北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

コペン地下鉄もヘニング・ラーセンの作品

2008-08-30 | デンマーク建築・まち
久しぶりに「土曜日の建築」の復活です。

写真は、コペンハーゲンの地下鉄の写真です。

コペンハーゲンに地下鉄が開通したのは、
確か、1999年か2000年のことだったかと思います。

以前にもプラットホームの様子を
ぷらっとご紹介しましたが、それらの駅の美しいことに
デンマークらしさを感じておりました。

それもそのはず!

ヘニング・ラーセン(Henning Larsen)事務所の作品
だったのです。(ヘニン・ラーセン事務所)

なんでも、地下鉄の駅の設計には4つのカテゴリーがあって、
深地下、地下、グランドレベル、地上と分けて、
設計をしたようです。

コンセプトは、シンプルでわかりやすく、陽光を取り入れること、
だったようです。

コンゲンス・ニュートー(王様広場)の近くにある
マガジンというデパートの前には、
ガラスのピラミッドが3つほどあって、これが地下鉄の明かりとり
となっています。

ルーブル美術館のガラスのピラミッドの小型版みたいです。

写真は、そのコンゲンス・ニュートー駅のものですが、
深地下駅であるのか、エレベータでかなり下まで降りていきますが、
地下であることを忘れさせるように、日の光が注いでいます。
地下鉄特有の「うっとしさ」がありません。

コペンハーゲンに行かれたら、ノアポートという駅で地下鉄に
連結していますので、是非乗ってみてください。
また、ストロイエを市長舎から終点のマガジン百貨店まで歩かれて、
コンゲンス・ニュートー駅からノアポートまで
乗られるといいかもしれません。

地下鉄は無人運転です。
車体そのものには、あまり美しさは感じませんが、、、、

やはり、美しく、快適な環境に身をおくことは、
気持のいいものであります。

よい週末を。





コペンを自転車安全な町にしよう

2008-08-29 | デンマーク最新
ご覧のように、コペンハーゲンは自転車天国な町である。
(ということは、6月17日、18日にも書いたので、見てね)

車道と歩道のあいだに、「輪道」が設けられている。

しかし、この自転車、
右折する車やトラックに巻き込まれて事故にあうことが多い
のだそう。
ちなみに、デンマークは車・自転車は右側通行。

そこで、コペンハーゲン市では、
サイクリストにとって、もっと安全な町にしようと、
車は信号の5m手前で止まるよう、路上のマークを
変更すること計画しているそうである。

なんでも、市内には、117の交差点があるそうで、
このようにすることで、車からは、右折する自転車が
よく見えるようになるだろう、とのことなのである。

コペンハーゲンを、サイクリストにとって世界で最高の
町にするためには、政治的決断を待たなければならないわけだが、
その目的は、不幸な事故をとにかく半減することなのである。

別の方法としては、自転車専用信号を設けて先に「青」として、
右折車より先に自転車がいけるようにする案もあるとか。

いづれにせよ、コペンハーゲンの自転車は、
この写真にあるように、すごいスピードで輪道を駆け抜ける。

今でこそ、バスが止まっていて降りる人がいたらストップするが
その昔は
「バスから降りて、歩道にいくまでに、
 自転車にひき殺されないように気をつけて!」
と言われたものである。

そして、交差点で自転車と自動車がぶつかりそうになろうものなら、
ボンネットをどついて逃げ去るのが自転車であった。

サイクリストも、お上品になってきたのねええ。

とにかく、安全は大事でありまする。



デンマーク最大の洋上風車プラン国会通過

2008-08-28 | デンマーク最新
3日間、お休みしてしまいました。
休みグセがついてはいけないので、ここらできちんと。

この間に、北京オリンピックを偲ぶ、ではなく、
その関連の番組がたくさん放映され、
なかでも、日本女子ソフトボールの上野投手の足跡を
描いたものに感銘を受けました。

チームの結束力、信頼が勝利の鍵を握っていたのですね。
わたしもフリーランスのような動きをしていますが、
多くの方々のご厚意やご支援、
ネットワークに支えてもらっています。
感謝する気持ちを大事にしていきたいと思いました。

本日も、デンマークの最新ニュース。

デンマーク最大の洋上風車が立てられる計画が、
この水曜日(8月27日)国会で認められたそうです。
そこで、本日は、手持ちのヴィジュアルの中から、
コペンハーゲン沖合いの洋上風車の写真をセレクトしました。


右上のほうに、5mmくらいの棒が洋上に並んでいるのが
見えますか?

コペンハーゲンのカストラップ空港に舞い降りる時には、
必ず目に入りますから、確認してください。
20本の風車が海の上にたっています。

土台をどうやって作っているのか、
不思議でたまりませんが、ゆるやかな弧を描くように
立っております。

そして!

なんと!

今回は、100-175本の風車が、
ユトランド半島の北のカテガット海峡に建設されるそうです。
洋上というのは、適度に風がよく吹いて、風車にはいいようです。
ユトランド半島は、コペンハーゲンがあるシェラン島の西方にある
ドイツから伸びた半島です。

なんでも400メガワットの出力があり、
40万戸の年間電力を賄えるそうです。
(ちなみに、原子力発電1基で500メガワットですので、
 その平和的威力のほどをご確認くださいませ。
 また、原発はひっきりなしに動いておりますが、
 風車は風のある時だけ働くので、稼働率は30%で計算する
 のだそうです。いかにも、ムリがありません)

ちょっと待て!車は急には止まらない。
おばちゃん、すぐには計算できない。

デンマークの人口は542万人で、住宅は240戸。
世帯数は不明ですが、仮に200万世帯として、
全世帯の20%をまかうことができるというわけで、
モノスゴイ平和的規模です。

京都議定書では、
EU諸国は2012年の対1990年比8%CO2削減を約束しました。
日本は6%。アメリカはご存知のように参加せず。

これに対して、デンマークは21%の目標を掲げております。

デンマークは北海油田を所有していますので、
エネルギー自給率は1997年から100%を突破し、
2005年には150%を超えています。

原子力発電は1985年に作らないことを決めました。

そして、風力発電機(3枚羽のカッコいいやつ)の
生産世界シェアは50%であります。

現在は、バイオマス(麦わら、木片、糞尿、廃棄物)など、
再生可能エネルギーへのシフトにも力を入れています。

気象大臣は、国会の是認を大いに喜び、
デンマークの風力産業協会会長は、
「2020年までに30%にするというECの目標を達成するために、
 今後海に、陸に風車を立てていかなければならない。
 そして、それは、我々が温室効果ガスの削減に非常に真面目に
 取り組んでいることを国際的なメッセージとして発信することに
 つながる」
とのメッセージを発信しました。
現在は、全電力の20%を風力から得ています。

デンマークには現在、5267機の風力発電機(風車)が立っており、
その70%がユトランド半島にあり(2006年)、
洋上風車はデンマークの全風力エネルギーの22%にあたるそうです。

日本も、海に囲まれた国。
洋上風車を、もっともっと増やせばいいのに、
と思いませんか?









若者住宅入居者世代の人口

2008-08-24 | デンマーク最新
昨日、「ホームレス学生が住宅不足を嘆く」ということについて
書きましたが、
麒麟・田村の「ホームレス中学生」とは何ら関係ないので、
ご注意くださいませ。
映画化されているようで、お父さんの役を尾形イッセイが
演じています。

ところで、昨日、ごちゃごちゃと若者世代の人口について
書きましたが、わかりやすくするために、
年齢別人口を整理して、お知らせいたします。

12歳 7.1万人
13歳 7.2万人
14歳 6.9万人
15歳 7.0万人
16歳 6.7万人
17歳 6.7万人
18歳 6.5万人
19歳 6.2万人
20歳 6.0万人
21歳 6.0万人
22歳 5.9万人
23歳 5.8万人
24歳 5.8万人
25歳 5.9万人
26歳 5.9万人
27歳 6.3万人

ということで、1980年代なかばに生まれた
23歳-24歳あたりで底を打ち、あとは増え続けていることが
ご確認いただけると思います。

では、明日からの1週間がよい1週間でありますように。


5.9万人

5.9万人

デンのホームレス学生が住宅不足を嘆く

2008-08-23 | デンマーク最新
アイルランド、ライデンから再び話題はデンマークの
最新情報へ。
(写真に意味はないが、デンマークの話題であることを
お知らせするために、ロイヤルコペンハーゲン本社を
背にして撮ったホイブロ広場のものを掲げました)

ホームレス学生といっても、ホームレスではなく
「住宅のない学生」の意味でございます。

デンマークでは、
「家のない学生が住宅不足を嘆いている」とのこと。

デンマークにおいては、18歳になると同時に親元を離れて
家を出て、自分で生計をたてる。
この時、国から毎月8万円前後の補助金が出るのだが、
この時の生活の基盤となるのが「若者住宅」である。

若者住宅とは、若者向け公営住宅のことで、
日本の市営住宅、県営住宅の若者版ととらえてよいだろう。

しかし!

デンマークの公営住宅は、持ち家が持てない層への救貧対策として
位置づけられている日本の住宅政策(デュアリズム、二元主義)とは異なり、
全ての国民に質の高い住宅を供給する社会保障の一環として位置づけられて
いる点、注意が必要である。

日本のそれが、持ち家を持てる人とそうでない人を二つにわける
二元主義(デュアリズム)であるのに対して、
デンマークのそれは一元化(ユニタリズム)されていている。

日本では、「持ち家を持ちましょう」というのが基本であり、
持ち家を持てない人に対して、公共住宅(市営住宅、県営住宅)を用意する
二元主義の住宅政策をとっている。

よって、公営住宅入居には所得制限があり、
一定以上の収入がある人は公営住宅には住めない。
しかし、デンマークでは、公営住宅は誰にも門戸が開かれていて、
家賃が払えない人には、家賃補助という制度で、公平性を確保
している。

まさに、住宅は福祉の基盤であり、北欧諸国やオランダでは、
ユニタリズムに基づく公営住宅が、国民の20%整備されている。

そういうデンマークにおいて「若者住宅」は、若者向けに用意された
公営住宅で、誰でも申し込むことができる。

サイズとしては、1DKで50㎡くらいの広さがある。
家賃は、公営住宅と言えでも市場価格との連動しなければならないので、
毎月6-7万円くらい。

日本のワンルームマンションてなもんではおまへん。
キッチンだって、ごく普通の住宅と変わりはなく、
貧乏暮らしに変わりはないけど、きちんとした住宅に住んでいる。

金がなくても、住宅がきちんとしていれば、
「幸福感」は高いよね。

こうした、「若者住宅」が不足しており、
待機リストの数がどんどんと増えているとのこと。

そこで、デンばあは人口構成を調べてみた。

デンマークでは、1980年代なかばに少子化の底を打ち、
その後は1995年に戦後最大のベビーブームを迎えた。
現在も、年間6万5千人前後のベビーが生まれており、
今後の税金負担層が確実に増えている。

少子化が底を打って、まさに人口増加への道を歩み始めた年代
に生まれたベビーが、今まさに「若者住宅」に入らんとせん、状況なのである。

実際問題として、今24歳、25歳の若者は5万8千人なのに対して、
毎年多くなって18歳の若者は6万5千人もいる。
そして、戦後最大のベビーブームと言われる1995年生まれのベビーは
今13歳になって、7万2千人もいるのである。

こうした若者が、親から独立して「若者住宅」を求めているのである。

今年はとくに不足しているというが、人口構成を見ると、
今後ますます「若者住宅」の需要は増えるだろう。

若者たちの不平不満は「不足」にのみあるのではなく、
もし、空いた若者住宅に「入りたくない」と入居を拒めば、
待機リストの最後にまわって長い列をまたなければならないという
「システム」にもあるようである。

デンマークでは、「住宅政策は社会保障の基盤である」が実践されている。
若者たちにどのような対策が講じられるのか、
成り行きに注目したい。


ミニなコロッケ

2008-08-22 | 国際アイルランド
引き続きまして、ホワイトビールと一緒に注文されたのが
このミニなコロッケ。

中は茶色で、イワシのつみれのような色。
でも、練り製品ではなく、じゃがいものコロッケでもなく、、、
不思議なコロッケでありました。

マスタードをつけて食べますが、
ホワイトビールとよく合い、
食前には、3人でもこれで十分な分量でありました。

オランダに出かけられましたら、
是非、試してみてください。

ちなみに私は、昨日早速近くのお店に言って
ホワイトビールをテイクアウトで買って、
「ヒューガルデンのがあるよ」ということで、
350円で買ってきて飲みました。

明日は、ベルギービールjapan から届くのを
賞味したいと思っております。

校正も終わったし、ちょっとうっしっしな週末です。
みなさまもよき週末をお過ごしくださいませ。


白ビールをレモンとともに

2008-08-21 | 国際アイルランド
ギネスのついでに、「白ビール」の話を少し。

これは、「白ビール」である。
レモンのかけらをいれて飲む。
非常にさわやかで、女性好み。

ライデンに友人を訪ねた時のものであるが、
小さなコロッケとともに注文した。

食事の前に、ちょっと一杯ひっかけようという
趣向のビールであったが、
そんな時にぴったりの軽いビールだと思った。

なんでも、ビールは普通は大麦から作られるが、
それに加えて生の小麦をかなり大量に使用するとホワイトビールが
できるそうな。
たんぱく質の含有量が多いので泡もちがよいそうだ。

しかし、すこし濁っている。
この濁りを嫌う醸造所はたんぱく質が少ない冬まきの小麦
(ウィンター・ウィート)を使うそうである。

「ベルギービールJapan」というサイトにいろいろな情報が載っており、
購入することもできる。

http://www.belgianbeer.co.jp/

私も、さっそく1本買ってみよう。

アイルランドで飲むならギネス

2008-08-20 | 国際アイルランド
再び、話はアイルランドに戻る。

アイルランドに行ったら、絶対ビールはギネスGUINNESS と
言われていた。さわやかな黒ビールである。

なんでも、
「イギリスのギネスも混ぜ物が入っているから、
真正ギネスではない。アイルランドのギネスはhoney だ」
とのことで、楽しみにしていた。

写真にあるように工場は大きく、一帯にひろがっていた。
市内の観光名所で自在に乗降りできる「Hpo-on Hop-off」バスでも
「ギネス倉庫」という名所があり、訪れることができる。

人気があるらしく、たくさんの人が降りていく。
何でも、出来立てのギネスを飲ませてくれるというのだ。
でも、高い。20ユーロ(3,400円)くらいしていたかと思う。

それに、待ち時間が1時間半とのこと。

結局、できたてギネスの賞味はあきらめて、
バスにもどったが、その待ち時間に人気のほどが知れるだろう。

ギネスは1756年創業の醸造会社で、創業者はアーサー・ギネス。
使われなくなっていたセント・ジェームズ・ゲート醸造所を、
年間45ポンドにて、9000年契約で借りたのだそうだ。
でも、なんで9000年なんだろう?

これがその醸造所で、聳え立っている感じ。
壁面のレンガが美しい。

今では、認可を受けて各国で生産されているようで、
だから「イギリスのギネスは偽者だ」と、いうことになるのだろう。
しかし、イギリスの醸造書は2005年に閉鎖されたと、
ウィキュペヒアにあった。
もしかしたら、2005年以降は真正ギネスが輸出されているのかもしれない。

同じく、ウィキュペディアによれば、最近では「アフリカのギネス」が
話題になっているらしい。
認可を受けて各国で生産されているためであって、
アフリカのそれは、アルコール度8%と高いらしい。

パブでは、1パインと、半パインとという形で売っているが、
半パイントで3ユーロくらいだったように思う。

ねぎってはいけないネギースではなく、ギネスである。

僕は、てっちゃん

2008-08-17 | プライベート
7月には長く家を空けましたが、
ずっと待っていてくれたのは、
愛犬「てっちゃん」。
(もちろん、家族も、、、ということにしておきたい)

犬種は、グレート・マルチ・シバーン。
れっきとした雑種で、
ARK(アニマル・レフュージ関西)からもらってきました。

このヒトミで見つめられると、もうダメです。
「早く帰ってきてね、ママ」という気持があふれています。

ARKでは、飼い主をなくした犬やネコ、棄てられたワンちゃんを
保護して、新しい飼い主を探す活動を続けています。
http://www.arkbark.net/

英語教師として日本にこられた
英国人のエリザベス・オリバーさんという方が主催されていますが、
「英語の教師は誰でもできるが、この仕事は私しかできない」
と、教師の仕事をやめて、ワンちゃんやネコちゃんの保護の
仕事に取り組んでおられます。

阪神大震災の時にも、多くのペットが飼い主を亡くし、離れ離れに
なったようですが、その時には、600匹以上のペットを保護されたそうです。

このてっちゃんも、棄てられて公園を放浪していたところを
保護されたようで、生後8ヶ月のころに我が家にやってきました。

放浪していた時に、子供にいじめられたのか、子供を異様にこわがって、
いまだに基本的に人間を信頼していないようなところがあります。

また、散歩の時には、地面をくんくんかいで、食べ物を探しながらでないと
歩けない下品なやつです。

ペロペロなめるのは、おかあさんを思い出して甘えているのだそうですが、
てっちゃんは、私をママだと思っているのか、
一緒にいる時は、口のあたりをぺろぺろペロペロ舐めまくっています。

「あなたが言っていることは、僕(犬)にはしっかりわかります。
 だから、たくさん話しかけてください」

この言葉が獣医さんの待合室の壁にかけてありました。

だから、たくさん話しかけています。

人間以外の生き物と気持を通わせるというのは、
とってもいいことですね。

ぼくは「てっちゃん」。
「デンばあ」とかいうおばさんともども、よろしくお願いいたします。



高知市老人会のよさこい

2008-08-16 | プライベート
よさこいの参加者は多彩である。
県外参加者が多いことに驚いたが、
やはり何と言っても、地元住民がいちばん多いだろう。

「十人十彩」も高知の病院の院長先生が主催するチームである。

また写真にあるように、高知市老人会もこのようにチームを組んで
出場していた。
赤い腰巻に浴衣という、超オーセンティックな衣装。
10年くらい前は、こうした衣装のみだったのかもしれない、
と、思わせる正統派である。

がんばれ!老人会。
お顔を覗かせていただいたが、
80才くらいの方もすばらしい踊りをされていた。
こちらは、女性のみでありました。

ちなみに、本日の高知新聞には、
高知市老人会連合が「戦争体験を語る会」を開催して、
77才の窪田さんという方が、40名の参加者にお話をされたようである。

http://203.139.202.230/?&nwSrl=230756&nwIW=1&nwVt=knd

私たち世代は、親から戦争の話を「原体験」として聞くことができた。
実際には、聞いたことはありませんが、、、
祖母などの口を通して、父の兄が戦死したことを
「あの子が生きていたら、どんな人間になっていたことか、、、
 (つまり、戦死した長男はもっともできが良かったということ)」
「弟がシベリアから帰ってきたときは、あんたのお父ちゃんと
 抱き合って泣いていた」
というような形で聞いて育った。

老人会がこのような形で「戦争を語り継ぐ会」をされているというのは
地域社会がしっかりしている証拠かもしれない。
19箇所あるという審査場も、各町で用意されているようで、
これもコミュニティがしっかりしていればこそ、できること。

よさこいでは、大きなお金が動くが、地域という基盤があるからこそ、
できる祭りであるのだろう。

そして、平和であればこそ祭りもでき、福祉について語ることも、
オリンピックを鑑賞することもできる。

昨日は終戦記念日だった。
平和について、皮膚感覚で考える大事な日だ。



よさこいの経済効果を勝手に試算する

2008-08-15 | プライベート
おはようございます。

こちらは、「上総組」の踊り。
この笑顔がいい!
つくり笑ではなく、楽しみながら踊っていることが
伝わってくる。
(しかし、この暑さ!20%は作らざるをえないかも?)

これは、最前列の踊り子の方の様子であるが、
最前列にはイチバンの踊り手が配列されることは、
素人目にも明らかである。

何しろ、審査の評価は最前列の印象が重要であるから、
前から順に上手な踊り手を配していくのだ。

よって、この方の笑顔は「上総組」サイコウの笑顔なのである。

なぜ、「上総組」なのか?

そう!

上総の国(千葉県)から来なさっているからである。
総勢100名を超える連を組んで、高知まで踊りに来ているのである。

話を聞いてみると、高知出身の方々が中心で、里帰りをするような形で、
高知に踊りに帰ってきているそうな。

血が騒ぐんでしょうなあ。
だって、よちよち歩きの子も踊ってるもん。
(「東京花火」は早稲田大学の連。このように、よさこいは高知在住の人々ばかり  でなく、全国の高知県人が心のふるさと求めて帰ってきて参加している)

炎天下、ずっとこの笑顔で踊って、本当に楽しそう。

そこで、「よさこい」の経済効果を勝手に試算してみた。

例の「「十人十彩」は、参加費として3万円を払うそうだ。
最後の打ち上げコンパ費用も含めて。

そのほかに、連を主催している病院の院長先生は、
かなりな額をポケットマネーから出しているはず。

先導トラック、巨大アンプ、衣装のデザイン代、音楽の作曲代、
振り付け代、振り付け指導料、練習の会場代、、、
きりがない。

また、1.9万人の踊り手に対して、10--20万人は来高しているだろう。
踊り手の支払った費用 3万円 × 2万人 
観客が落としていく観光費用(2泊として)
           3万円 × 10万人-20万人

ざっと、36億から66億の経済効果があることになる。
あまりなどんぶり勘定に驚かれたかと思うが、
高知の経済活性化に何がしかのよき影響を与えていることは
確かである。

市内に「ひろめ市場」という、倉庫を改造して作った露天の集合体
のようなものがあり、夕食はそこで食べた。

求人誌があって、パラパラとめくって見ると、
県外での組み立て工募集の情報であふれていた。
(平均月収が30万円前後)

このことから、高知には仕事がないことが理解できる。
高齢化率も非常に高い。

地方都市は、給料が安いが物価も安いし、
みなさん土地もち、家もちで、生活は全体として
ゆかたである、という印象を受ける。

それに、「いごっそう」「はちきん」気質がある。

人々はよさこいで「完全燃焼」する。
来年も、8月9日~12日。
是非、行きたい。










よさこい祭り「十人十彩」

2008-08-12 | プライベート
ところ変わって、こちらは
土佐は高知のよさこい祭り。

行ってまいりました!この暑いさなかに、もっと熱い高知へ!
ブログも夏模様にバージョン変化。

瀬戸大橋を通って淡路島へ渡り、鳴門大橋から徳島へ。
さらに四国を中央部を西に走って、
高知へと南下します。

四国の山間部は、40を超えるトンネルが続き、
「トンネルを抜けるとそこは大雨であった。外が見えなくなった」
というくらいの土砂降りで、おまけに対面の高速道路。

しのつく雨の中を、ふと見ると80キロで走ってる。
即座に減速して、50キロまで落としました。
それくらい、お先見えない状態で、少し走ると
今までの雨がウソだったような快晴。

高知は、よさこいの間、ずっとピーカンでした。
南国の太陽は強烈でした。

そんな太陽の下で、踊るよさこい。
今年は192チームが出場し、1万9千人が踊ったようです。

写真は、昨年の金賞を受賞した
「十人十彩(じゅうにんといろ)」のおどりです。

よさこいは、鳴子(手にもつ楽器)をもち、
「土佐の高知のはりまや橋で、ぼんさんかんざし買うを見た」
の歌を入れる、あとひとつ忘れましたが、規則はこれだけ。

衣装も音楽も自由で、そのバリエーションを見るのも
ひとつの楽しみです。

約2ヶ月をかけて練習をし、本番に臨んでいるようです。
大きなアンプを搭載し、歌い手を乗せたトラックに先導されて
チームが踊ります。
高知市内に10ヶ所ほどの審査会場が用意され、
道路で踊ります。
まち全体がよさこいの舞台と化します。

踊り手たちは、毎日5ヶ所以上の審査会場で踊りますから、
次々と移動しなければなりません。
各審査会場での結果が集計され、「十人十彩」は、
昨年に引き続いて金賞を受賞したようです。

でも、その上に大賞というのがあって、
大賞は「ほにや」チームが受賞。
すみません!これは写真とれませんでした。

さて、審査会場から次の審査会場への移動は、、、
予算がないチームは路面電車に乗って、
お金持ちチームは専用バスで移動します。

見るほうも、路面電車を使って移動しながら、
お目当てのチームの踊りを見る事ができます。

踊り手の笑顔が美しい!
笑顔で踊っているかどうかが、審査の基準にもなるようで、
踊りが好きじゃなきゃあ、あの笑顔は生まれないでしょう。

「よさこい」は、踊り手も見る人も「はまる」模様。
私もブログに「はまって」いるけれど、
「はまる」って、いいことです。


消えたネルソン像

2008-08-08 | 国際アイルランド
写真は、ダブリンの「リージェント・ストリート」とも言える
オコンネル通りにそびえ立つポール。
ほんまに、キレイでした。
(写真は、オコンネル通りに直行する通りから撮っています。
 オコンネルでね=オコンナイでね。
 バカ!説明が必要なような駄洒落はやめろ!)

このオコンネル通りには、その昔、イギリスの英雄ネルソン提督の
銅像が立っていたそうな。

ネルソンは、1800年代の初頭に、トラファルガーの海戦で
ナポレオン軍を破り、フランスの英国上陸の野望を打ち砕いた
英雄であります。

その昔、オコンネル通りには、ネルソン提督の像が鎮座ましまして
おったが、独立後取り払われたらしい。
アイルランド人の心情からすれば、当然といえば、当然。
でも、ネルソンは、オコンネル(怒っている)でしょうねえ。


その代わりということではないが、
spire(スパイア)と呼ばれる
120mの高さのポールが、非常に印象的でありました。

とにかく高く、オコンネルの銅像がクラシックであるのと
対象的に超モダンでありました。
地面の部分は、10人くらいが手を広げて囲っても
まだ囲えないくらいの立派なポールでした。

ちなみに、ネルソン提督といえば、
イギリスのトラファルガー広場に、その立派な像があります。
4匹のライオンも大きいです。

明日から高知のよさこいを見にきますが、
7月〆の原稿ができていません。
がんばります。



みなさまも、どうか良い夏をお過ごしくださいませ。
本日は、オチがないので、駄洒落2発でまとめてみました。
オコンネルでね!

三つ葉のクローバーとケルト的霊性

2008-08-07 | 国際アイルランド
まだまだ、アイルランドの話が続く。

写真は、ダブリン市内で見た輪タクである。
ロンドンでも、ロッテルダムでも見たので、
流行になっているようだ。

後ろに見えるみどりのダブルデッカーは、
自由に乗り降りができる市内の循環観光バス「Hop-on Hop-off バス」である。
一般のバスも、ダブルデッカーで、英国の影響と思われる。

本日は、輪タクの話でもなく、二階建てバスの話もでもなく、
これらの色「みどり」について。

アイルランドでは、「みどり」は特別な意味を持つ。
そういえば、インフォメーションセンターにあるみやげ物は緑一色で、
天井まで積まれたみやげ物で、視界が一時的に緑に染められる程であった。
市内の乗り降り自由の観光用の「Hop-on Hop-off Bus」も緑一色。

その「みどり」は三つ葉のクローバーから来ている、という。

そして、三つ葉のクローバーは「父と、子と、精霊の御名によって、アーメン」
という「三位一体」の「三位」を示しているそうな。
と、司馬遼先生の本「アイルランド紀行I」にあった。

アイルランドにキリスト教を伝えたのは
セント・パトリックであり(385?-461)、
彼が「三位一体」の教義を教えるのに、
三つ葉のクローバーをかざして見せて
「葉は三つに分かれいるが、よく見ると1枚の葉なんだよ」と
わかりやすく、説明した。

また彼は、カソリックの絶対神とその厳格な教義を押し付けることなく、
土着のドルイド教の神々をも認めた。
このことが、土着の人々(つまり、ケルト人:註デンばあ)のキリスト教
受容を促進していった、らしい。

そして、アイルランドの土着の神々は妖精として生残ることになった
というのである。

ここまでが、司馬遼先生の本からの孫引き。
以下、私のひとりごち。

キリスト教は、その布教過程で、土着の宗教を否定し、封印してきた。
それらを悪魔や魔女にしたてて、正当化をはかってきた。

しかし、アイルランドでは、セント・パトリックという
寛容なる人物によってその教えが広められたため、
カソリックでありながらも、土着宗教と共存するという
特異な発展を遂げた。

土着の神々はかれらの幻想のなかで、「妖精」として
肯定的に行き続けたのである。

だから、自己アイデンティティは強烈にもちながらも、
周辺部理解というのか、正統からはみ出す部分への理解にも
寛容であり、困難時にも夢見がちであり、
困難な英国支配を生き延びて、寛容に、明るく独立を
勝ち取ったのではないか。(飛躍がすぎる?)

司馬遼先生は「ケルト的霊性」という。

今回のアイルランド行きの目的は、は学会出席だったため、
アイルランド人との接触は正直なところ、それほど多くなかった。

しかし、最初のアイルランド体験はパブでのバカ騒ぎであり、
トリニティカレッジでの学生のさわやかな態度であり、
大学寮内での若者の親切さであり、テンプルバーの裸男であり、
もの悲しいアイルランド民謡であり、
スタディ・ツアーで出かけた先での市役所職員の異様な明るさであり、
仕事に誇りをもって新しいチャレンジをする姿であり、、、、

「ケルト的霊性」に結びつかないかもしれないが、
デンマーク人に通じるものを多く感じ取っていた。

しまりのない内容となってしまったが、
アイルランドのキリスト教(カソリック)は、かなり特異である
ということである。

そのことは、この国にキリスト教を伝えたセント・パトリックが
寛容にも土着宗教を認めことによるものであり、
かれの教えは「三つ葉のクローバー」によって説明された。

そこで、今、
アイルランドのテーマカラーは「緑」であり、
町中に「みどり」があふているのである。

そういえば、国旗もオレンジ・白・緑。
フランスやイタリアと酷似していて、え?と思うが、
この「みどり」も、セント・パトリックから来ているのだろうか?


アイルランドの「ケルト的霊性」をよく物語るのが、
ダブリン生まれの詩人イェーツであるという。

それから、ダブリンのあるホテルで写真を見かけたが、
小泉八雲も、アイルランド人。
なっとく、である。

医薬品輸出大国アイルランド

2008-08-06 | 国際アイルランド
アイルランド空港の写真である。
ロンドンに向かう朝の様子。

そう私は、その前日19:00の便に乗ろうと17:00に空港に
向かったが、空港のレーダーの故障のために
市内に帰ることとなった(7月22日に詳しく報告)。

翌日のフライトも、その日のホテルも自分で予約して
自分で払いと言う。
「なんとご無体な!」とは思ったが、ここは命を守るために
文句言うより、クーモン先」とばかりにホテルを予約して、
市内に舞い戻ったのであります。

そのホテルは、69ユーロでバスタブ付き。
家庭的で、清潔で、言うことなしのホテルであり、
しかも、オコンネル通りの北の端という、絶好の立地。
そこで、気をよくして、市内に繰り出し、路面電車「ルアス」に
乗って、郊外の様子を見て回っていたわけであります。

翌朝は、6時まえのバスで空港へ。
親切なホテルで、朝5時半から特別な朝食を用意してくれた。

寝ぼけ眼でコーヒーを飲んでいると、、、、
ここからが、本日の本番。

男性3人が「席に座っても良いか」とやって来た。
私は
「ねえちゃん、めしでも食わへんけ?」と、誘われるほどの美女ではない。

込み合う店内で、隣の人がいなくなったため、
4人がけのテーブルを1人で占領していたのである。
要するに、席が不足していたわけ。

気さくなおっさん達でいろいろと話かけてくる。
彼らにとってみれば、日本人、韓国人、中国人の見分けが難しいらしい。
私が日本人であることを知ると、
「僕らは、何人かわかるか?」という。

皆目わかりません。

「ぼくら二人は Deep Irish。彼は、Engulish」
「来た来た。Deep と来たな」とは思っても、
違いについては、皆目わかりません!でした。

しかし、ことさら「Deep」と表現するところに、
かなり強烈なアイデンティティが匂ってる。

また、その英国人が、日曜日に音楽番組のDJをしている
ピーター・バラカンそっくり!
私の目の前に座っていたので、いちばん目に入る。
「知ってるか?」と、聞きたかったが、その名前が思い出せない。

Deep Irish については、
でかい、目が青い。くらいの特徴しかつかめなかった。

アイルランドに何しに来た?何をしてる?という話になり、
Deep Irish の一人が、
「日本の九州によく行く」と言う。

聞けば、医薬品の仕事をしていると言う。

その時、私はアイルランドが世界に誇る医薬品輸出国だとは
知らなかった。
げに、無知は損なり。

世界の製薬企業の多くがアイルランドにグローバル拠点を
設けており、世界で最も売れている薬剤25種のうち、12種が
アイルランドで製造されているという。

しまった!

アイルランド空港のコーヒーショップで、隣り合わせになるなんて、
何かのご縁である。
お友達になっておけば、良かった。

このようにして、私は、イギリスに向かうのであった。
この先、無事でありますように。