北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

有隣荘での車座セミナー

2009-02-15 | 地域
宝塚市でI先生が開設しておられる「在宅療養支援ハウス 有隣荘」の
車座セミナーで話をさせていただきました。

まさに、地域のなかで膝を囲んでの「ものがたりデンマーク」です。

「エンドレスでやって!」と言われまして、いつも制限時間のなかで話をしている私としては、ひじょーにうれしい2時間でした。

I先生のような先生が、地域にたくさんいてくださるとうれしいです。
「有隣荘」の未来に乾杯!

http://www.kunpfukai.com/imai_naika/

「有隣荘」のブログもあります。
http://yuurin-kunpfukai.blogspot.com/

鴨居にかけられている洋服は、ご利用者の娘さんの作品で、お母様の古い着物からこうした素敵な洋服を作っておられるのだそうです。
ヒジョーに、センスのよいデザインでした。

オープンされてから3ケ月ですが、地域に根付いている感じが伝わってきます。




高知の路面電車はまさに市民の足なのだあ

2008-11-09 | 地域
高知には路面電車が残っております。
しかも、ふるいいいい車体が渋い!
しかも、かなり幅が狭く、狭軌といわれる電車の横幅より
さらに狭いのではないでしょうか。

膝を寄せ合わせて座っているような感じが、まったり気分。
学生さんが、通学に使い、
お母さんが、買物に使い、
よさこいでも、予算のない連の人たちは
この路面電車にのって審査会場を移動します。

ちょいのり市内移動なら170円。
「ごめん」という西の町まで伸びているので、
その場合は、高いようです。

この夏、車で高知市内に入り、路面電車のある街で
運転したことのない私は、戸惑ってしまいました。
右折時、通常どおり路線内に侵入してしまったのですが、
対向車が来て、曲がりきれませんでした。

あとで聞きましたが、
電車がいない場合は、路線内に入ってもいいが、
停車しないでそのまま通過できることを確認してからでないと
路線内侵入はしてはいけないようです。

高知では、本当に、身近な市民の足として、
老いた車体は走り続けています。

高知駅のくじらドーム

2008-11-08 | 地域
高知へ、講演に行ってきました。
高知市で、男女共同参画に関連して、
「高齢期を自律して生きる」というテーマで
お話させていただきました。

高齢者向け優良賃貸住宅を運営しておられる
伊藤雅子さんが理事長を勤めるNPO法人ステラ
の主催だったのですが、
まあ、食い入るように熱心に聴いていただきました。

帰りに、高知駅のドームを見てビックリ&感動!
高知駅は駅の改修に伴って、
プラットフォームに木製大屋根ドームをつけたのです。

ヨーロッパの中央駅の駅舎はどれも大きなドームに
包まれていますが、
高知駅も木製のドームに包まれて、
訪れる人々を感動させておりました。

でも、予算不足のためか、なぜか短い、、、
それがまた、印象的でありました。

おめでとう!有隣荘in 宝塚

2008-10-02 | 地域
先週の金曜日に、宝塚市のI先生から、メールが届きました。

かねてから考えていた
「在宅療養支援ハウス 中州・有隣荘」ができました。
是非、いらしてください。 というもの。

「住み慣れたこの町で、ずっと住み続けたい」という気持に
こたえたい!と、宝塚市で在宅医療に力を注いでおられる先生です。

以前から、セミナーで参加者としてよく、偶然にお会いする
先生でした。
うんうん、とても不思議な仲。

ご自身の構想を、このように現実のものとして、
誕生させるのは、並々ならぬ努力や周囲の理解・支援が必要です。

やった!と、わがことのように、うれしくて、
早速出かけていきました。

逆瀬川から少し入った住宅街に、「有隣荘」はありました。

台所がアイランド式になっていて
  ---参加しやすそうだ!
みんなで大きなテーブルが囲めるようになって
  ---ひとりひとり、きっとお気に入り席ができるだろう!
1階には、この他に和室があり
  ---昼寝したら、気持よさそう!
2階には3部屋があり1部屋を事務室として使っておられました
  ---ショートにもってこい!

論語に「徳不孤、必有隣」という言葉があるそうです。

「独居であっても年を重ねても、病気や障害を患っていても、
あなたは孤独ではない」という、私たちの気持を込めた、とのこと。

通所介護事業所としてスタートしますが、要介護認定を受けていなくても、
気軽に立ち寄れる地域の「溜まり場」にしていきたいという
良心的戦略があります。

手前味噌で申し訳ありませんが、
デンばあの「デンマークの高齢者福祉と地域居住」という本を読んで
「中洲にデンマーク・モデルを!」というのが、きっかけになっているようで、
うれしいような、恥ずかしいような。

I先生は、地域ではよく知られたお医者さんです。

老いていく過程で、骨折や脳卒中のために入院することがあっても、
きちんと自宅に帰ってこれるような支援のネットワークづくりは、
先生が言われるように、本人、家族、かかりつけ医、ケアマネ、
PT・OT、訪問看護師、ヘルパーなどが、できるだけ
顔を合わせて会うことが重要だと思います。
「有隣荘」は、地域のみんなの財産!のような形で発展してほしい!!

I先生のいまい内科クリニックHPには、「できごと徒然」というのあって、
先生が参加されたセミナーのことなどが書かれており、「この本おもしろい」
も面白いです。是非、訪問なさってください!

http://www.kunpfukai.com/imai_naika/

「有隣荘」のブログもあります。
http://yuurin-kunpfukai.blogspot.com/

お近くの方は是非、訪問してくださいね。

つどい場さくらちゃんの「介護教室」

2008-09-01 | 地域
9月に突入。
セミの鳴き声が、虫の音に変わり、
季節は秋へとまっしぐら、である。

ひさしぶりに、「つどい場さくらちゃん」主催による
安永道夫さんの介護教室に参加してきた。

介護職員の方や家族を介護されている方が中心に50名以上
集まって、勉強会を継続している。
わざわざ北海道から、来てくださっている。

「介護の職人」というほどに、お年よりの気持を大事にしつつ、
医学的根拠に基づいた介護をされている方である。

昨日の講義は「排泄(尿)」であり、
「排尿管理さえしっかりすれば、オムツはとれる」ということを
ご自身の老健「ほのか」で実践されている。

ところが、、、

つどい場さくらちゃんには、家族介護者の方が多く集まっておられるが、
ショートで泊まった場合など、すぐにオムツをつけられたり、
パッドをあてられたりしてしまうのだそうだ。

恥ずかしながら、そうした現実を知らなかっただけに、
驚いてしまったのだが、施設の都合を優先したケアが今なお
当然のこととして行われている、ということなのだ。

そうした現実に怒りを感じつつも、
お年よりの立場に立った介護を学んでいこうというのが
この勉強会の趣旨である。

私は「介護」という言葉が大嫌いであるが、
基礎を知ることは何事においても大切なことだと思って、
この勉強会には参加させてもらっている。

昨日は「排泄(尿)」についてであったが、
尿失禁にはいろいろな種類があることは知っていたが、
介護現場では、それらを見分ける力量が介護職員には必要である。
「十分に、僕らでワカル」とのこと。

そうした力量が重要だということであった。
なるほど、私は、やたらと精神面の話を強調したがるが、
身体に関わる、こうした重要なことをあまりにも知らなさすぎると
思った。

尿失禁の種類を見分けるマニュアルとして、
「愛知県排尿管理マニュアル」がインターネットで公開されているので、
参考にすればいいとのこと。

http://www.pref.aichi.jp/0000000015.html

社会福祉士の現場実習でがんばる学生さんの支援をしているが、
彼らは、介護についての知識はほとんどない。
求められていないし、私自身、その必要を感じていなかった。

介護概論では、たしか、「尿失禁の種類」までは教えてないだろうし、
その見分け方になんか、まず触れないだろう。

最後には、「おなかすっきり体操」という尿失禁防止体操をして、
お開きとなった。

「体操で防ぐ尿失禁」は、NHK福祉ネットワークでも紹介されていました。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/arch/thu/30501.html


身体的側面、精神的側面、社会的側面。
最近では、霊的側面など、、、、バランスのとれたアプローチが必要である。

この勉強会に参加すると、「身体」についての知識が浅いことに
気づかされる。

「つどい場さくらちゃん」では、9月23日、関西学院大学にて、
「かいご学会in 西宮」を開催します。
か=介護、い=医療、ごーご近所をテーマにしたフォーラムです。
三次春樹をはじめ、松本一生先生など、一度は話を聞いてみたい!
という講師陣、、、というよりも、当事者やご家族も参加して
言いたいこと言って、考えるのがこの「学会?」の醍醐味です。

お近くの方も、遠くの方も、是非いらしてくださいね。

http://www.geocities.jp/tsudoiba_sakurachan/

NPOを去る人

2008-06-07 | 地域
一昨日は、私が関わりをもっている
NPOに一大事が発生し、急遽、引継ぎのために
それに参加した。

人が去る。その仕事の引継ぎ、、、という
あまりおめでたくない話である。

家族介護の経験をとおして、つながりができ、
NPO法人を昨年立ち上げて、「つどい場」を中心に
「学びタイ」「見守りタイ」「お出かけタイ」などの
活動をしているNPOで、先日もNHKの「ご近所の
底力」に、「認知症でも暮らせる町N市」として登場し、
その存在と取り組みが紹介されたところである。

経理関係の仕事をしてこられた男性が、事務方を一手に
引き受けて、お手伝いならぬ、主体的に参加して
くださっていた。

しかし、NPOの組織運営の基本は、理論的には、
公共性、民間性、非営利性、自己統治性、自発性、
非宗教性など言われているけれど、
参加者の一人ひとりがかけがえのない存在として
互いを尊敬して、しっかりと話し合い、
その活動に参加して、自分たちの住む町を少しでも
よくしていくこと、だと思っている。

とくに、タテの関係より、ヨコの関係で進めていく。
これが、とても大事なことだと思う。

これはつまり、人間は悪い面、良い面、いろいろな面を
持っているけれど、悪い面があることも知りつつ、
特によい面に目を向けて、その力を
集めていきましょう。ということだ。

でも、事務方としてすばらしい能力を発揮して
がんばってくださった方が、少しづつ人の言うことに
耳を傾けなくなり、タテ社会に生きてこられた価値観を
だされるようになった。

こうなると、不許和音が聞こえ始め、気持の通い合いが、
薄れてくる。

その方も、このNPOの理念に共感して、生きがいを持って
活動に参画してくださっていた。

しかし、残念なことにご自身から辞任することを言い出された。

された仕事を見せていただいて、引継ぎをしたが、
完璧な仕事ぶりには、脱帽あるのみ。

悲しいことではあるが、仕方がない。

少し考え方を変えて、見方を変えて、、、
そうすれば、一緒に楽しくできるのに、、、
と思うが、人間の個性や価値観はそう簡単には
変えられない。

個性は年齢とともに、煮詰まる。

NPOが立ち上がって、1年。

いろいろな人の出入りがあって、次第に固まっていく
という。

その方に、心からの感謝の気持ちを届けたい。


認知症の出歩き

2008-05-20 | 地域
日曜日の10:05から「ご近所の底力」をやっておりますが、
先日の番組で、「認知症とつきあえる町N市」として
わが町が紹介されました。

さらに!

そこに登場していたのが、つどい場さくらちゃんであり、
わが愛するMちゃんが主催するつどい場なのでありました。

認知症の方が徘徊をしてご家族が困り果てておられる
という話は、地域包括支援センターに多く寄せられています。
しかし、今、この問題は決定的な解決の方法がなく、
適切な助言ができない状態でもあるのです。

しかし!

さくらちゃんでは、「どんどん一緒に出歩いてみよう!」と
介護経験のある家族たちが、みんなで考えて
そのようなアイデアをひねり出し、
頭を抱え込むのではなく、
「出歩きたいのには理由がある」
だから、それにじっくりと寄り添うじゃないか。
と、発想するのです。

困った時のさくらちゃん頼みで、
いろいろな相談が寄せられ、それを
「困ったことですね。でも、解決策がありません」
ではなく、介護で苦労されたご家族たちがアイデアを
搾り出して、いろいろな支援策を講じていきます。

「見守りタイ」というグループは、
一時も目をはなすことができない家族にかわって、
一日の数時間、認知症のお年寄りを見守るために、出動します。
そのあいだ、家族は外出でき、介護のストレスから
開放されることができるのです。

いろいろな相談が寄せられ、
相談に来た方は、聞いてもらえただけで救われ、
元気になってかえっていって、
いろいろな方法で、新しい気持で、再スタートを
切ります。

地域包括支援センターは「できません」と言えても、
家族は介護を放棄することはできない。

家族のお世話を「他人ごと」として、やっているのではなく、
逃れられない「当事者ごと」として、、、やっておられるのです。

「他人ごと」と「当事者ごと」の違いは、
「すみません」で逃れられるかどうかの違い。
でも、「逃げられる」時間を日をつくらないと
やっていけないのも事実です。

「当事者ごと」として、行動ができるさくらちゃんのような
活動が、もっともっと広がればいいのに、、、、
デンばあも、もっともっとコミットしていかなくちゃ、
と思っています。

デンマーク人の「連帯」意識も、
こんな「当事者ごと」意識が根底にあるんでしょうね。

ちなみに、デンマークでは、
グループホームに暮らしているお年よりのために、
「私は○○に住んでいます。迷っていたら、電話してください」
と、ホームの電話番号を書いたバッジが用意されています。
出歩き(徘徊)が大好きなおばあちゃんは、帽子の横に
かっこよくこのバッジをつけていたりします。

リハビリ室で井戸端会議

2008-04-30 | 地域
五十肩リハビリは、まだまだ続いております。
例の、T整形外科。

ドクターはこわいけれど、リハビリ室には
笑があふれています。
ドクターは売上考えてるから、怖いのかなあ。


でも、リハビリ室では、
PT先生も、利用者も一緒になって会話して
アホなこと言って、笑っています。

ある日の会話:回転寿司で盛り上がる。

「この辺やと、やっぱり、スシローが安い!」
「でも、ネタが大きいのは蔵寿司やで」
「そやけど、蔵寿司のデザートは最低や」
「何言うてんの、がらがらポンで出てくるやろ、
 あれがええんや」
「そうそう、デザートはスシローやなあ」
「私は、歩いていけるスシローがええわ」と高齢の女性。
「そやな、171沿いにあるからな」
「この前、12皿も食うて、嫁はんに怒られた」と、PT先生。
「10皿くらい、あっと言う間や」
「私なんか、5皿で十分ですわ」とデンばあ。

回転寿司を話題に、リハビリ室全体が笑いの渦です。

不思議な空間と時間。

整形外科における井戸端会議とでも申しましょうか。
先生が怖くても、ここに通い続けようと
思うちゃうのですよね。

ご近所さんとの会話なんて、
「おはようざいます」
「暖かくなってきましたねえ」くらいで、
まさに回覧板(でしか交流のない)地域ですよね。

でも、ここでは、見知らぬ者同志の何かが通じあっている。

リハビリ室で会う人と、近所のスーパーであったら、
きっとあいさつするでしょう。
顔見知りの関係が、リハビリ室を起点にひろがっていく。

この様子を、しばし、興味深く観察しながら、
通院を続けようと思います。


見つけた!専門商店街

2008-04-29 | 地域
先日、自転車で阪急沿線のある駅周辺を散輪(なんて言う?)していた。
高架下には食堂、居酒屋、肉屋、八百屋、文房具やなどが並び、
「N市には、まだこんな商店が残っていたんだ」と、
うれしくなった。

なかでも、金物屋には感動!!!
たけ箒や竹カゴなど、
昔なつかしい道具をたくさん売っている。

デンばあは、毎年梅干を漬けている。
梅干を夜干しするかごも売っていた。
今、使っているのは古くなりすぎているので、買うことにした。

こういうなつかしい風景は、ほとんど見られなくなってしまった。
付近に住む人たちの生活が、にじみ出ていているような商店街。

ここなら、お年寄りでも歩いて買物に来ることができるし、
ちょっくら座って、立ち話ならぬ座り話もしていける。
専門店は、生活を支える重要な要素だと思っている。

自宅から歩いていける圏域に、生活に最低限必要なお店が
揃っている。
これが、地域で生きていくためのキー要素だと思う。
コンビニがその役目を果たすかも、と言われているが、
ちょっと寂しいなあ。

デンマークでは、肉屋、さかな屋、花屋、金物屋などの専門店が
首都コペンハーゲンにも多く残り、
バスに乗っていても道路沿いに軒を並べているさまを
見ることができる。

もちろんスーパーマーケットもあるが、肉屋、さかな屋は
生活の必需品だとばかりに、厳然と存在を主張している。

なかでも、金物屋はIsenkræmmer と言って、なかなか便利。
水道の栓、シャワー口から、食器やインテリア用品、バーベキューセットまで、
ありとあらゆる品物を所狭しと並べている。

竹箒や梅干用のカゴをたっくさん揃えている店を近くに見つけて、
デンマークの金物屋を思い出した。
その雑多な品揃えが似ている。

ついでに、ふとんタタキも買った。
木製のって、最近ないんだよね。

あ!肩タタキもある!

これ、ぽんぽんあんまって言うんだよね。
肩タタキされない内に、自分でポンポンしとこ。

そして、今日はかつおのタタキ。

今ある日本の商店街は、がんばってほしい。
がんばれ!専門商店街!