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くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

地図にない場所(74)

2020-06-16 19:15:21 | 「地図にない場所」
「じゃ、ぼくはもう一生この死の砂漠から出られないんですか?」と、サトルは涙で顔をぐじゃぐじゃにしながら聞きました。
「だから言ったであろう。悲観するなと……。それ以上夢をゆがめてしまうと、また違う世界へ飛ばされてしまうかもしれないぞ……さぁ、涙を拭え」
 サトルは道士の言うとおり、汚れた服の袖で涙を拭いました。
「君がまた信念を取り戻して、また夢を元に戻すことができたなら、落ちてきたところの世界へ必ず帰れるはずだ……。それには君が、君自身の手で、自分の心を開かなければならない。それができれば、意図した現実が目の前にすぐに姿を見せるはずだ。
 私にはなにも、手を貸すことはできない――」道士は言うと、サトルの肩をポンと叩きました。
 道士は、そっと背中を向けると、なにやら呪文のようなものを唱えながら、川の流れていく方へ、ゆっくりと歩き去って行きました。

「夢……取り戻す……」

 サトルは、道士が歩み去って行く後ろ姿を見ながら、何度も繰り返して考えました。ガッチ達がいた世界に戻るには、夢を取り戻さなければならない。これこそが本当なんだと言える、強い信念がなければならない……。でも、一体どうやって取り戻せばいいのでしょう。目の前に広がっているのは、焼けた砂が見渡す限り続いた死の砂漠。手に触れるものは、なにもない――。
(……それができれば、現実が目の前にすぐに姿を見せるはずだ。……)と、サトルの心の中で、落ち着いた道士の声が聞こえてきました。サトルはなに気なく聞き流しましたが、すぐにはっと声に出して言ってみました。

「それができれば、イトした現実が目の前にすぐに姿を現すはずだ」

 サトルは、なにか目の覚めるような思いがして、自動販売機が目の前に現れた時を思い出し、なんとか死の砂漠から脱出しようと、目をつぶって必死に自動販売機を思い浮かべました。自動販売機よ出ろ、出ろ……と、何度も心の中で叫びました。

「いらっしゃいませ――。いらっしゃいませ――」

 と、聞き覚えのある自動販売機の声が聞こえました。サトルはやった、とうれしさに飛び上がって、目を開きました。しかし、うれしさは一瞬で終わってしまいました。自動販売機が出た、と思って目を開けたとたん、そこにはゆらゆらと立ちのぼる、自動販売機を写した蜃気楼があるばかりでした。
 サトルは、がっくりと肩を落としました。深いため息をつくと、蜃気楼の自動販売機は、見えない空気の中に溶けこんで、すっと消えてしまいました。
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よもよも

2020-06-16 06:02:33 | Weblog
いやはや。

暑いせいか

スーパー行ったら冷麺があちこちに並んでて、

日が暮れてるとはいえ

蒸し暑い外から店内に入ってきて

甘辛い味が見ただけで食欲を誘うパッケージ見たら、

買っちゃうよね。

作る時間もインスタント麺並みだし、

米粉の麺だから主食の代わりになるしね。

で、帰ってさっそく食べたけど、

夏はスイカと冷麺だわ。

スイカの代わりにコーラだったけど、

さいこ。
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