北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

ルイジアナ美術館ジャコメッティの部屋

2009-02-28 | デンマーク建築・まち
「土曜日の建築シリーズ 第14弾」

月日のたつのは早いものです。
今週は、先週の「スプリング・パケージ2.0」の発表に伴って、
税金の話が多くなりましたが、国民としては「受け入れられないもの」
というように、感じているようです。

写真は、現代美術館として有名な「ルイジアナ美術館」です。
コペンハーゲンから北へ約30分。
海岸の隆起に、身を委ねるようにして建物が広がり、
各建物は、蛇行する廊下で結ばれています。

夏は、海に向かって広がる芝生の庭にねそべると、一日そのまま過ごしたく
なるような環境。

写真は、その中のジャコメッティの部屋です。
階下に降りることができるのですが、
このように、ちょっと上から一面のガラス戸をとおして、池と柳を借景に
ジャコメッティの作品を見るのがいいと、言われています。

アクセシビリティにも配慮がなされていますが、
この部屋に限っては、階下に降りるリフトがついていません。

それは、「下に降りる必要がない」から。

中央駅から、北のエルシノア行きの電車にのり、
ホムルベックという駅で降りてください。
2車線の道にでたら、左に曲がって、約15-20分ほど歩きます。

そのあたりに、ルイジアナ美術館はあります。

今日は、晴れました。
あしたも、晴れますように。









デン政府は230億krの減税策発表

2009-02-27 | デンマーク最新
先週火曜日(2月24日)、政府から発表されたのは、
単に税制改革のみに関するものではなく、
「Foraarpakke 2.0--aekst, Klima, Lavere skat--」
「スプリング・パッケージ2.0--成長、温暖化、減税--」というタイトルの、
今後のデンマークの国策の指針となるものでありました。

ポイントは二つ。
1、減税。とくに、さらに多く働いた時にきちんと残るように。
2、グリーン対策の強化(環境、温暖化、健康)

なかでも減税に関する税制改革の骨子は、
所得税を230億クローナ(4600億円)減税して、
それと同時に、税金を払う人を増やすために、労働者を19000人増やそう、
というもの(現在1クローナ=16円ですが、通常レートを適応して20円で換算)。

一口に、230億クローナ(4600億円)といっても、、、、
所得税による税収は4800億kr(9兆6000億円)であるので(税金省2007年)、
総額に対して4.8%の大胆な減税である。

とくに、230億クローナ減税の中身は、、、、
1)現在、年間272,600クローナを超える(約550万円)所得には
  中程度額課税(6%)がかかるが、このカテゴリーをなくし、2011年以降は、
  年収388,000クローナ(776万円)を超える部分に13.5%を課税することとした。
  
  これまで、327,200kr(654万円)以上分に適応していた最高税率は15.0%。
  最高税率が、15.0%→13.5%へと低くなることになる。

2)法人からの消費税は、1ケ月後の支払いから6ケ月後支払に延長
   商売している人にとっては、この消費税の支払いは、
   もう、許しがたいほどに苦しいものらしい。
   それから、人件費の源泉徴収にも涙を流しているらしい。
   よって、しかるに、春らんまん、この延期はうれしいものでありましょう。

さてさて、この減税効果を試算してみよう。
たとえば、年収600万円のデンマーク人は、以下の所得税を払っていた。
 労働市場付加価値税  8.0% 
 市民税・教会税(平均 25.3%
 医療・保健負担税   8.0%
 最低額課税      5.5%
 中程度額課税     6.0%(550万円を超える分に対して)30,000円

2011年以降は、この30,000円が減税されるわけである。

一方で、持家世帯に対しては、ローンの利子控除を現在の33%から徐々に引き下げ、
2019年までには25%とするなどの方針を加えている。

しかし試算してみると、この改革は、リッチな自宅保有者に利益をもたらすものであって、
低所得層には便益をもたらさない、のである。

たとえば、ユラン・ポステン紙は次のように試算している。
子供二人で持家に住んでいる世帯収入110万kr(2200万円)の家庭(二人が働いている)の場合、
年間63万円の減税となる。
2200万円と聞いて驚くなかれ。可処分所得は半分以下である。

しかし、同様に二人の子供がいて賃貸住宅にすんでいる年間世帯収入1200万円世帯では、
79,000円の減税にしかならないのである。
などなど、さまざまな非難を受けている。

アナス・フォー・ラスムセン首相は、この避難に対して、、、、

はい、みんなで叫びましょう。
「あんた、ニャー、すんねん」。
この意味がわからない方は、2月25日のブログを見てくださいね。

「年間10万kr(200万円)のローン返済をしている世帯のみが控除対象になるだけであって、
 他の世帯は、これまでどおり控除が受けられます」
と自己防衛している。

彼のスローガンは「減税をして、福祉も良くする」というもの。

甘いものやたばこへの課税を高くしている点については、
保健大臣が「ええことや」と喜んでいることを、先日お伝えしたが、
エネルギーコストに対して15%の課税を行う「グリーン費用」に対しては、
減税が国民の暮らしをラクにする以上に、負担を強いるものである、と非難されている。

与党(自由党、保守党)はこの案を国会で通すための多数派工作のために、
水曜日の時点ですでに、デンマーク国民党とのネゴシエーションをはじめた。
これに対して、
野党である社会民主党、社会国民党は「きたないやり方だ。もっと広く国民の合意を得る手続きをすべきだ」と怒り心頭なのである。

ちなみに、デンマークは、労働者の半分以上が年収400万円以下であり、
あと半分の400万円以上の層で、税金の80%が賄われている。
所得の再配分がかなり強烈に行われているんですねええ。

この減税分は、労働市場人口を19000人増やすことで補おうとしている。
税制審議会では「女性の労働時間が少ない」ことが指摘されているので、
「女性よ、もっと働きなさい!」政策が、近々発表されるでありましょう。

というより、遠く日本より心配しているのは、
これからのデンマークの10年間は、
年金受給層が増え、年金負担層が減っていく大変な10年間なのであります。

このデンばあの心配をよそに、
私の先生・友人は、優雅にヴァケーションを楽しんでいるようであります。

それが、デンマークなのかなあ。

「スプリング・パッケージ2.0」については、また改めて。
よい、週末を!祈・

増えているヤング・マザー。幼児期のネグレクトが原因?

2009-02-26 | デンマーク最新
デンマークには「ヤング・マザー」という番組がある。
20歳まで、ある時は15歳でママになった少女たちを主人公に、
夫や両親などの家族の様子や、公的社会支援を受けて生活を構築していく
様子を伝える番組である。

かなり人気があり、デンマーク人はよく見ている。
一緒に見ながら、
「ヤング・マザーを支える社会の仕組もよく整っているなあ」
というように見ていた。
しかし、これは大きな社会現象のようで、、、、、

2月18日のユラン・ポステンによれば、、、、

13歳で母親になる少女が増えており、これは「できちゃった!」というようなものではなく、彼女らが、望んで計画的に行っていることだという。
避妊の失敗による事故ではなく、
「家族の夢」や「無条件の愛」を求めての結果であり、
彼女らは妊娠のメカニズムについてよく知っており、計画的に妊娠している。

ヤング・マザーたちの世話をしているソーシャル・ワーカーが言うには、
「彼女らは家族を欲しがっています。そして、
 ずっと続く愛や無条件の愛をほしがっています。
 だから、妊娠は計画的なものであり、
 妊娠したことをとても喜んでいるのです」とのこと。

しかし、
「15歳-18歳以下での妊娠は早すぎ、人間としても成熟していたとしても
親業まではまだ早すぎるので、対策を講じたほうがいい」のである。

そこで、どこに手を入れたらいいかという話になるが、
彼女らの動機を考えると、
性教育のまずさや次期うんぬんとは別の時限の話になってくる。

デンマークでは、
ヤング・マザーに親としてのトレーニングを行うハウスもあるようであり、
そこのハウス長は、次のように話している。
「若くして母親になった少女の5人に1人は、確かに計画的に妊娠しています。
 しかしもっと強い現象は、彼女らの満たされない欲求に対して、
 自分の感情と戦ったうえで妊娠という方法を選んでいる、ということです」

「ここに来る若い母親たちは、
 幼児期にネグレクト(親からの放置)を受けたケースが多いのです。
 だから、若くして、家族を持ちたい!愛情が欲しい!と思うのです。
 それは、彼女らが考えた末の、ひとつの戦いの結果なのです」

デンマークでは、
あらゆる社会サービスの窓口が社会福祉センターに一本化されており、
たらい回しにされず、そして、社会サービスの網の目から漏れ落ちていく
人々がないように法律が整備され、行政システムができている。

今から32年前の1976年に、障害者や母子家庭や児童など
対象ごとに別々に存在していた7つの法律を
「社会支援法Social Bistand Lov」として一元化した。

日本はいまだに、福祉8法が改正がされたとはいえ(1990年)、
タテワリ発想の中で運営されている。
だから、「未婚の母」を救う法律条項が存在しないというのが現状では
ないだろうか。

デンマークでは、13歳の未婚状態で母親になれば、
まず、保健師制度が行き届いているので、保健師の自宅への訪問で、
「この少女が社会的に困難に陥る」ということが発見される。
そして、社会福祉センターに相談に行くように、進める。
保健師は母子の健康だけでなく、社会的な側面にも配慮するのだ。

社会福祉センターに行くと、ケースワーカーがついてくれて、
生まれた子供が健康に育っていくように、
ヤング・マザーの所得、住宅、就労、保育園など、
さまざまなサービスをコーディネートしてくれることになる。

デンマークおいても、児童虐待があり、DV(家庭内バイオレンス)も
社会問題化している。
高齢者が施設(プライエム)で虐待を受けているということが
問題になったこともある。

デンマークで、ヤング・マザー現象が起きている背景に
このような事情があることは、高福祉の国の裏の側面(影の部分)として
記憶しておく必要があるだろう。

しかし同時に、若くして母親になった少女に対しても、
社会全体で支えるしくみがあることは、やはり素晴らしいと思う。

デンマークでは、
法の網の目から漏れ落ちないように制度設計なされているのに対して、
日本では、法の目をくぐって悪事を働く輩が多い。
介護保険の不正請求、無認可の有料老人ホーム、障害者のための特別郵便料金の
悪用などなど。
だから、法律が一般人にとっても、専門家にとってもわけのわからないものに
なっていく。

ああ、また暗くなってきた。

健康にいい?甘味と煙草にさらなる課税?!

2009-02-25 | デンマーク最新
皆さんは、甘いものお好きですか?お好きですよね?
本日は、このスイーツとたばこに対して、さらに課税していくという政府案が国会に提出されたという話題です(現在の消費税VATは、25%です)。

デンマークにおける2009年の税制改革について先日よりお伝えしていますが、
「税制審議会」からの報告書はすでに出され、
2月24日にはアナス・フォー・ラスムセンが政府としての新しい税制リフォーム案を提出いたしました。
(名前が覚えにくいけど、覚えたい!デンマーク愛好家の方には、
 「あんた、ニャー、すんねん」と覚えてください、とおすすめします。)

「アナス・フォー・ラスムセン」とは全く違いと思います。
デンマーク対して失礼だと思います。

ちなみに、この首相は2001年の社会民主党から自由党への政権奪回を成し遂げた人であり、かなり人気が高い人であります。しかし、それは過去形になっているかもしれません。
現在NATOの事務局長の仕事をしてくれまへんか?
と依頼を受けそうな気配になっており、本人としてもまんざらではないらしく、
後任を自由党(Venster)の副総裁のラース・リュッケ・ラスムセンに任せて
新しい仕事でひとふんばりしたい!もし、乞われれば、、、と考えているのでございます。

税制改革のさなかに大丈夫?でしょうかねえええ?

「病気です」「他の方がされたほうが、、」と突然辞任したり、「支持率10%なのにその座にしがみついている」国よりはマシですが、このラース・リュッケ・ラスムセンにはあまり人気がないようで、彼にやらせるぐらいなら選挙だあああと、国民は考えているようです。

さて、政府から出された税制改革案の中に、
「煙草、キャンディ、飽和脂肪への課税を増加する」というものが含まれています(飽和脂肪とは、肉や乳製品に含まれる脂肪でコレステロール値を高める)。

具体的には、たばこ、キャンディ、アイスクリーム、チョコレートなどが含まれますが、この増税案に国民が納得するでしょうか?
もちろん、まだ国会を通ったわけではないので何とも言えませんが、政府は野党とのネゴをすでに始めており、野党デンマーク国民党は賛成の意思表示をしているようです。

たばこの場合、現在20本入り1箱30-40クローナについて3クローナの値上げが予想されています。

写真は、デンマークのヴィーナ・ブロ(ウィーンのパン)で最もポピュラーなものです。これに含まれるオイルにも1キロ20クローナが新しく課税されるので価格への反映は明らかでしょう。

甘いもの好きのデンマーク人にとっては、耐えられない今回の政府案ですが、保健省の大臣は、
「砂糖が脂が原因で起こる心臓病や糖尿病の予防になるし、生活スタイルの改善にもなっていいんでないの?」

「とくに、たばこが高いと若者の間での消費が減り、なによりも高いから買えないという理由で喫煙を始める若者が減ることが何よりも歓迎できる」
と賛成の意向を表明しました。

本日の内容は、税制改革の一部をご紹介したのみで、その骨格には触れていません。
税負担層が減り、年金受給者が増えるこれからの正念場の10年間&それ以降についてどのようなビジョンで臨むのか、つづけてお知らせしてまいりますよってに、待っていておくれやして、おくれやっしゃ。






和田アキ子の店の豚しゃぶ

2009-02-24 | プライベート
ところ変わってこちらは、梅田(大阪)にある和田アキ子さんのお店
「わだ家大阪お初天神店」、お初天神のすぐ近くです。

http://www.wada-ya.com/osaka/

デンマーク関連の会合があって行ってまいりましたが、
料理長が出てきて、料理の説明をしてくださいました。

最初に、塩コンブで味付けしたサラダがでてきて、
次に黒豆でつくった巨大コロッケ。
和田アキ子の27センチの足のサイズのものを最初は作っていましたが、
あまりの大きさに辟易する客が続出し、
手の大きさのコロッケにしているようです。
甘くて、おいしかったです。

「豚しゃぶ」が名物なのだそうです。
写真にあるように、豚には3つの種類があって、
向って右より、「松坂豚」「美とん」「雪の下」。

ふつふつとたぎらない鍋に、だしを入れ、
白ネギを繊維に沿って細く切った「白髪葱」を入れて、
その上に水菜を。さらにその上に豚ちゃんをのせて、
そっと押さえて、色の変わったところを、野菜ごととって
食べるのが正統流なのだそうです。

だしは、うどんだしのような味で、豚の内臓を油で揚げて、
コクをだすために、加えているのだとか。。。

しかし、これほど、柔らかい豚肉を食べたのは初めてでした。

写真は、料理長の「吉岡さん」。

スタッフのみなさんも元気がよく、笑顔がおいしさを増してくれる、
いいお店でした。

帰りに、「もっくんの『送り人』がオスカーをもらった」ことを知りました。
いい一日でした。

顔を黒く塗られているのは、会の会長さん。
ごめんなさい!



SU(学生支援金)の見直しに学生が抗議

2009-02-23 | デンマーク最新
現在デンマークでは、今後の健全な経済発展と社会保障の基盤となる税制改革について検討を行っている。

「税制審議会」の報告を受けて改革が進められるが、先日この「税制審議会」の報告書が提出された。
その中には、減税についてのアイデアもさることながら、学生支援金(SU)のカットや労働時間を長くすること、女性の労働時間を増加するなどして
増税をはかるビジョンについてのさまざまなアイデアが出された。

本日は、そのSUの支給期間短縮案について、学生が抗議をはじめたという話である(JP.2月19日)。写真は、コペンハーゲン大学のある校舎の中型講義室。

とにかく、国の歳入の約半分を直接税(所得税)でまかなう国である。
VAT (消費税)などの間接税を含めると、国の歳入の40-45%が国民の税金でまかなわれている。
ちなみに、日本と異なり国債償還などの債務はない健全な財政状況である。

また個人の支払う税金も、以下のような内容で平均的所得(550万円まで)でも
その課税額は46.8%である。これ以上の国民は、超えた額についてさらに課税される。
 労働市場付加価値税  8.0%
 市民税・教会税(平均) 25.3% ⇒市民税率は各市で異なる。
 医療・保健負担税   8.0% 
 最低額課税      5.5%

この税率をこれ以上上げることには国民は難色を示しており、アナス・フォー・ラスムセンは
「税率凍結・移民規制」を約束して、2001年より政権の座についた。

一方で高齢者は増えていく、サービスの質と量についての国民のニーズは高い。
金融危機による打撃も大きい。などなど、課題は山積している。
そうした中での、「税制審議会」の答申の中に、学生支援金(SU)の削減について提言がなされ、
学生たちが、抗議を始めたのである。

ちなみに、SUであるが、これは日本人にとっては信じられないほど、若者やその親にとってありがたい
制度である。
国民学校を卒業して、大学・専門学校で学ぶ学生には、
毎月5,177クローナまでが6年間にわたって支給される、というもの。
1クローナ=20円で計算すると、103,540円になる。

もちろん、ここから税金が引かれるが、学生たちは、アルバイトや借金をしながら、
自分の力で学び、生活をする。
アルバイトは学生にとっては、生命線である。

これまた驚きであるが、アルバイトの時給相場は100クローナ(2000円)。
すぐにデンマークに行って、バイトしたい!と思わないでね。
これから、源泉徴収されます。

日本の「格差」は世襲されると言われているが、デンマークにおいては、
国からSUが支給されるので、自分にやる気があれば、親に資力がなくても
十分に自分の行きたい道を選べるわけである。

この10万円という数値。日本では「子供が下宿して大学にかよう場合、月間10万かかる」といわれている
数値に奇しくも一致しているではあーりませんか。

そう!デンマークでは、子供は「社会の子」なのである。
そして、税金を多く支払っても、このような形できちんと還元されるのである。

そこで、「税制審議会」では、このSUに対して、
「2000年には3,907クローナ(約6万円)であったものが5,177クローナになっている。
 その間の物価上昇率は18%でしかないのに、この33%という上昇率は理に合いまへん」
というわけである。

そこで、支給期間の6年を4年にしようと提言したのである。

これに対して、学生が今週26日(木)に抗議デモを行うという。
コペンハーゲン大学の人間学部、社会学部を中心に、全国の主要都市で行われる。

ちなみに、私は大学(コペンハーゲン商科大学)で英語で開かれる授業・試験を受けて単位もらったが、
大学で学ぶ学生は本当によく勉強すると思った。
試験はレポート提出か、試験の場合は、1997年の時点で4時間の論述式であった。
教科書持ち込みあり・なし、などいろいろ。

4時間のうち、コーヒー買ってきて飲みながら書いている人もいたりしたが、
監督いたかなあ。古きよき時代の話なのかもしれない。

最後に、修士に進んで学ぶ学生には、プロジェクトを出してとおれば、
さらなる支援金がもらえる。
博士課程ともなると、一般企業に勤めるのと変わらない助成金が出る。
コペンハーゲン大学の先生によれば、ヨーロッパでも珍しいらしく、
デンマークの学生は本当に恵まれている、とのことであった。

オペラハウスの立ち見席は320円

2009-02-21 | デンマーク建築・まち
さてさて、「土曜日の建築シリーズ」第12弾。

このブログの読者なら、ここがどこか、すぐにおわかりと思う。
そう、デンマークが世界に誇る「Operaen オペラハウス(コペンハーゲン)」である。
Henning Larsen ヘニン・ラーセン設計による
デンマークが全ヨーロッパ、世界に誇るオペラ・ハウスである。

昨年末のデンマーク滞在は、研究所で自分なりのテーマに取り組んでおり、もうひとつ大きな調査テーマがあったので、オペラを楽しむというのような余裕はなかった。

しかし、なんとか時間を見つけて、、、、と、Operaen オペラハウス(コペンハーゲン)でのオペラ鑑賞に時間をとった。

なんと!

ヴェルディのLa Traviata を年末の目玉講演として上演しているではないか。
しかしながら、チケット売り場には「立ち見席」しかなかった。

そのお値段、20クローナ(約320円)なり。
数字に弱いのと記憶力の低下により、あやふやではある。
が、パンフレットが40クローナで
「パンフレットより安く見ることができたんだあ」と感激したのを覚えているのでたぶん間違いないと思う。


「当日の4時から、オペラハウス(コペンハーゲン)で25枚に限って切符の販売 がありますえ。
 行列しておしやすさかい、あんはんが買えるかどうかはわからしまへん。
 それに、座席切符が買えたとしても、立見席の分は払い戻しでけしまへん。
 どない、しおやす?」

と、切符売り場の方がおっしゃる。
立見席を買った。

La Traviata は、「椿姫」として日本では知られている。

現代風にアレンジしてあって、病に伏すヴォレッタは、大きなワイシャツ風の寝巻きを着て、裸足でわが身の不幸を切々と歌っていたが、どうもこの現代化はピンとこなかった。

とはいえ、デンマークでは古い歌劇を現代に置き換えて演出するという手法に、ひとつの特徴を見出しているようなところがある。

そこで、この新オペラハウスの内部であるが、右側の巨大な木の球状のものが劇場であり、通常のオペラハウスのように、ステージがあって客席は5層の馬蹄形に並んでいる。内部の形状は、通常のオペラハウスと変わりはない。あるとすれば、シンプルでモダンな意匠ぐらいだろうか。

例えば、劇場内の明かりは、すべて壁面にあけられた横に走る線状の穴からもれてくるようにデザインされている。壁面は木で、色は紺色が基調。シートもブルー。暖色系の色は、赤のみで緞帳の模様に少し使われているのみである。

この球から約8-10m離れ、土星の輪のような形で幕間の時間がすごせるようににホワイエが丸い廊下のようにはりめぐらされている。この土星の輪(ホワイエ)は、建物を覆うガラスの壁面に沿ってぐるりとめぐっている。

この輪に、バーもあるので、そこでワインやビールが買える。この写真では、2階の輪のホワイエにバーらしきものが見える、でしょ?キンキラの球形シャンデリアの下。

そして、球状の劇場から出ると、橋を渡るような形でこの輪(ホワイエ)に出るわけである。

オペラは8時開始、7時半開演なので、7時半まではこの廊下でビールなど飲んで待つ。7時半きっかりに劇場の各ドアが開く。

写真の一番下に見えるところが、建物の入り口から入ったところで、いわゆる「もぎり」である。別に何もおいていなくて、おにいさんが立ってもぎっているだけ。

レストランは、1階と階上(といっても、「輪のホワイエの最上」であるが、、、)にある。
あるいは食事は、対岸にある「Skuespillhuset 演劇者ハウス」で食べるもよし。

3時間以上続くので、終わるのは11時を過ぎる。
帰りは、水上バスに乗り、Nyhavn ニューハウンまで歩いて(このころには独りに)、Kongens Nytov コンゲンス・ニュート まで行って地下鉄に乗り、Norroer Port ノアポートで電車に乗り換えて中央駅へと帰る。Kongens Nytov コンゲンス・ニュートからはバスに乗って、目的地にあわせたバスに乗ることもできる。

以前は、バスをしたたてやってきたグループも見かけたが、昨年はいなかった。

というわけで、Operaen の肝心の「立ち見席」であるが、最上階(5層)の一番うしろの座席の後ろが「立ち見席」であった。
ずらっと、50名以上が並んで立ってみていたであろうか。

ここで、
「席があいていたら、座ってもいいですか?」と、たずねた。
これまでの経験から、最初に空いている席には、必ず人はこないのである。

「第一幕間でいないことを確認して、次の幕間でなら座ってもいい」とのこと。

しかし、年末のLa Traviate.
最後まで、空席を見つけることはできなかった。

切符購入は、古い王立劇場の左手横にあるチケットオフィスで。

建築に関する少し詳しい情報は、2008年6月21日に、
外観写真は、同11月2日にあります。

6時からは、英語による案内ツアーをしているはず。
では、みなさま、よい週末を!







新郵便システムが高齢者を脅かす!?

2009-02-20 | デンマーク最新
昨日(2009年2月19日)のDRのIT新聞によると、
「集合住宅の2階以上への郵便配達をしない。郵便箱を1階(デンマークでは0階)に設けて取りにくるようなシステムになるが、
階上の自宅まで持ってきてほしい場合には、郵便箱にラベルを貼ること」という新システムを、非公式にデンマーク郵便局が発表したそうである。

これに対して、エルドラ・セイエンAEldre Sagen が、
(エルドラ・セイエンについては、また改めて、、、))

噛みついた!ではなく、
ちょっと待て! をかけた。

つまり、そのようなラベルを貼ると「犯罪の温床になる」というわけである。
「手紙をとりにこれない、あるいはそれが億劫な高齢者が住んでいます」ということを世間にアピールするようなものだからだ。

犯罪防止審議会でも、「そのラベルが犯罪を誘発することにならないとは限らない」と、煮え切らないながらも、その事実を認める見解を発表した。

これにたいして、郵便局は、、、、

どないせえ、言わはりますのん?!
Mr.ポストマンは、一人で500軒の配達を抱えているのでおますえ。
どこに65歳以上のお年寄りが住んでいるか、覚えられしまへんわあああ。

とのたまった。

ひゃああああ!!!関西弁にすると、角たてしまへんなあ。

今日は、バリネコまで関西弁どすか?

写真はのどかなデンマークの、そのMr.ポストマンである。

ヘイ、Mr.ポストマン!
ウー、ウー、ウー、Mr.ポストマーン、マアアアアアン、アアアアン。

覚えてますか?カーペンターズ。と書いたところ、
ツーカーさんから電話が入りました。
オリジナルはビートルズ。
http://www.youtube.com/watch?v=GuGgWRyhPsI

カーペンターズはカバー。であることを明確にせよと。
http://www.youtube.com/watch?v=KItFpClyqOs

ひととき、リラックスしたい向きには、上のアドレスでお楽しみください。
お仕事場におられる方は、お昼休みにしましょう。
う~ん、ノスタルジー!


横道それないで、お話続けて!

デンマーク郵便局のトレード・カラーである赤と黄色を上手に使っている。
この写真は郊外の田舎町ではなく、首都コペンハーゲンでの風景である。

自転車はクリスチャンバイクだと思うが、自転車と箱が一体になったようなものにお手紙を入れて、配達している。
フーン、一人500軒に配達してるんだあ。

ちなみに、クリスチャンバイクは一般人でも愛用していて、子供をのせて走りまくる。いちど、自転車に試乗させてもらったことがあるが、なかなかどうして重い。かよわき女性の足では、なかなかこげない代物である。
もひとつ、ちなみに、郊外のちっさな町では、自転車の前に大きなカゴを付け、それにお手紙を入れて平和的にやってくる。

写真にあるようなコペンハーゲンの集合住宅は100年以上にもなるもので、各フロアに2戸、3戸、4戸の住戸がある。
日本のいわゆるスキップフロア方式のようなもの。

このような住戸の場合、郵便箱が1階にまとめてつけられているわけではないので、郵便屋さんは、上の住戸まで持っていって、ドアについた穴から手紙を入れてくれる。週末には、たくさんの広告チラシもこの穴から入ってくる。
コペンハーゲン周辺では、エレベータのない集合住宅にエレベータをつける改修工事も数年前に終了しているので、それほど大変でもないだろう。

デンマーク郵便局の新システムは、集合住宅への配達業務を合理化しようとしたものであろうが、
これに対して、高齢者の安全を守るという視点から異議を申し立てる団体(エルドラ・セイエン)があるということが、
すばらしいでは、

あーりませんか!

いづれにしろ、ギャク古すぎ

ところで、集合住宅での郵便箱の設置の仕方であるが、
私の経験から、築100年以上にもなるものでは各戸についており、
戦後の経済成長のなかで建てられたものも各戸(階上)についており、
新しいものは1階(0階)にまとめて設置されているケースが多いように
理解しております。

ほっか、ほかのデンマーク情報でした。


その昔なら460円だった!

2009-02-19 | デンマーク社会・生活
写真は、地下鉄コンゲンス・ニュートーの駅の切符売り場の様子です。
先日お話した「マガジン」につながる駅で、ストロイエの東端の王様広場の駅です。スケートリンクもありましたね。

券売機も、ヘニン・ラーセンさま Henning Larsenの手にかかれば、こんなにカッコいい!という話ではなく、、、、

デンマークでの切符の値段について、現地におられる親切な方が調べて情報を寄せてくださっています。
ありがとうございます!

切符は、1回乗りの切符とクリップ・カート(回数件風のお札、10回分)があり、当然値段が違うわけです。
回数札の場合、2ゾーン(ブルー)、4ゾーン(黄色?)、全ゾーン(グレー)などいろいろのものがあり、2ゾーンは10回分で130クローナ。起点から決められている2ゾーン内で1時間内なら、電車、地価鉄、バス、水上バスが乗り放題。

デンばあさんは、これを120クローナと書きましたが、130クローナですね。ご指摘、ありがとう!

ですから、電車も地下鉄もバスも水上バスも、、、、、何に乗っても1時間以内なら、起点から2ゾーン以内ならどこへでもいけるのです。

一方で、1回分のチケットももちろんあり、それが1ゾーンで21クローナしているということを、デンマーク在住の方がコメントで教えてくださいました。

回数券の割引率の高さに驚きますね。
日本なら、10回分の値段で11枚がいいとこでしょう。

話は元に戻りますが、21クローナといえば、今でこそ200円ちょっとですが、去年には、1クローナが23円までいっていましたから、このレートでいけば、462円となり、「昨年秋の状況では、初乗り450円で高い!」という「あいのり」の紹介も、あながち間違いではない。という結論になります。

ということで、「あいのり」は昨年の夏あたりに録画したものであろう、、、
どうでもいいことですが、為替レートはげに恐ろしいものです。

カテゴリーの「国際イギリス」をご欄ください。
ヴィクトリア駅で売っているスシが、1ポンドで220円。
手巻きが2.5ポンドで550円。なんと刺身が3.5ポンドで800円と書いています。

昨年夏は、1ポンド220円だったのです。
現在なら、それぞれ握り133円。手巻き330円(まだ高いなあ)、刺身(465円)となります。

ちなみに、ユーロは現在117円で、1ユーロ=160円という経験則をもっている人には、信じられない円高です。

財務大臣が外国の記者会見で酩酊状態の醜態をさらす国なのに、どうしてこんなに円が強いのか? 4時には帰って家族団欒するデンマークの一人当たりGDPが日本(16位)より高い10位であること以上に不思議です。

Hening Larsen さまは、デンマーク地下鉄のデザインの総合監修をしています。
そこで、この券売機も彼のデザインによるものでありましょう。

車体のデザインも、彼にしてほしかった!
もし、この辺のことをご存知の方がおられましたら、教えてくださいね。

今週も終盤に入っていきます。
年度末で忙しくしておられる方も、この映像をみて、デンマークに思いを馳せて、効率よく仕事をすませ、週末はゆっくりお休みください。

あんたは、3月末まで無理でしょう

ショック!






デンマークの電車賃は240円から

2009-02-16 | デンマーク社会・生活
中川大臣の醜態を見るに忍びなく、
久しぶりに「あいのり」をみていましたら、
デンマークはコペンハーゲンを舞台に、繰り広げられていました。

世界1物価の高い国ということで、さまざまな物価について紹介されていました。が、電車の初乗りが450円からというくだりで、、、、、、ちょっと待て!

電車は急には止まれない!

初乗りは、12クローナ。つまり、240円からです。
現在では、12クローナは、200円に相当します。

少し、気になったものですから、、、、、

写真は、電車に関連したものを選んでみました。

有隣荘での車座セミナー

2009-02-15 | 地域
宝塚市でI先生が開設しておられる「在宅療養支援ハウス 有隣荘」の
車座セミナーで話をさせていただきました。

まさに、地域のなかで膝を囲んでの「ものがたりデンマーク」です。

「エンドレスでやって!」と言われまして、いつも制限時間のなかで話をしている私としては、ひじょーにうれしい2時間でした。

I先生のような先生が、地域にたくさんいてくださるとうれしいです。
「有隣荘」の未来に乾杯!

http://www.kunpfukai.com/imai_naika/

「有隣荘」のブログもあります。
http://yuurin-kunpfukai.blogspot.com/

鴨居にかけられている洋服は、ご利用者の娘さんの作品で、お母様の古い着物からこうした素敵な洋服を作っておられるのだそうです。
ヒジョーに、センスのよいデザインでした。

オープンされてから3ケ月ですが、地域に根付いている感じが伝わってきます。




オーフス市庁舎の時計台

2009-02-14 | デンマーク建築・まち
「土曜日の建築シリーズ」第11弾。

有名なオーフス市庁舎の時計台です。

なぜ、有名か?
それは、アーネ・ヤコブセンの設計だから。

しかしながら、この建築物には、あまり感動を覚えないのであります。
写真は、昨年オーフス市に行った時のものです。

建物のファサードというのでしょうか。
表面の質感がなんとも、個性的というか、まだら模様というか、「しぶいなあ」というか。中に入ってみなければわからい部分もあるでしょうが、その時間がありmせんでした。

お昼近くの時間帯ですが、日が低いため、日が傾きかけているように見えます。

では、よい週末をお過ごしくださいませ!


マガジンが倒産?!

2009-02-13 | デンマーク最新
ゆーきーや、こんこ。あられや、こんこ。
オー、一面の白銀の世界 イン ショーウィンドウ!

デンマークのショーウィンドウにも、雪が降ったようです。
これは、「イルムスボーリフス」の冬のウィンドウ・ディスプレイ。

デンマークのデパート「マガジン」が倒産の憂き目にあっている?!
正確には、倒産を防ぐための新しいオーナーを探しているようである。
といのが本日のテーマであるが、、、、

なんで、イルムスボーリフスやねん?

ということになりますが、まあ聞いてください。
デンマークには二つのデパート、「マガジン」と「イルムス」があります。
が、この二つのオーナーが同じ会社なのであああある。

その昔、イルムで買物をしていて、欲しいものが品切れであった。

「すまへん。マガジンに行ってもらえまっか?」

また、大阪弁?

と言われて、デンマークとは大らかな国であるが、顧客を競合店に誘導するほどおおらかななのかあああ。間抜けているのかああ。いやいや、これはもう、おどろき越えて「わらっちゃう、あきらちゃう」と思いつつ、マガジンに行ったことがある。

あとで、両者は同じ会社であることが分かったのだが、、、
つまり、そのオーナーがアイスランドのボウガーという会社なのである。

そこで、マガジンの話であるにも関わらず、イルムスボリフスの写真を選んだ。
イルムスボリフスは、「イルムの住まいの家」という意味で、北欧モダーンのインテリアを集めた店で、最近はアパレルにも力を入れているようである。

元へ。

アイスランドといえば、昨年の金融危機で国家そのものが破産か?云々で話題になった国である。
「マガジン」のオーナー ボウガー社がアイスランドの会社なのである。

ボウガー社は金融危機のあおりを受けて14億ドルの借金を抱えることとなり、投資銀行の保障を受けた。マガジンも銀行のコントロール下にあり、新しいオーナーを探している、という。

マガジンの経営部は、
「安心しておくんなはれ。マガジンは常に地元銀行がついておます。もう、アイスランドのグループには依存してはおりまへん」と強調した、という。

いずれにせよ、マガジンもイルムもコペンハーゲンっ子には大人気の店である。
のみならず、「イルムスボリフス」と言えば日本人にも人気で、絶対と言ってくらいに訪問する、観光名所化した店である。

その後、オーナーが現れたという話は聞かないが、
デンマークを代表するデパートがアイスランドの会社の所有だったというのは驚きである。
設立はデンマークの会社であっても、その途中で買収されたのであろう。



配食サービスは灰色?

2009-02-12 | Weblog
これは、デンマークにおける配食サービスであーる。

これを見て、思わず、デンマークの配食サービスははいしょく(灰色)!
なんて、言わないでください。

なかなか、よい!

というのは、食べると想像以上においしいし、栄養バランスもきちんと考えてある。
何よりも、800円前後と安いのがうれしい。

透明のカバーを外しているが、この透明紙でピッタリと蓋をするわけである。

1色ずつではなく、3食くらいずつまとめて届けて、冷蔵庫に入れておくのだ。

自分で温めることができる人は自分で、できない人はホームヘルパーがやっていて電子レンジで温めて、お皿に入れてくれる。
合理的にできているというか、食文化が違うというか、、、、
日本では幕の内弁当風に、最低5品くらいは作らなくちゃいけない。
彩りも考えるよね?

デンマークのコムーネ(市町村)は、2007年1月より人口5万人規模に整えられたが、人口5万人前後のSOコムーネでは大きなセントラル・キッチンを持っていた、毎日1000食以上を提供できる体制を整えている。

週に換算すれば、毎週7000食のこうしたパックを届け、3500食のデザートや副菜を提供している。
種類は多くて、20種類以上は用意している。

写真は、ポークの煮物に、ジャガイモ、赤キャベツの酢漬けである。
牛のシチューや鮭のソテーなどもある。

なんしろ、この3区画に、1区画1品だから、合理的極まりない。

しかし同時に、自宅に食事を届けることも重要だが、家から出てみんなと一緒に食事をして「社会的時間」を楽しむことも大事である。

そういう意味で、デンマークの高齢者住宅の半分のサイトにはアクティビティハウスが横にあって、そこにはもちろんレストランもあって、自宅からの人も高齢者住宅に住む人もいっしょになって食事している。

もち、昼からワインは欠かせない。

虚弱なお年寄りたちはそれなりに固まって、食べている場合が多い。
お世話大好きおばさんが一緒に食事していたりする。

そして、アクティビティハウスのレストランで温かい食事を昼間とると夜は例のオープンサンド(Smoer Broed)である。
また、夜のためにと、レストランで温かい食事を買っていく人もいる。

食さまざま、色さまざま。
でも、日本の配食サービスは、こうはいかんよねえ。



ろうそくの使い方

2009-02-10 | デンマークまち住まい
とにかく、デンマークの暮らしは暗い。
といっても、気持ちの問題ではなく、物理的明るさの話です。

基本的に全体照明はありません。
部分照明のみの世界です。
ダウンライトも、あまりないように思います。
(でも、台所などは明るくしています)

食卓テーブルにはペンダントライトがあったり、
床にフロアスタンドを置いたりしていますが、
部屋のそこかしこにロウソクをともして、明かりとする。
これが、基本定石になっているように思います。

普通は、2つのロウソクを対で使っている場合が多いのですが、
こうして大きなろうそくを5本まとめて灯している使い方にも出会いました。

素敵ですね。

自然との体感的融合。

日本に帰って「ろうそくに火を灯す生活をしよう!」と買って帰りますが、
2週間くらいで、普通の生活にもどってしまいます。

この写真の部屋でも、かなり明るいと思います。

こうしたロウソクのゆらめきのそばで、みんなでテーブルを囲んで食事をし話をする全体的雰囲気をヒュゲhyggeと言うようです。

が、この言葉があらわす感覚は、あっしら日本人にはとうてい理解できないと思うので、あまり使わないようにしています。