カメラマサムネ

スピッツ・草野マサムネさんの詞からみつけた花・夕焼け・風・人・ぬけ道 撮ってみました

「大丈夫ですよ」

2007-08-17 15:57:42 | 本本本

きいろいゾウ  西 加奈子著 2006年 ★★★★★

ぶわぁ~って涙がでた。

「あたたかい空気を流そう」とゆう故意のいやらしさって透けてしまう。
でもこの本はそれを感じない、ほんとうに ゆるゆると温かい気持ちが伝ってくる。

基本的に夫婦の物語なのだけど、そこに絡んでくる誰もが
いままで会ったことがあるような気持ちになる。それでいてありきたりでないのは
作者の力量だね。会話・文章のテンポも心地よい。

夕ご飯後に読み始めて、2時頃まで一気読み。
そのあいだ私はずーーっと主人公たちと同じ空気の中にいたような
その生活に旅してきたような、そんな気分になった。

共感と感情移入と余韻。をこんなに強烈に感じたのはひさしぶりだなあ。

泣きながらページをめくっていたら、先に寝ている相方がごろんっとこっちに来て
あたまをなでてくれた。翌朝聞いてみたら覚えていないとのこと。
動物的勘??! うれしかったなあ。
私もかれに「大丈夫だよ」と言ってもらえると、すごく安心する。

今の日本はどうなってるかな。
偏差値の高さだけで頭がいいと決めたり、携帯の登録番号が多い方が
人生が豊かだと思ったり しているんだろうか

地味でささやかでいいから、近くにある幸せを大切に慈しんでゆきたいと
そんな風に思いました。

あ、星5つ、ですが気持ち的には4.8くらい。
後半ちょっと「村上春樹っぽいぜよ!」ってゆう箇所があって、そこだけすこし
浮いてしまっている気がしたので。ドラマチックにしなくても十分素敵な作品なのにな。

田舎の暮らしが好きなひと。身近にある大切な人を再確認したい人にオススメです。

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