北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

講演会での質問

2008-06-05 | 仕事
本日、大阪のY市に行って、お話をさせていただいた。
「Y市男と女のはつらつセミナー 終いの住まいパートⅡ」
というもので、市民が企画に参加しておられる。

一般の方を対象とした講演では、できるだけわかりやすく、
重要なエッセンスをシンプルに話すことを心がけている。

さて、話を聴いてくださった方に、私の伝えたいことが
届いただろうか?

話が終わった時の質問の数が、話がおもしろかったかどうかの
メルクマールになる。
また、質問の内容は、
「聞く方が、どのような点に興味をもっておられるか?」
を如実に教えてくれる、貴重な情報である。

本日は、ハイハイハイハイと、多くの方が手をあげて質問
してくださり、最後には時間切れとなって、すべて受け付けられない
くらいに質問していただき、うれしい気持ちになった。

本日の話では、デンマークの民主主義、負担と再分配、
国民が政治の主役である、という点についてきっちりお話して、
福祉の話に進んだので、いきおい、政治についての質問も多かった。

質問ということで手を挙げて、自説を披露してくださる方もある。
「そこで、、、、質問は何ですか?」と、逆質問が必要な場合もあるが、
これも、ご愛嬌。ラブリー。ラブリー。

「デンマークでは、施設を住まいとケアがパッケージ化されたものだと
いうことで、建設を禁止して、地域に質の高い住宅と24時間在宅ケアを
整えて、非常にうまくいった。
でも、どうして、そんなにうまくいくんでしょう?」

この、根源的な質問には、答えに窮してしまった。
一般の方の、感性って、すごいです。

実は、この方、ご自身でぼんやりと回答を持っておられて、
確認をしたかったようである。

つまり、国民がしっかりと主権者であることを認識し、投票に行くことで、
政治に参加している。収入の約半分を血税として提供し、
それが、
「自分たちのしあわせのために、有効に使われているかどうか」
監視している。

政治家は「○○先生」ではなく、「道具」。
しかも、自分たちのために働いてくれる「有能な道具」でなければならない、
「実質的に役に立つ道具」でなけれなならない、と考えている。

しかも、若いころから、教育でこれを教えている。

だからこそ、「施設建設を禁止し、地域に住まいとケアを整備した」
だからこそ、「ケアのある場(施設)を求めて、自分が移動する。
というスタイルから、ケアが自分のところに届けられるシステム」を
選んで、それを実行していった。

ということである。

この方は、講演が終わってもデンばあのところに来られて
「どうして、こんなにうまくいってると思いますか?」と、
尋ねられた。そして、
「国民もしっかりしているし、政治家も優秀だということですよね。
こういうことですよね」と、念をおされた。

はい、私もそう思います。
決して、「国が小さいから」というようなことだけでは、
説明できないと思います。

と、答えた。

さきほどの、自説披露型質問の方は、
「世襲政治家」について、怒りをぶちまけられていた。

ごもっとも!

日本の選挙投票率30-40%。
デンマークの選挙投票率80-90%。

日本でも、投票率が60%を超えれば、なんらかの変革が起きる、
といわれている。

とにかく、投票には行きましょよ。
そして、自分で選びましょうよ。

そうすれば、この日本、少しは変わるのではないでしょうか。

ご参加くださった方、ありがとうございました!
ご質問くださった方、ありがとうございました!

あ!ブログの宣伝するの、忘れた!