北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

スウェーデンで原発再燃?!

2009-02-07 | デンマーク最新
NHKニュースでも流れていましたが、
スウェーデンが原子力発電抑制の方向を転換して、
新たに10基の原子炉を建設することを決めたようです。

1980年の国民投票で、2010年までに原発を廃止することに決めたことは、環境問題に関心を持っている人なら誰でもご存知のはず。
その方向を転換しての、ビッグニュースです。

よって、「土曜日の建築シリーズ」は明日に持ち越します。

長く続いた社会民主党から保守系政党へと政権が変わったことも影響して、
アソー君が「オラ、郵政民営化には反対してたんだああ」とのたまったように、
ラインフェルト新首相も「オラ、原発推進論者だあー」と、ご乱心あそばされたのでしょうか。

東京電力TEPCOニュース
http://www.tepco.co.jp/cc/direct/040804-j.htmlによれば、
2004年の世論調査(TEMO)において、
スウェーデン人の80%は原発に賛成しており、政府が計画する段階的廃止への支持はわずか17%であるとのこと。こうした民意をふまえてのことかもしれません。

しかし、かなりショッキングなニュースです。

この問題について、デンマークを例にとってみれば、
みなさんご存知のように、この国には原発はありません。
ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロ。なーい、なーい、なーい。

風車、バイオなど再生可能エネルギーの技術をもち、政府もそれを推進しています。が、その背景には、北海油田があり石油、天然ガスの産出国でもあるという「ゆとり」があるのです。
自国の消費の200%を算出して、輸出までしている国であることを忘れてはいけないでしょう。
原発に走らなくても、大丈夫なのです。この「ゆとり」が再生可能エネルギーの研究・開発にも力をいれる、さらなるゆとりを生み出しているのではないでしょうか。

こうしたデンマークが、今回のスウェーデンの決定をどのように報じているか。
その論調を見てみましょう(ユランポステン 2009年2月6日)。

スウェーデンの首相は、議会の同意を待たずに原発への投資を決断した。
投資には膨大な費用がいること、未来の世代に放射物質を残す責任問題など、これは大いなる論争を呼ぶ決断である。

首相にしてみれば、この夏EU首長国を引き受ける都合もあり、スウェーデンにおける長期にわたる温暖化対策を提示してみせることは非常に重要な課題なのだ。

スウェーデンの温室ガス削減は、2020に40%削減を約束している。

首相は、「この問題でリーダーシップをとるヨーロッパにおいては、未来のEU首長国としてスウェーデンは自ら範を垂れなければならない」と日刊紙に語った。

しかし、反対派にとってみれば、スウェーデンにおいて原発が続くのは非常に不幸なことである。

以上、(ユランポステン 2009年2月6日)の記事(インターネット)ですが、なかなか皮肉っぽく書いてあるところが、デンマークらしい。

オバマもブッシュ時代の態度を変えて「グリーン・エコノミック」というスローガンで「エコしながら経済成長」という政策を打ち出した。この夏からEU首長国となるスウェーデンとしては、EUの面子をかけてでもCO2削減にインパクトある対策を講じたかったのでしょう。

しかし、そのために原発でっか?やり方、間違ってない?
アソー君と同じで、自分の都合で国の方針変えようとしてんじゃないの?
1980年の国民投票の結果を、そんなに簡単に翻せるの?
デンマークから、風車買えば?バイオの技術も進んでるよ?

?????の連続ですが、
いちばん困るのは、われわれ日本への影響である。

写真は、デンマークの洋上風車を選んでみました。