Chance is with the music

音楽を糧にしつつ、日々を過ごしてます(家主:yucca)

アナログフィッシュ@LIQUIDROOM ebisu

2008-03-28 23:16:21 | LIVE
まず最初にお断り。この画像は、ライブ前に突然告知された「You Shoot!」という粋な企画ゆえの1枚。「指定の1曲演奏中のみ」「ツールは携帯のみ動画も可」「ホームページやブログへの投稿もOK」というルールのもと、ライブ中ステージの撮影をお客さん全員に許可、というかお願いされちゃったのです。踊りながら撮影した中でこれがいちばんまともに撮れていたんですが、なんだかよくわからないですね。ということで詳しくは本文で。

さて、あまりにも衝撃だった州ちゃん脱退のニュースから半月。結局あれから1度もアナログさんの音源を聴く気になれないまま、2人体制になって以降初ライブでありSIX PISTOLSシリーズファイナルとなるこの日を迎えました。ちょうど半年前、このシリーズ初日のシェルターでのアジカンとの対バンを懐かしく思い出しつつ、期待と不安を抱えながらいざリキッドへ。

割と開演ギリギリに入場したのですが、予想以上に人の入りが悪くてびっくり。少なくとも、私が今までリキッドで経験したライブの中ではいちばん余裕がありました。えええ何故、州ちゃん脱退のせい?とも思ったけど、よく考えたらマメにライブを行いつつもこの1年以上全くリリースのないバンドが、年度末の金曜にリキッドでワンマンというのは、それだけでじゅうぶんチャレンジなわけですね。なんだかさびしいけど、ぶっちゃけとても快適なのも事実。

定刻を過ぎ、健ちゃんがいつものテンションで現れると、続いて木村さん、もっくん、下岡くんが登場。で、各自が1度は立ち位置についたと思ったら、ばらばらとステージ中央に集まって、なんと円陣&掛け声をしていたものだからびっくり。これだけで、彼らの今日のライブにかける意気込みが伝わりました。

そして始まった長い長いあのベースのリフにノリながら、下岡くんがハローハローと声を張り上げる。1曲目からHello!州ちゃんの不在を改めて自身の目で確認した我々も、このキラーチューンからのスタートに、そうだ今日のライブは州ちゃんのことを嘆くために来たんじゃないんだと、はっとさせられる。斜にかまえて観てる場合じゃないってば。

しかし、Helloのラストで「ハローハロー・・・ニューワールド。」と締めてから、2曲目に行くのさ。この、新体制になっても前進し続けようとする2人の決意が感じられるかのような流れには、さすがに思わず涙がぼろぼろ。そういえばこの曲は、9月のSIX PISTOLS EXTRAでの1曲目だったっけ。ああ、なんだかあの9月吉日の日がとても懐かしい。

そこからは健ちゃん曲を立て続けに4曲。確かスピード→LOW→世界は幻→ラバー(新曲)、だったでしょうか。どこか間違っているような気もしますが。

ここらへんまで序盤戦のバラエティに富んだ選曲を聴いて、この4人での音についていろいろ感じたことがいくつか。もっくんのドラムは、州ちゃんとはまったくタイプの違う音でした。州ちゃんの音がしなやかで弾むような、まるでゴムボールのようだったのに対し、もっくんの音はずっと硬質でがっちりロックな印象。それゆえ、横ノリで踊りたい曲では明らかに違和感を感じたものの、しっとりとした曲では存在感があって「これもアリ」と思えました。つーかたぶん、今思えば州ちゃんの音がドラマーとして異質だったというか、アナログさんの持ち味を演出する独特の叩き方をしていたのかもしれません。

木村さんの鍵盤はオルガンがメインで、隙間のあるアナログさんの音にうまく絡んでくれていたと感じました。コーラスは州ちゃんに比べると低いキーでやっておられたようで。もちろんそれ自体は問題ないのですが、あの3人のインパクト大なコーラスワークは、ありえないくらい高音に厚みがあったからだったんだなあと再認識。

その後は、下岡くんがスペースシャトルについてMCで触れ、その流れでテキサス。この時の下岡くんの、大サビまで一切ギターは弾かずにハンドマイクで聴かせてくれたボーカルは、圧巻の一言でした。で、そこからさらにバタフライ、さらに前進座でお披露目された新曲・パラドックスと、いずれもミディアムで濃い曲を。こうなると必然的にリズム隊が肝となるわけですが、テキサスあたりでは健ちゃんが終始後ろを向き、どうやらもっくんと合わせることに集中していた、その様子も印象的でした。あと、バラフライでの「らっせー」は、州ちゃんの代わりに下岡くんメインでの全員によるコール。

ここから先はかなり記憶が曖昧なので順不同で。ええと、確かあまり聞き覚えのない新曲が2曲ほどありましたね。CRAP YOUR HANDSという健ちゃん曲は、その名の通りお客に手拍子を求めながらのノリのいいナンバー。これはもっと前半のほうでやっていたような気もしますが自信なし。一方下岡くんのほうは、3人での「ライト・ブライト」(たぶん)というコーラスの繰り返しがとてもインパクトのある1曲。どちらもまだ変化していく余地のありそうなナンバーでした。

そしてダンスホールにて、おまちかねの「You Shoot!」タイム。曲の前に下岡くんから撮影OKの告知がされるやいなや、みんな携帯を取り出して身構えまくり。その反応があまりに良かったのか「みんな思った以上にくるなあ(笑)」と苦笑するメンバー。実際撮っていたのは全体の4割くらいでしたかね。私は「1・2・3・3・22・1」も楽しみたかったので数枚の静止画を撮影したにとどまりましたが、動画で1曲丸ごと撮っている子もいました。まだ音源化されていないステキナンバーで、こんな楽しい企画をやってくれた彼らのサービス精神と冒険に感謝。

さよなら90'sでは、またも歌詞が現在のアナログさんの状況に勝手にクロスオーバーしてしまい、ついうっかりもうひと泣き。あとはB.G.Mとアンセムをやって本編終了だったでしょうか。どちらも力強いリズムに乗っかって、大いに踊らせてもらいました。このへんの定番ナンバーでは、どうしたって州ちゃんの音との違いをいちいち意識せずにはいられなかったけど、同時に4人が新しい音を作り出そうと曲に向き合っていることを端々から感じ取れたので、これを事実として受け止めていきたいなあと思いました。

そしてアンコールなわけですが。健ちゃんはなぜか側転をしながらご登場(笑)。あんなに本編の曲間ではオンマイクでぜーはー言っていたのに、そのエネルギーは何ですか。それからえーと、下岡くん、フロアからの「帽子とってー」という声に反応し、帽子の秘密を教えてくれたのもこの時でしたっけね。まさか「帽子の下には卵があって、それを温め続けなきゃいけないので帽子を取れない」だなんて、予想もしていませんでした(爆笑)。そうか、それじゃいつかその卵が無事孵化することを我々は祈っていますからね下岡くん。

そんな感じで和やかな空気が流れつつも。下岡くんが「まあ、何も変わらないんで」と一言ぼそりとつぶやき、新曲・Life goes onを披露すると、改めて州ちゃんのことやこれからの2人のこと、短い準備期間で協力してくださったサポートのお2人のことなどが頭の中をぐるぐると回り、なんだかたまらない気持ちになりました。ここから先は私の勝手な解釈なのですが、普段はどこか俯瞰しているような感じで、それが魅力の1つでもある下岡曲が今回のライブではいつもよりずっと、自分たちだったりステージの上のひとたちの生活や感情に寄り添っているように聴こえて、それが本当に印象的でした。


アンコールは1曲きりで終了。しかし、メンバーが退場してもフロアの拍手は止まず。だって、今日はSIX PISTOLSシリーズのファイナルじゃないですか。いろんなことがあったこの半年に及ぶシリーズが、そんなに簡単に終わってしまっては寂しいですよーー。

ふだんはめったにダブルアンコールなどしないアナログさんですが、みんなの力強い拍手の甲斐あってか、メンバー再登場。でも「僕らもう曲がないんだよ!」ということで、ラストはもう1回ダメ押しでHello。みんな笑顔で、お祭りみたいに盛り上がって、本当にいいラストでした。

そんな感じで。ダブルアンコールを含め約1時間50分と、時間的にはコンパクトだったけど、いろんなことがぎゅーっと詰まったとても濃いライブでした。そりゃあ演奏的には、タイミングがずれたり違和感があるところも少なからずあったし、お客のほうも何かしら意識しすぎな部分もあったと思う。けれどそれ以上に、ステージの上も下も、ライブ中一貫してこのバンドへの愛情にあふれながら盛り上がったライブだったと感じました。もっくんがプレイ中何度も笑顔を見せてくれたのが、なんかすごくうれしかったなあ。

とりあえずみなさん、SIX PISTOLSシリーズおつかれさまでした。今後のことはわからなくても、やっぱり私はアナログさんの曲もそれに携わるひとたちのことも好きなのだと今さら気づいたので、これからの活動にも期待させてください。とりあえず、すばらしき未発表新曲の数々が1日も早く音源化されることを待ち望んでいますから!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愛しき疲労感。

2008-03-28 00:20:50 | 日々
スカパラ@新木場の感想文を書きました。今回のライブに行って思ったのは、私はやっぱり去年までのスカパラに少し飽きてきていたんだろうなあということ。偏りがちなセットリストや長持ちしすぎなピンクのジャケット、オフィシャルの放置プレイから加藤さんの微妙な髪型に至るまで、「変わってほしい」との願いがいらだちや冷めた視線へと変わりかけていたこのタイミングで、おっさんたちにばっちり喝を入れてもらい、またそのすごさをまざまざと見せつけられた気がします。すみません、どうかこれもついていかせてください、よろしくお願いします。

それにしても今日は本当に体全体がダルくてしんどかったです。両腕に妙な疲労が残っているのとか、膝の裏に違和感があるのとか、かなり久しぶりの感覚でした。まあRO69にアップされてる兵庫さんのレポによると、谷中さんや欣ちゃんの体もライブ後には悲鳴をあげていたようなので、おたがいそれだけ完全燃焼したということで。

こんな体ですが、明日はアナログさん@リキッドを観に行ってきます。スカパラとはまた違った意味で、従来と比べ新鮮な要素の多いライブになると思いますが、下岡くんと健ちゃんの勇姿をしっかり確認してきますよ。恵比寿ってどこか桜の咲いてるところありましたっけ。せっかくなので行く先々で花見をしてみたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする