先日、ある講演の中で旭日川動物園の園長さんのお話を聞く機会がありました。
とても興味深いお話で話すと長くなりそうなので・・・・・
今日は改善育児についてのお話をします。
オラウンターは4年に一回しか子どもを産まないそうです。
オラウンターは群れで行動せず、一匹と一匹の間に4m近く距離を置くそうです。
またオラウンターはオスの握力が300kg近くあり
メスの握力が極端に少ないので、下手するとオスがメスを気に入らないと
握力でギュッと握られると死亡することもあるとか。
そのためオラウンターの相手探しは一苦労だそうです。
お互いに相性があわないと悲惨な結末になります。
旭日川動物園ではオラウンターでは珍しく自然交尾に成功し、赤ちゃんが授かりました。
しかし不安材料がひとつあります。
オラウンターのお母さんは、自分の母親の育児をみないまま、動物園に入園したので(つまりオラウンターは4歳前に動物園に入った)
「果たして子育てができるだろうか?」と思ったそうです。
案の定、子どもは授かったけど・・・・まったく抱っこをしないオラウンターのお母さんをみて
動物園内で会議を重ねたそうです。
「人工ミルクをやって人工育児をすれば、子どもは成長するけど・・・・果たしてそれはこの子にとって良いことだろうか?
飼育係もこのオラウンターが大きくなるまで仕事をしてないと思う。人間が育児すると
人間とオラウンターの間はコミュニケーションがとれても、親子のコミュニケーションがとれずに成長してしまう。
それは哺乳類として正しい選択なのだろうか?」
そこで考えたのが
「改善保育」という方法です。
飼育係が、赤ちゃんにお母さんのおっぱいを吸わせる介助をしたそうです。
そうすると、哺乳類本能で赤ちゃんは母乳を求め乳首を吸います。・・・
おっぱいを吸えば、赤ちゃんが落ちてしまうので当然抱っこをする!そう考えたそうです。
しかしこの方法は動物園側としてはリスクが大きいそうです。
育児放棄したお母さんが育てると赤ちゃんが死亡する確率も高いとのこと。
でも赤ちゃんが吸ったことで母乳はでました。・・・・しかしお母さんが実際に抱っこするまでは時間がかかったそうですが・・・・・
でも4年後、2児を出産したときは、一児の子育ての経験があるので
自然体で抱っこ&母乳育児で育てたそうです
私は人間の場合は、様々な理由があるので、母乳育児が絶対とは思いませんが
抱っこ&母乳育児というのは、科学的に立証よりも長い歴史を得た哺乳類の子育てではないかと思います。
親から子どもへ伝えていきたいお話ですよね。
できれば学校や産婦人科の母親学級や絵本の読み聞かせなどでも伝えられないのかな~。
この話を聞き胸がジーンと熱くなりました。
動物園運営の立場からみれば、リスクの少ない人工保育を選択する気持ちも痛いほどわかります。
でも、あくまでも旭日川動物園の基本姿勢は
人気動物園になる前から『伝えるのは生命の輝き』といった方針で運営をしています。
種としての尊厳を大切にし、ありのままの動物の姿を魅せることに徹しているそうです。
そのため旭日川動物では、動物のショーや人気動物(パンダなど)を入れるなどはしないそうです。
また動物臭さを解消するために餌に消臭剤もいれないそうです。
犬でも犬好きの人は犬臭くないですが、興味のない人が嗅いだ場合動物臭いと感じる。
ならばありのままの動物に興味を持ってもらえるような解説や空間作り(動物の住い)
また飼育環境を徹底的にこだわっています。
育児だけでなく経営や運営としてもとても勉強になったお話でした。
旭日川動物園は、学校だけでなく企業の研修として来場される方が多いそうです。
詳しくは旭日川動物園公式ホームページへ
ボチボチ更新ですが、ブログを読んでいただいてありがとうございます。
また旭日川動物園の続きのお話を書きたいと思います。
とても興味深いお話で話すと長くなりそうなので・・・・・
今日は改善育児についてのお話をします。
オラウンターは4年に一回しか子どもを産まないそうです。
オラウンターは群れで行動せず、一匹と一匹の間に4m近く距離を置くそうです。
またオラウンターはオスの握力が300kg近くあり
メスの握力が極端に少ないので、下手するとオスがメスを気に入らないと
握力でギュッと握られると死亡することもあるとか。
そのためオラウンターの相手探しは一苦労だそうです。
お互いに相性があわないと悲惨な結末になります。
旭日川動物園ではオラウンターでは珍しく自然交尾に成功し、赤ちゃんが授かりました。
しかし不安材料がひとつあります。
オラウンターのお母さんは、自分の母親の育児をみないまま、動物園に入園したので(つまりオラウンターは4歳前に動物園に入った)
「果たして子育てができるだろうか?」と思ったそうです。
案の定、子どもは授かったけど・・・・まったく抱っこをしないオラウンターのお母さんをみて
動物園内で会議を重ねたそうです。
「人工ミルクをやって人工育児をすれば、子どもは成長するけど・・・・果たしてそれはこの子にとって良いことだろうか?
飼育係もこのオラウンターが大きくなるまで仕事をしてないと思う。人間が育児すると
人間とオラウンターの間はコミュニケーションがとれても、親子のコミュニケーションがとれずに成長してしまう。
それは哺乳類として正しい選択なのだろうか?」
そこで考えたのが
「改善保育」という方法です。
飼育係が、赤ちゃんにお母さんのおっぱいを吸わせる介助をしたそうです。
そうすると、哺乳類本能で赤ちゃんは母乳を求め乳首を吸います。・・・
おっぱいを吸えば、赤ちゃんが落ちてしまうので当然抱っこをする!そう考えたそうです。
しかしこの方法は動物園側としてはリスクが大きいそうです。
育児放棄したお母さんが育てると赤ちゃんが死亡する確率も高いとのこと。
でも赤ちゃんが吸ったことで母乳はでました。・・・・しかしお母さんが実際に抱っこするまでは時間がかかったそうですが・・・・・
でも4年後、2児を出産したときは、一児の子育ての経験があるので
自然体で抱っこ&母乳育児で育てたそうです
私は人間の場合は、様々な理由があるので、母乳育児が絶対とは思いませんが
抱っこ&母乳育児というのは、科学的に立証よりも長い歴史を得た哺乳類の子育てではないかと思います。
親から子どもへ伝えていきたいお話ですよね。
できれば学校や産婦人科の母親学級や絵本の読み聞かせなどでも伝えられないのかな~。
この話を聞き胸がジーンと熱くなりました。
動物園運営の立場からみれば、リスクの少ない人工保育を選択する気持ちも痛いほどわかります。
でも、あくまでも旭日川動物園の基本姿勢は
人気動物園になる前から『伝えるのは生命の輝き』といった方針で運営をしています。
種としての尊厳を大切にし、ありのままの動物の姿を魅せることに徹しているそうです。
そのため旭日川動物では、動物のショーや人気動物(パンダなど)を入れるなどはしないそうです。
また動物臭さを解消するために餌に消臭剤もいれないそうです。
犬でも犬好きの人は犬臭くないですが、興味のない人が嗅いだ場合動物臭いと感じる。
ならばありのままの動物に興味を持ってもらえるような解説や空間作り(動物の住い)
また飼育環境を徹底的にこだわっています。
育児だけでなく経営や運営としてもとても勉強になったお話でした。
旭日川動物園は、学校だけでなく企業の研修として来場される方が多いそうです。
詳しくは旭日川動物園公式ホームページへ
ボチボチ更新ですが、ブログを読んでいただいてありがとうございます。
また旭日川動物園の続きのお話を書きたいと思います。