Chance is with the music

音楽を糧にしつつ、日々を過ごしてます(家主:yucca)

GRAPEVINE@代官山UNIT

2006-11-20 23:38:35 | LIVE
気づけばなんと、まる1年もワンマンをやっていなかったバイン。まあイベント関連はちょくちょく出てくれてたので、いちおう今年6本は見てますが。まったくもう、ライブやらなさすぎだ兄さんたち。あれだけすんごいライブするくせに、最近ライブ楽しいとか言ってるくせに、他に大した仕事もないくせに(←酷い)。

と、毒の2つや3つも吐いてみたい心境だったタイミングで、クラブサーキットをこんな小さめのハコで観られるというのは、ワンマンに飢えたバインファンにとってこれ以上ないくらい幸せなことなのです。ああ、相変わらずあのひねくれた兄さんたちの思うツボだわ。

相方Tさんと開場時間に合わせてUNITに到着すると、駒沢通りの歩道にものすごい長蛇の列ができててびびりました。UNITってこれまで開演時間ギリギリに入ったことしかなかったから、あんなに思い切り世間様の邪魔になる並び方をするとは知りませんでしたよ。

入場後はビールを片手に、上手側中ほどの位置に陣取る。そして、ニューバージョンのSEが流れ始めると、いよいよメンバーの登場。さあ、1曲目はなんなんだ?クラブサーキットのセットリストだなんて、予想するだけ無駄だからちっとも考えてなかったけど。今回兄さんたち、果たしてどうくるのか。

・・・そして、ゆっくりマイクに向かった田中が、イントロ無しで歌い始めたその瞬間、鳥肌の嵐。こ、これは、壁の星!!ひゃあああああ。

あまりの意外さとナイスすぎる選曲に、思いっきり気が動転したのもつかの間。その音の素晴らしさに、のっけから頭をがつーんとやられてしまいました。壁の星をやるのって、白木屋ツアー以来だと思うのですが多分。あー、名曲だとわかってたつもりなのに、この曲はこんなにも体に染みるものか。

で、2曲目がTiny Dogs。この時点でもう、今日のライブのヤバさを完全に悟りました。ああこの曲も大好きなんだよう。いやあ肝臓ツアーの記憶がまざまざと蘇ります。でもあの時はセットリスト1曲目で、いつもステージ上が「まだエンジンあったまってませーん」な状態でしかこの曲を聴けなかったから、今回この流れで聴けたことに感動しきり。

3曲目がスロウ。これはお馴染みの名曲ですが、3曲目なんて位置で聴くのは超新鮮。しかもこれがもう。スロウと言えば、個人的には5本の指に入るバイン最愛曲のひとつなので思い入れもあるのですが、この夜のスロウは間違いなく、これまでライブで聴いた中で1、2を争う名演。UNITの音響のすばらしさに加え、ボーカルもバンドも完璧すぎました。もうこの辺で、既に「やばい、やばすぎる・・・」と内心ひとりつぶやきまくり。

冒頭3曲は完全に意識をもってかれてたのですが、短いMCを挟んでのdiscordあたりで、やっとステージをじっくり見渡す余裕もできまして。あー、田中氏は最近黒シャツキャンペーン中なのね(←意味不明)。今日も最初からとてもいい表情で、ノドの調子も絶好調なご様子。西川さんはたぶん、墓場までそのグレーのラメシャツを着ていくのでしょう。だからもうそれについては、これ以上何も言いませんよええ。金やんは、まあいつもの感じかなあ。高野さんは柄シャツと変なサングラスが、見事に怪しさをかもし出してます。そして亀ちゃんは、えーどれどれ。

・・・その時、一瞬我が目を疑いました。ライブでのTシャツ着用率100%のはずの亀ちゃんが着てるのは、茶系っぽいダークな色に柄入りの長袖シャツ。これがもう、失礼ながら違和感ありまくりで。思わず「どうしたあああ!?」と声をかけたい衝動にかられましたよ。そういや今日は、田中氏を除いてみんな柄シャツ姿なんですが、もしやドレスコードでもあったのか。謎すぎます。

しかし、次にOur Songのイントロが流れてきた瞬間、またも鳥肌&涙腺がやばいことに。そしてリトルガール。ここらへんから西川さんのギターのギアがどんどん上がってきたような気がします。

そんでもって、ちょっとした衝撃だったのが大脳機能日。これ、CDでもこれまでのライブでもなかなかしっくりこなかったんですが、今日はまるで別物のごとく、緊張感とゆるさが絶妙のせめぎあいをしてるような演奏。いやあ、バインのライブバンドとしての力を改めて思い知らされました。つーか、やればできるんじゃーん!(←何様)。

ここらへんからもう、曲順の記憶が怪しいのですが、思いつくままに。

25をやったのも、びっくりすぎてわが耳を疑いました。2年前のタワレコライブに行けなかった私は、この曲ライブ初聴きです。高速な3拍子リズムが気持ちいいのなんのって。エピゴーネンは、亀ちゃんが単独でコーラスをやっていたのが超衝撃でした。ひょっとして今日の亀ちゃんは、シャツの件と言い、何かの罰ゲームをやらされてたのかもしれません。

Hereはもう、言葉を失います。それしか言えません。ぼくらならは、毎度のことながら西川さんのギタープレイを目で楽しみます。あの、ボトルネックをひっかけたまんま器用にギターを引き続け、間奏で満を持してスライドを披露するさまが大好きなんですよ!そうですよねえ、西川マニアのみなさん!(←誰)

あ、そういえば新たに発表になった新曲は2曲ありました。ベースのリフがいい感じだった曲と、なーんか全体的に面白い構成だったような曲。どちらもタイトルの発表はなく、アルバムに収録予定だということだけ決まってるそうなのですが。この雰囲気だと、レコーディングは順調に進んでいるということでしょうか。そうであることを祈ります。

そして、もはやお馴染みになってしまった未発表曲と言えば、スレドニ。この曲はやっぱりヤバすぎます。イントロで西川さんのギターが鳴り始めた瞬間、なんつーか、全身の毛穴が開きそうな感覚に陥るのです。でもって更に、あのボーカルと絶妙のサビの音が、その毛穴から体中に染み渡って。あーもう本気で早く音源化して欲しいです。そしたらエンドレスで聴くこと間違いなし。

いよいよ終盤という手前で、田中氏お得意の突き放しMCでもってひと呼吸。そして、MCの最後に。「じゃあひさしぶりに。・・・南部の男になってくれ!カモンB.D.S!」と、ずーっと聞きたかったあのお決まりの文句でのシャウトですよ!その瞬間、感激のあまり思わず斜め前にいたTさんの肩につかまってしまいました。ああ、やっぱりB.D.Sは良いよ。リーダーのラストライブの印象がつきまとう切ない曲でもあるけれど、やっぱり大好き。いけすかないと同じで、コアなファンにも一見さんにもウケることのできる名曲だと思います。

そしてその未来、と続き、これで最後まで突っ走るのかなーと思った矢先、一旦ステージ上はクールダウン。そして高野さんのシンセから静かに放たれる音の感触に、まさか、あの曲か?と。いや、でもまさか、この流れでやるような曲じゃないでしょ。きっと別の曲をアレンジ違いでやろうとしてるのだ。でも、やっぱりこの音ってば・・・。

あ、やっぱり、KINGDOM COME。まさか、このありえない曲順でこの曲をやるつもりかよ、この人たちは(爆笑)。

しかし、音の良いハコで聴くKINGDOM COMEは、実際最強すぎて、ケチのつけどころなんかあるはずもなく。ライトに映える田中氏の色気ありすぎな表情やら、スイッチ入りすぎな西川さんのパフォーマンスに、ただただ飲み込まれるのみ。そう言えば、今回西川さんの音が、これまで以上にいろんな感触を感じたのですが。それはUNITの音響のおかげなのか、それとも少し前に買ったという新兵器の「汚い音の出るエフェクター」のなせる業だったのか。どちらにしても、最高でした。

本編のラストは、FLY。ほほう、ラストはストレートど真ん中勝負なのですね。うん、これもすごく気持ち良いです。なんだか、今日のセットリストはあれこれごちゃまぜになってて、冷静に考えるとすごく散漫なセットリストかもしれないのに、1曲1曲が相当質が高くて濃い内容だったせいか、違和感を感じるどころかお腹いっぱいすぎて。バインワンマンのすごさとクラブサーキットのおいしさを、久々に思い知らされた感じです。はあああああ。

そしてアンコール。もはやここまで来れば何でもきやがれ状態です。だから、田中氏に「盛り上がりたくても盛り上がれない内容だったと思いますが・・・ざまあ見ろと。」と悪態をつかれても、実に心地よかったです。しかし、まさかアンコール1曲目がPacesで来るとは・・・。今回、覚醒や退屈の花あたりの曲はこれ1曲だけだったと思うので、その分余計にうわあああって感動しましたねえ。個人的には、曲がガーッと盛り上がった後のアウトロの感じが大好きなのですが、その感じがまさに、アンコールの空気にぴったりだったと思います。

このあとのMCで田中氏は何を言ったんでしたっけ?全然思い出せないのですが。唯一記憶があるのが、最後に田中氏が「じゃ、ラスト!」と言った瞬間にSuffer the Childのイントロが流れたあの瞬間。いやあ、本気で痛快でした。このバカっぽくてファンキーな曲で、この濃いライブを締めてくれるとは。もちろん体は揺れまくり、顔は快感でゆるみっぱなしでございました。西川さんのソロ前には、田中氏から「アニキ、37歳!」との意味不明なシャウト。それにはノーリアクションなくせに、ものすごいソロを弾く西川さん。ああ最高。

恒例の田中氏Tシャツヌードショー(←違う)を無事終えると、メンバー全員がステージを去りライブは終了。その直後時計を見て、約2時間のライブだったらしいことを確認しました。いやあ、とんでもなく濃いセットリストで、ありえないくらいいい音で、全身骨抜きになるようないいライブを聴かせてもらいましたよ。これは本当に現実かってくらいに。フロアの「全然キャーキャー騒がないんだけど、絶対黙って音に酔いしれてるでしょう皆さん」っていう雰囲気も良かったですし。

そんなわけで、Tさんと2人して「すごかった・・・」「西川さんのギターが神だった。」「どこまでいくんだ、バインは?」「つーか、もっとライブやれよ!」などと、あふれるバイン愛をぶちまけながら、ふらふらと帰路についたのでありました。ああ、来週のリキッドも、今回のUNITと同じくらい音が良ければよいのだけど。それは無理な話かなあ。ちょっと不安、そうは言いつつも、やっぱりその何倍も楽しみな自分がいるのでした。

コメント (2)
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