北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

高齢者は「ゲスト」ではない!

2009-02-04 | 高齢者住宅
有名な高齢者三原則「自己決定」「自己資源の活用」「継続性の維持」は、デンマークで生まれたものですが(1970年代の末の高齢者政策委員会の報告)、この核をなす哲学が「高齢者は介護の対象ではなく、生活・人生の主役である」というものです。

私が敬愛するデンマークの高齢者住宅・福祉研究家は、いつも「それで本当に、高齢者をその住まいの主人だと考えていますか?」という問いかけをします。

しかしながら、
ある特別養護老人ホームでは、そこに住んでおられる高齢者を「ゲスト」と呼んでいます。
「ゲスト(お客様)」として大切にケアしています。ということなのでしょうが、、、


「では、あなた(ケアする人)はホストで、あなたがその家の主人なの?」と、問いたくなります。

それとも、
「スタッフはホテルかなにかの従業員で、お年寄りがお客様」なのでしょうか?

建築家のなかには、「このユニットケアの特別養護老人ホームは、プチ・ホテルというコンセプトで設計しました」と、意気揚々と話される方がいらっしゃいますが、これもとんでもない「勘違い」。

特別養護老人ホームでも、2005年10月から家賃(ホテルコスト)の徴収が始まりました。
これは、そこに住む人は、たとえ13㎡の広さでも、きちんと家賃を払って住んでいる「家の主人」であることを保障し、負担していただきましょう。ということであって、決して「ゲスト」ではありません。

デンマークではこの改革を、1987年に成し遂げました。
ですから、こうしたまちなかのグループホームのお部屋は、お部屋ではなく住戸であって、現在では12万円前後の家賃を払って住んでいます。

働くスタッフこそ「ゲスト」なのであって、お部屋(住戸)にお邪魔させていただくわけです。

お年寄りを「施設のゲスト」と考えるか?「地域のその家のご主人」「根をはって生きている人」と考えるか?で、世界観は逆転します。

特別養護老人ホームだって、個室化されていなくても、そのお部屋は、あるいはそのベッドの置かれた場所は、「地域に住むその方の自宅」です。
決して、「施設のゲスト」ではありません。

昨日、「障害者施設でも、ホテルのようなおもてなし」を標榜するところがある、と言う話を聞いて、ぶったまげて、これを書きました。

写真は、デンマークの、地域環境に自然に溶け込んでいるグループホームです。

山形にも高齢者専用分譲マンションができたのだ

2008-11-13 | 高齢者住宅
山形に高齢者専用分譲マンションができました。

「ソーレ・ヒルズ花楯」というのですが、
最上階からの眺めで、天気のいい日には月山も見える
そうです。

介護保険と同時に介護保険事業に参入されたのですが、
特定施設や、高専賃に訪問介護事業を組み合わせた
住まいを5け所に提供されていますが、
非常に勉強熱心で、介護保険事業を始める前には、
社長自らが、岡山まで行って介護の現場研修をされるなど、
徹底した学びの姿には頭が下がる思いがいたします。

いよいよ、自立型の住宅(素ッピン住宅)を!
ということで、終身利用権の有料老人ホームではなく、
分譲マンションとして高齢者専用ものを作られました。

自立型の高齢者住宅はその多くが有料老人ホーム(住宅型)
であるなかで、時代の空気を敏感に感じ取った上での
山形での展開に、デンばあは喜び勇んで、エールを送るような
気分で講演をさせていただきに参りました。

先の高知もそうですが、リスクを背負って「よい住まい」を
提供しようとしている方は、気迫が違います。
こうした取り組みがじわああああっと広がっていくために、
そして、本当に役に立つような研究というものをしていかないと
申し訳ない思いに駆られました。

日本のいろいろな現場でがんばっておられる方々のために
私もがんばっていきたいと思います。


那須でツアー同窓会

2008-06-01 | 高齢者住宅
那須でツアー同窓会

金曜日から、那須高原(栃木県)に行ってきました。
デンばあは、デンマークへの高齢者福祉研修ツアーを
企画・実施していますが、参加者の同窓会をして
旧交をあたためる機会をつくるようにしています。

ほとんどの場合、参加者の取り組みを見せていただく
ということで、どなたかの施設や住宅を訪問するのですが、
今回は、那須でデイサービスをしておられるKさんの
ところを訪問させていただきました。

「是非、那須に来てください!手作りのワインもあるし!
空気がきれいで、、、、、!」とずっと言ってくださって
いたのです。


話がまとまり、JR東北新幹線那須塩原駅にて、集合。

温泉に、おいしい料理、お酒。とくに、二日目には、
火をおこして、バーベキュー。

海の幸、山の幸、畑からとれとれのキャベツに
ご近所からの差し入れの竹の子、アスパラなどなど、
ありとあらゆるごちそうが続いて、至福の時をすごしてきました。

北海道から参加のM氏は、とれとれのウニを持参。
普通は海水のみつけたウニは日持ちがしないので、
普通ではなかなか手に入りにくいのだそうです。
新鮮なおいしさに満ちていました。

とくに、デイサービス「はーとぽっぽ」には、普通の暮らしがある
ということを、目で見て、肌で感じることができました。

泊まりの方には、ご主人手作りの味噌汁(てんこ盛り!)が
出されます。
おかさんが作ってくれたような味噌汁です。

昔の民家なので、非常に落ちつくのです。

民家改修型で、空間にゆとりがあり、お泊り用の個室も階下に2部屋、
二階に2部屋。台所がシンクとガス台が2箇所ついて
使いやすく、デイルームとつながっているため、
ごく自然に台所にも立ちやすくなっていました。

温泉に連れて行っていただき、茶臼山を望む那須高原には
ツツジが群生しており、視界が赤く染められる感じ。

那須高原の道をドライブにつれていってくださいましたが、
新緑の話は、心を奪われるみずみずしい美しさでした。

深山ダムという、那須高原の奥にある那珂川上流のダムでは、
緑にもこんなに種類があるのだという新緑・深緑のハーモニーを
見る事ができました。

自然にふれる、なつかしい仲間に会う、おいしいものを食べる。
こんな感動は、人間を新しい気持にしてくれます。

明日からまた、新鮮な気持でがんばっていきましょう!
「はとぽっぽ」のみなさま、ご参加のみなさま。
本当にありがとうございました!