たて座 スタークラウド/Scutum Star Cloud(M11周辺部分)
またスタークラウド・・・バンビの横顔ぐらい有名で人気があると衆目一致するが、天文学は対象が多すぎるからか、日本語でネット検索してもはっきりとした説明に到達できなかった。日本語訳として「恒星集団」ぐらいか。せっかくの機会なので英語版Wikipediaで調べてみた。英語版Wikipediaでも単独項目には到達できず。「Star cluster」のひとつの項目として、例示を上げた説明があるのみ。それによると
スタークラウドとは、重力での結びつきを度外視した銀河内の大規模な星の集団らしい。
天の川銀河だけでなく、アンドロメダ銀河の中にも見つかっているとのこと。
スタークラウドの例として
大いて座スタークラウド・・・NGC6520と重なる4°×6°のスタークラウド
小いて座スタークラウド・・・M24を含むスタークラウド(バンビの横顔)
たて座スタークラウド・・・M11を含むスタークラウド
はくちょう座スタークラウド・・・Sh2-101を含むスタークラウド
じょうぎ座スタークラウド
NGC206・・・アンドロメダ銀河内のスタークラウド
が上げられていた。
参考資料(いずれもスタークラウド関連~英語版Wikipedia)
2)Small Sagittarius Star Cloud - Wikipedia
3)Large Sagittarius Star Cloud - Wikipedia
ASI585MCの使用で電視観望の画角も広がった(Neptune-CⅡの約2倍の広さ)ので、たて座のスタークラウド(多分一部分と思うが)をM11野鴨星団を含めて電視観望してみた。
画像①iPad上でのスクショ。『写真』アプリで調整。
まず1枚目は、資料8を参考にしてM11野鴨星団の周りの暗黒星雲が写るようにとM11の位置を調整してライブスタック。なお、ASIAIRのスカイアトラスやアノテーションでは暗黒星雲は表示されなかったので、Astapのアノテーションにかけることにした。例によって、Fitsファイルを画像①のように調整する腕はないので、Astapでは、星の色の調整、階調の調整、α,δ grid表示、Deepsky Annotation処理の後、Jpeg保存した(画像②)。画像③は、ASIAIRアプリ上のスカイアトラス画面のスクショで写野が表示されている。
画像②のとおり、Bで始まる暗黒星雲が多数写っていることが確認できた。
なお、この日は第1部:ベランダ観測所で、赤道儀化AZ-Gtiの観望準備・および電視観望(観測員1名)。第2部庭観測所で130PDS+VirtusoGTiでの土星眼視観望(館長・飼育員含め3名)。第3部ベランダ観測所での電視観望(観測員)とペルセウス座流星群の観測(館長・飼育員)で大忙し。流星観測は、館長1個、飼育員2個、観測員1個。ツイッターやYoutube見ると流星が沢山出てくるのに・・・ちょっと残念。0でないので良しとしよう。
画像⑤ FitsファイルをAstapでアノテーション他
画像①の撮影を終えて、次はスカイアトラス上で天の川の星が濃い部分(画像⑥)のところを電視観望。終了後のAstapのプレートソルブを楽しみにしていたが・・・残念ながら画像⑤のとおりスタークラウドの表示は無し。たて座のスタークラウドは、M11を含むという記述が複数見られるので、間違ってはなさそうだが、ここという確定はできなかった。これもちょっと残念。
1)中西昭雄著「メシエ天体&NGC天体ビジュアルガイド」誠文堂新光社
2)浅田英夫著「エリア別ガイド 星雲星団ウォッチング」地人社館
3)早水 勉著「The Book of The Starry Sky 星空の教科書」技術評論社
4)渡邉耕平著「電視観望 実践ガイドブック Ver 1.1」株式会社サイトロンジャパン
5)JUNZO著「アンドロメダ銀河かんたん映像化マニユアル」日本実業出版社
7)星座八十八夜 #11 実在の出来事がモデルの珍しい星座「たて座」~AstroArts
8)Around Star Cloud in Scutum~StellarScenes
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