日々、暮らしの中で考える。・・・・・・木もちeー暮らし

普通の暮らしの中で気がついたこと、考えたこと。またこのような生活の視点を通し、仕事で出合った方々のお話を綴っています。

1+1=2

2011年03月28日 00時33分02秒 | 子育て_絵本+玩具
娘「○ちゃん」ね、1+1=2なのに、11っていうんやでぇ。ちがうのに」

私「そうか。確かに1+1=2だよね。でも数字を並べて書くと11だね。」

娘「違うのに。○ちゃんは「結ちゃん違うでぇというんや。」」

私「そっか。」




娘は3月で5歳になりました。
この年になると文字も書け、カンタンな計算もできるようになる。
そこでこんな可愛らしい衝突もあるようで
最近はこういったたぐいの話をよく聞きます。




このようなちょっとした衝突は、私にとってはすごく勉強になります。

「そっか!足し算は大人からみたら当たり前すぎて、子どもに「数学の考え方の定義」を教えないで計算に入るからかもな。
文字を書くこと、算数の考え方を同一になるのはもっともかも。」


話は変わりますが私は、カタログなどを製作する仕事をしています。
今まで当たり前だと思っていることも、本当に当たり前なのか?
皆理解しているものなのか?というスタート地から見ることを
かなり意識して生活しています。
でも、つい「このくらいわかっているだろう。」という暗黙の予測から
商品説明の導入してしまうことがあります。






12月に出した山SUN通信でも、こんなことがありました。
エコ洗剤の頁タイトルのお話・・・・・
「生分解する洗剤。エコでらくらく」とつけ、
さらに娘のつくった靴下人形家族をイラストに使い「ママも楽せーい」というイラストをタイトルの下にいれました。
自分の中ではかなりソフトな導入口にしたつもりでした。



しかしスタッフから
「百合子さんこのタイトルでどのくらいの人が引っかかると思いますか!」
という意見がでました。
「でも、たいていエコ洗剤の場合、生分解率が書いてあるよ!」

「それは、百合子さんがそういったことに興味があるからです。普通の主婦はこんなタイトルで導入できませんよ。」




自分の中ではどうだろう?とも思いましたが、その場では自分の意見を抑え
もう一度家に帰り、再度レイアウトも組みなおしました。
タイトルを「エコで家事ラクラク」に代え
「そうね。ちょっと高いけど、配水管の掃除も楽になったわ。すすぎも一回だし。」
とイラストから噴出す言葉も変えました。



追い込みの時期で睡眠が一日4時間程度の日々が
ずっと続いていたので、レイアウトを直すのに丸2日かかり
かなり焦りましたが
今考えるとやはりスタッフの意見を受け入れ、良かったと思いました。




自分がそんな仕事をしているせいか?
娘には、学問の見解からの正解とは別に
「何故?○チャンはこんな風に考えたのだろう」という
頭の使い方も覚えて欲しいなと思います。
5歳の娘にそんなことをいっても混乱するので
今は言いませんが・・・・・。

学問的見解からは不正解でも
そこから別の広がりが観えることもありませんか。
時には友達と言い合いになっても
日常生活の中で
「法則を共有することの意味」がなんとなくわかると
たかが足し算されど足し算。奥が深いです。
世界共通法則ですからね、足し算の考え方は。




そう考えると絵本作家の安野さんが描いた「はじめて出会うすうがくの絵本」はよく出来ているなと思います。

子どもが「数学に出会い不思議に思う」ことが、よく描かれています。









「安全」「生きる」について改めて考え直す。

2011年03月24日 22時33分22秒 | お仕事
3月11日(金)に発生した三陸沖を震源地とする東北・関東地方太平洋沖地震より、
亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。被災された皆様、そのご家族の方々に対してお見舞い申し上げます。
被災地で救助活動を行っている方々の安全をお祈り申し上げます。何とか命だけでもお守りくださいませ。


また、福島原発事故にて多くの人々が目に見えない不安と苦しみに襲われ
命がけで日々事故の対処に携わっている方々に
なんと申し上げてよいのか。その方々の家族を思うと
言葉が浮かんできません。
大惨事にならないことを祈るのみです。





こんな時期と重なり恐縮ですが、
今日は小川社の取り扱う、木材保護塗料ウッドロングエコの表紙を撮影しました。
土壌汚染、水質汚染をしないウッドロングエコは
北欧のきこり達から代々伝わり
環境に関心の高い人たちの間でクチコミで広がった塗料です。



今回の災害では改めて「生きる」「安全」について考えさせられました。
自分ははいつも、
商品カタログを通じて

「未来はきっと変えられる」

「未来はe社会になる」

という希望を織り込み製作しておりますが、
「希望」というと言葉だけが浮かないように心がけています。



小さな会社の商品カタログといえども紙や電気を使い、製作費もかけます。
浮ついた言葉で「安全」や「希望」を語らないように
日々、お客様からの電話応対をするスタッフの言葉に身を入れて聴いたり
主人の出張での話しを聞いたり
自分なりに咀嚼できるまでは
根を詰めてしつこくつきつめています。
このしつこさを省くと
次は無いんですよね、自営業者には。
世間はちゃんとみていますから。





今日は朝から撮影。薪のうばめやのH君にモデルになってもらいました。
11時頃から、シャッターを切るたびに
なぜなんだろう?震えが止まらなくなりました。
私の写真はド素人です。
でもやる以上は
お客様に楽しい気持ちになっていただけるようにしたい。
カタログを手に取ったら元気になっていただきたいです。
ちょっと力が入りすぎているのか?撮影は2時に日が陰り終了。モデルになってくれたHさん、本当にお疲れ様でした。




大雑把なラフですがこんな表紙になりそうです。
  





  









製作終了まで5歩くらい?
「もうひと頑張り」と自分に言い聞かせています。
ほんの小さなことだけど
仕事を通して「持続可能な社会」を築いて生きたいです。







なぜ、水は透明なのPART2~分子構造はパズル?~

2011年03月05日 23時54分22秒 | 子育て_科学工作
今日、娘と図書館へ本を返しにいきました。

娘からの質問
「なぜ、水は透明なの?」
の本も探そうとしたところ、劣等性の私にはチンプンカンプン。
そこでいつものように司書さんへ聞きました。


「こんどはなぜ、水が透明なのか知りたがっているのですが・・・・主人は太陽の光線によって色が見えるので
子供向けに光線について書かれている本があるといいのかな?と話していたのですが、どうでしょう」


「うーん。なぜ透明ということだから、分子の性質を見たほうが理解ができるかもしれません」



結局、本が無かったので、司書さんがネットで調べてくれました。


学研サイエンスキッズより引用
水は水素と酸素というふたつの気体からできています。

水が透明なのは、この、水を作っている水素と酸素がもっている性質のためです。
つまり、水素も酸素も、どちらも光を通しやすい性質をもっています。
だからすき通って見えるのです。
ところで、透明ではない水もたくさんあります。
たとえば、絵の具をまぜると、赤や黄色、そしてそれらをいろいろまぜ合わせるとネズミ色の水ができあがります。

また、工場の排水や町の中を流れる川の水も、たいていにごっています。
このように、水)にはいろいろなものがまじっているために、
よごれていたり色がついていたりするのです。
色がついた水は、水の中にまじっているものの色が見えているのです。



なるほど!と私は理解できましたが、娘は???

「もっとわかりやすいものないかな?子どもからみると分子構造ってパズルみたいなもんだからそんな玩具ないのかな?」
と思い調べたらありました。ありました。

でも玩具としては売られていないので、子どもがパズルとして遊びながら使うには耐久性は???疑問です。




「どこかのお母さんが、これ玩具にして遊ばせている家庭は無いのかな?」


と何気に検索したら、4人の子育てをしているお母さんのブログを発見!
バタバタ生活しながら科学を楽しんでいる様子が微笑ましい日記です。

「やぱっり!分子構造は子どもにとってパズルなんだ!」
と一人で納得しました。
考えてみれば、分子構造が面白いと思わなければ
科学なんて発展するわけがありません。眠くなるだけだと思いませんか?(単純すぎるかな?)
あれほど子どもがパズルに夢中になるのは
なんかパズルに根源的な面白さが潜んでいるに違いない!



おかあさん、火はなにからできているの


はじめての分子構図

分子模型セットその1

分子模型セットその2


子どもと一緒に学習?というより子どもと迷走しながら
遊んでいるようなブログでした。






▲絵:エッシャー


分子構造の模型は、エッシャーが描く世界に近いですよね。
私は高校時代、エッシャーの絵の上にトレースをひいて
何回か模写したことがありました。
どこか科学を学んでいった時の興奮と
エッシャーの絵をみて興奮した時の感覚が
似ている様な気がします。
私だけだろうか?


そうそう、
去年、安野光雄さんの個展「すうがく絵本展」が開催されていました。



私はエッシャーと安野さんって共通項があるように思います。
どちらも子どもの頃に興奮した
「不思議は楽しい」
という視点がよく描写されています。
もっとも書いている本人が楽しくなければ
こんなに長い間指示されないんだろうな。



分子構造パズルに耐久性を加えたら大人もはまるだろうなきっと。
いつか小川社でもこういった分野の商品ができたら楽しいだろうな。
きっと。
今は無謀なことを空想して楽しんでいます。

























長く指示される人は、 少しづつ変わっていく!?~ディック・ブルーナーに学ぶ~

2011年03月04日 14時14分01秒 | お仕事
昨年末、小川社の仕事を始めた頃に
たくさんのアドバイスを頂いたIさんから
ディック・ブルーナーの本をプレゼントしていただきました。

  
▲高校時代よく愛読していた雑誌「美術手帳」

美術手帳では、ミッフィーでおなじみのディック・ブルーナーさんが作品を
うみだす過程までの思考錯誤を取材していました。



ミッフィーの絵ってすぐに真似できそうですが・・・・・・結構難しいんですよね。
ちょっとのバランスでミッフィーではなくなってしまうのです。
キティーちゃんは、誰が書いてもなんとなくキティーちゃんになるけど
ミフィーは本当にフォルムが難しいのです。




それもそのはず、ブルーナーさんは一枚の絵を描くために100枚以上のスケッチをするそうです。
フォルムが決まると、今度はあの単純な線を点を打つようにゆっくり描き
時々かすかにふるえる線があの単純な線に人間味を与えているのです。
83歳の今でも現役で仕事をし
未だアトリエにアシスタントもいれずに一人で描いているそうです。
過去のミッフィーを並べてみると
時代ごとに年々微妙にミッフィーのフォルムも変わっているのがわかります。





同じようにみえても少しづつ変わっているのですよね。





話が変わります。
今年にはいってから、
小川社の商品ウッドロングエコのカタログを大幅にリニューアルすることになり
最初は
「何でいまさら変えるんだろう?」
「一部訂正だけで充分じゃないか。全面リニューアルしたら経費が莫大にかかる」
と思っていたのですが・・・・・





実際に今までのカタログの内容を洗いざらして解体すると
今まで気がつかなかったこのが見えてきました
「これは全面的に変える必要性がでてくるな。」
と思い直しました。
経費をかける以上、このカタログをキカッケに売り上げを伸ばすぞ!
くらいの勢いでやらないと
売り上げなんてカンタンに伸びてくれません。(笑)




施工例の写真を掲載する頁ひとつみても
ただウッドロングエコの施工の幅を広げるための写真ではなく
施工した人の考え方を載せると、商品の輪郭まではっきりみえてくるのがわかりました。


施工写真の隣に載せる、施工会社の考え方のコメントは
たかが何行でです。
でもその何行のために
施工会社の社長とお話したり、社長のブログをよく読んだり
会社のH.Pをみる 他
イロイロな方面から調べてみると
何行の中に何を載せれば効果的なのかコメントが絞られてきます。


そんな思考錯誤の仕事をしたか、しないかによって(文章の上手下手は別として)
読み手に何かが伝わり、
結果、商品の売り上げも伸びることもあります。
こういったしつこさって大事だと思います。
私の仕事はド素人なので
このしつこさだけは、大切にして仕事をしていました。





話が戻りますが、
ブルーナーさんは、物語を考えるときも絵を描くこと同様に
様々なストーリメモから思考錯誤の道のりを経て
ストーリを決定します。
美術手帳にその思考錯誤の様子がかかれていたので一部抜粋します。


メモA
わたしは かんむりを まほうで だしてあげた

かえるは ほんとうに おおよろこびだった

みてちょうだい、かえるは もう かなしそうじゃ ないわ

おうさまに なったんだもの




メモB
これを かえるは わたしから うけとったの

ほら みて、かえるは もう かなしそうじゃない

ほんとうに うれしそうだったの




決定版
そこで わたしは かえるのために かんむりを

まほうでだすの

つるんとした あたまに のせるために

いまでは かえるが まったく ちがって みえる

ほんとうにうれしそう




こうやってメモを並べると
たった何行でも物語の印象が変わるのがよくわかります。
すごい!本当にすごい!
長く指示されるものは、ちょっとの変化をキャッチし
気が遠くなるような思考錯誤を繰り返していることがよくわかりました。
83歳でこの思考錯誤を繰り返す集中力!素晴らしい




最近の自分はなんだかいつもダルく
あと一歩の踏み出しが弱いのですが
適度に休息もとり(最近、充分休息しているんですけどね・・・・なんだかだるい。気持ちの問題かしら?)
エネルギーを充電して、
あと一歩を踏み出さないとなぁ。