行きずりの街 清水辰夫 このミステリーが面白い!91年ミステリー大賞受賞作!との帯に惹かれて購入。
この本、僕にとっては、ミステリーというよりハードボイルド系の恋愛小説だな。なぜかというと謎がない。では面白くないのか?と聞かれると、僕には非常にピッタリとくる読み物だった。なんとなく、描写の仕方に親近感を覚える(お前と作家が親近感?笑わせるな!と言われそうだが…)そして、究極のご都合主義的展開。こういう展開や主人公の独りよがり感に違和感を感じる人はとても多いのだと思うけれど、エンターテイメント小説はこれくらいが丁度いいのだ。
田舎で塾教師をやっていた主人公の教え子が東京で行方不明になり、入院中の祖母と会わせてやりたいという親戚に頼まれて東京へ探しに行くところから話しは始まる。実は昔、彼は女子高生が卒業するまで育て(?)て結婚していたのだ。それがスキャンダルの種となり、学校を追われてしまう。そして、その妻とも離婚。当時の学長はそんなこんなで自殺してしまう。それから、12年が経ち再び東京へ人探しに出た彼。12年前の真実が次々と明らかになり…
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