分け入っても分け入っても本の森

本読む日々のよしなしごとをそこはかとなく♪

●狂人が聖人になるとき(途中まで)

2006年08月16日 23時41分56秒 | 文学
病院という地場に充満する独特の「気」に弱いのです、みか5さいちゃん。
それは、病院には「健康ではない」と考えられる多くの人が出入りするのですから、その「気」をもろに被れば、誰でもたまったものではないでしょう。
「病院に行けば病気になるのでR(だから行きたくないのでR)」
みか5さいちゃんの口癖です。

「でもね、ヨンダくん。そんな場所を日常、職場としている人たちもいるのです。不思議だと思いませんか」
それは、お医者さんとか、看護士さんのことですね。
「お医者さんは、おかしいのでR。赤の他人である病人の『気』にやられないで、病気に対峙する。鈍感なのか、バリア体質なのか……それとも、狂っているのか」


ふえ~w
言ってること、支離滅裂ではありませんか。
でも、あれ。いや、そういえば。
精神科のお医者さんは、治療しているうちに、自分も精神病患者のように「おかしくなっていく」と聞いたことがありますし、そこからちょっと飛躍するようですが、「小説」というシロモノ。
書き物の中で、エッセイでも、紀行文でも、うんちく情報でもない「小説」。これはまさに狂気の産物ですよ。(余談ですが、「本が好きだ、読書家だ」といっても、小説読みだとは限らないので、要注意ですよね)
そんな小説を山ほど読み続けて、一見平気なあなた、みか5さいちゃん。何を言いますやら。
「みか5さいちゃんが小説を平気なように、お医者さんも病気を平気なのですよ」
「ぐう……w」

さて、そんなこんなで連れ出しに成功しました病院行き。
最近、胃の調子がおかしい、みか5さいちゃん。目指すは一路、「聖路加国際病院」です。
この珍道中どうなりますやら。


------(結局、病院に行っても、治療は二の次で、本との出会いが中心にすり替わってしまう、本末転倒なみか5さいちゃんです)------


日野原重明という医師がいます。
今さら語るまでもない、ご高名なお医者さまです。
聖路加国際病院理事長。齢95になろうかというご高齢にして、今は一年の三分の一を講演などで全国を駆け回っているとも聞きますが、行くたびエレベーターで一緒になります。
『生きかた上手』のベストセラーで、人生に指針を求める主婦のアイドル、カリスマともなっている、そんな説明が先に来るのは失礼な、医学界(医療現場)にゆるがぬ実績を重ねてこられた方なのだと、ぼんやり思い出します。そうですね、主にこちらの年齢の関係で、「地下鉄サリン事件」発生時の被害者受け入れ陣頭指揮のことなど。
およそ、日本の他の大病院とは趣を異にする聖路加国際病院の現施設を実現したのは、この先生の手腕によるところが大きいということです。


「でも、『葉っぱのフレディ』がどうとかいうの、好きになれませんでしたよ」(みか5さいちゃん)
「それ、日野原先生の著書ではありませんよ」(ぼく)
何か、(日野原先生の本を)読まなければならないような気がする。
どちらからともなくそう察して、みか5さいちゃんとぼくは、惹きつけられるように、『十歳のきみへ』を購入しました。数ある日野原重明先生本の中から。


------

『十歳のきみへ』日野原重明(冨山房インターナショナル)

この本には「のされ」ました。
生きるとは、どういうことなのか――

<からっぽのうつわのなかに、いのちを注ぐこと。それが、生きるということです。>(p.31)

一点の曇りもなく、明瞭にする。ことのできる。それだけの経歴実績を。持った人なのだよなあ……。
また、自分以外の人のために時間を使うのは大きな喜びであり、その喜びをもらうことに、わたしは欲ばりなのだ、これはほかのことでは味わえない特別な喜びであるから、あなたもそうしなさいと、これまた一点の迷いもなくすすめます。「十歳のきみ」へ。

人々が旧弊固陋として、悪しき慣例を変えないのは、前例踏襲が楽であるからなのだけど、どんなに大きなエネルギーを要しても、よいと思う変革や改革には全力であたる。たとえ、<わたしの意見に賛成してくれる人がひとりもいなくても、まちがっていることをよい方向にあらためていく>。

実社会の大きな組織で、これを実践し続けてきたというのは並のことではあり得ません。――そして、日野原先生は、敬虔なクリスチャンです。

……信仰を持った人にはかなわないな。

薄っぺらい胡散臭い「生き方指南書」のような、数ある世の俗本とは、パワーが違うのでアリマス。


------

学問の世界で「信念」を持ち出すほど場違いなことはありません。なぜなら、信念に根拠は必要ないからです。
しかし、日野原先生は読んでわかるとおり、信念の人です。そして、それを「社会的大規模に」実行、実践することに成功した希有な人です。(つづく)

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24 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
人生は何のためか・・?死後の世界は・・? (風の又四郎)
2006-08-19 10:24:12
はじめまして。

お邪魔でしたらごめんなさい。



人はどこから来て

何のために生きて

どこへ向かっているのでしょうか・・・?。

この世界の終末はどうなるのでしょうか・・・?



神の存在、愛とは何か、人生の意味は何か、いのちと死の

問題などについて、分かりやすく聖書の福音をブログで書き

綴っています。ひまなときにご訪問下さい。



  
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こんにちは (Yonda?)
2006-08-20 19:01:32
こんにちは。はじめまして。



ゴーギャンの絵の標題――普遍的な問いだと思います。



風の又四郎様のページ(ブログ)を拝見して、信仰の実践について、『眠られぬ夜のために』(ヒルティ)や、『キリストにならいて』(ケンピス)を思い出しました。

八方ふさがりな思いをしているとき、同じ道を歩いた先人たちが目の前に現れることがあります。





仏教的諦念のうちに生き悟りながら、どうもキリスト教的に殉じていると思うときがあります。

まだ途中の文章でごめんなさい。
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こほん♪ (美香のヨンダです)
2006-08-20 23:14:13
続きはまだでRか
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くいーん♪ (みか5さいのヨンダです)
2006-08-20 23:24:12
まってください♪
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ええ (美香のヨンダです)
2006-08-20 23:34:07
待ちますとも
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 (みか5さいのヨンダです)
2006-08-20 23:57:04
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 (美香のヨンダです)
2006-08-22 07:12:10
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 (みか5さいのヨンダです)
2006-08-22 23:01:05
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イヒヒ (美香のヨンダです)
2006-08-24 07:09:42
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きみのみ (美香のヨンダです)
2006-08-25 23:43:30
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