


▲販売先から頂いた和歌山産の束子。正直いって束子でこれほど違うのか!と驚くほど。この束子は冷蔵庫の脇にかけています。


娘「お母さん、このほうきは束子でできているの?」

私「なにで作られているんだろうね。そういえば束子に似ているね。」


早速、鬼毛ほうきの原料を調べました。


▲なんと!棕櫚(ヤシ科)の木の皮からできていました。

尾鷲へきて、はじめて土井林業さんのお庭をみて 

「日本庭園に棕櫚(ヤシ科)なんて珍しいな。南国系の植物が生息する地域なのかな?尾鷲はバリに似ているな」

となんとなく思っていましたが、まさかこの木がほうきや束子の素材になっているなんて。

さらに42号線を南へ降りていくと、

熊野あたりから串本 白浜にいくと棕櫚(ヤシ科)が群集で生息しており、

海には、トビウオがピョンピョン跳ねています!

当時の私には、楽園のようにみえました。








この棕櫚の木の皮をほぐし、選別した皮だけを「鬼毛」というそうです。


▲鬼毛ほうきをこの角度から撮ってみると・・・・・かなりの量が使われていることがわかります。



和歌山県ではこのほうきが郷土工芸として認定されています。

鬼毛ほうきの実用性とデザイン性に惚れ、よその地域の方が和歌山に移り住み、鬼毛ほうきの修行をされている方もいらっしゃるほど。

「すごく高い美意識で作られていること。単なる日用品ではない、機能美というのかな。完成されたデザインからそのことが伝わってくるんです(お弟子さんの言葉より)」と、

まるで恋をしているような目で師匠の箒を見つめています。(笑)





棕櫚は、水に強く、耐久力に優れる棕櫚の皮は、古くから箒を中心に束子や縄など日用品の材料に使われてきたそうです。

特に箒に使うと、棕櫚に含まれる自然の油分が畳に上品なツヤを与え

その価値を知る高級料亭や寺院が、今も愛用されています。

最近では、フローリングの床にも同様の効果があることからか、主婦からも人気だそうです。(やはり!!)





さらに調べてみると和歌山県には高田耕造商店さんなど

束子職人さんのお話なども奥が深く、興味をそそられました。

よーく考えてみると、元々生活雑貨は地域の植物を原料として発展してきたのだから

職人さんたちが、地域に生息する植物の特徴を知り尽くし

その上で用途に応じて、原料を選別し、技を磨き

「生活に根ざして常に良いものとは?と投げかけ、生活を豊かにする道具。」

それが生活雑貨だったのかも知れません。

「鬼毛ほうきは一生に3本」といわれるほど、耐久性に優れています。

「掃除機が一般化したのは、質の悪い生活雑貨が増えてから・・・・。」という風に言われる方もいるとか。

まぁ、掃除機にはまた別の良さがありますが・・・・・

なにより、気楽に親子で掃き掃除できるのがほうきの良さかも知れません。

それに音がしない!電気代もいらない。

かなり個人的な趣味かもしれませんが、掃除道具から地域に生息する植物の話題へ飛べるのが面白い。





ほうきを買ったばかりなので、まだ無理ですが

これを機会に南方熊楠の本を購入して、紀州の植物をもっと知りたいな・・・・と思う今日この頃です。



▲ずっと前から、アマゾンのお気に入りにいれている南方熊楠の本。








人間国宝 岩野市兵衛さんを支える道具~簀桁~

2011年04月19日 23時37分31秒 | お仕事
岩野家がつくる越前生漉き奉書を、

光に透かすと、繭のように柔らかく光を放します。


▲岩野家が漉いた越前生漉き和紙

薄っすら光沢があり、柔らかくて繊細なのに、

岩野家の紙はピカソをはじめ、国外問わず愛用されています。

それもそのはず木版画の版を、数百回と刷っても紙がへこたれないので、版がずれにくいとのこと。





今日は岩野家が和紙を漉く時に使う道具「簀桁(すけた)」のお話をさせていただきます。

まずは「簀桁(すけた)」をご覧下さい。

写真は越前生漉奉書を藍で染め、染め返しの作業の時に撮影させていただいたものです。









息をのむような美しさですよね。

簀桁(すけた)は和紙の用途にあわせた籤(ひご)、網目になる糸、そして簀の編み方が異なるそうです。

これだけの籤(ひご)を選別するだけでも、大変な注意力と集中力が求められると思います。



▲簀桁(すけた)は、和紙を漉く時に使われます。
 簀(す)は、この作業に耐えられるような強さとしなやかさが要求されます。
 また、和紙職人さんが求める和紙に用途や種類など様々な要素を加味してつくられます。




簀(す)を製作する人は全国で数十名おるそうですが

岩野家が使用している簀を作れる人は2名だと聴いております。


▲越前生漉奉書 (色:藍)










▲越前奉書(生成り)と藍を仮に市松模様に並べる


▲桂離宮の茶室 松琴亭でも同じものが使われています。










簀(す)をいれる木枠「桁(けた)」を製作できる人は、日本全国で4名程度しかいないそうです。

桁(けた)を造るには、木を使い慣れた大工さんでも、何年もの修行が必要な技術が求められるとか。

簀(す)の目はひとつとして同じものがありませんので

簀(す)との相性など非常に高い性能が求められるそうです。








たゆまない努力と的確さと根気が必要とされる仕事かと思います。



▲改めて簀(す)を観察してみると・・・・・

 「用の美」をクリアしたからこそ、そぎ落とされた凛とした美しさが魅力です。

 












[紫雄躑躅の群生が鑑賞できる、城山公園のつつじ祭り]+[大井ふとん店さんの書]

2011年04月18日 01時52分32秒 | 暮らし
つつじ城の名で親しまれている曽根弾正が築いた城山後跡にある、

尾鷲市曽根町の城山公園で行われる花祭りにいってきました。

15年前に結婚し、尾鷲市賀田町へ住み、最初に感動したのが街並みが曽根町です。

このお祭りは何回も来ていますが

来る度に心が表れます。







曽根町には、全国的にも珍しい紫雄躑躅(ムラサキオンツツジ)の群生があり、この時期見頃となっています。

今年の春は寒かったせいか、あと一週間後くらいが見ごろかな?

このつつじは日当たりのよい山地に群生するそうです。


▲案内もつつじ色です。

 
▲私は、くじけると飛鳥神社に足を運んでいました。この神社の神木をみると、悩みなんてどうでもよくなるような気がします。
今日は娘が「お爺ちゃんの足が早く治るようにお参りしよう!」といわれ、手を合わせました。


 
▲隠れスポット?いつも気になる家。「鶴の絵」が描かれています。

 
▲鯉のぼりが掲げてある場所がイベント会場。餅つきや弓矢大会などが開催しています。見ごろは来週かな?来週までに散歩がてらに犬をつれてこよう。






 
▲ちなみに尾鷲の観光案内ではよくこの写真が使われています。

  
▲紫雄躑躅(ムラサキオンツツジ)   曽根の家は、生垣にもつつじを植えているところが多いような気がします。気のせいかな? 赤ちゃんのお洋服までつつじ色に見えてきました。お婆ちゃんが孫を抱く姿っていいですよね。
カラーセラピー的にいうと、ピンクは心をナチュラルに高揚させ、前向きな気持ちにさせる効果があります。そういえば、沖縄の街並みもブーゲンデリアなどピンクの花が多いかも。沖縄は戦後、植民地化されて大変な思いをされたてますが、沖縄の人って本当に明るいですよね。


▲私はここから眺める風景が大好きです。



尾鷲に住む方は輪内地区に住むのを嫌います。

過疎化しているからかな?確かに子どもが少なすぎるし、生活するには不便なところです。

また独特の村文化が残っているので嫌がる人もいます。

でも輪内地区は風景はいつみても美しいし、心が表れるようで本当に良い処ですよ。

考え方次第で、尾鷲の街中まで車で30分圏内と思えば、閑静な住宅街だと思いますが・・・・・。

いつかイーゼルを立てて、輪内の風景をスケッチしたいな~。(結婚してからずっと思っていますが、実行したことがありません)

まぁ風景画は時間に縛られて描くものじゃないから、老後の楽しみにとっておきます(笑)





▲もうひとつの隠れスポット。大井布団店さんの店主が書く「書」。店のショーウィンドウに先生の書が飾られています。
 大井先生は賀田の公民館で「書道」を教えています。

実は小川耕太郎∞百合子社をはじめたとき

商売のことを教えてくださった、那智の藤野醤油の社長さんが「商売するなら、まず手書きで手紙を書くこと」と教わり

夫婦で習っていました。しかし開業当初は元旦以外はずっと仕事だったので、忙しすぎてまったく続きませんでした。

夫婦揃って、大井先生の書のファンです。

最初の頃は、三重県の深蒸し煎茶を販売しており

大井先生にパッケージの文字を書いてもらいました。

私のコンプレックスは「字が下手なこと」。

というよりも小学5年生まで半紙に書を書くと半紙から文字がはみ出て

半紙に収まることが出来なかったのです。

綺麗な字を書く以前の問題でした。

娘には是非!大井先生のような人に「書道」を習ってもらいたいな~と思っています。








神聖な風景には大井先生のような雄大で厳格な書が似合います。

是非!尾鷲市賀田町~曽根町まで散策にいらしてください。