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退職間近な社員の年休取得と引継ぎ

2012-06-15 | 日記
Q148 退職間近で業務の引継ぎをしてもらわなければ困る社員が,退職日までの全ての所定労働日に関し,貯まっていた年給を使って休みたいと言ってきました。年給取得を拒んで,業務の引継ぎをさせることはできますか?

 社員の年休取得を拒むことができるというためには,時季変更権(労基法39条5項)を行使できる場面でなければなりません。
 ところが,退職後の日に年休取得の時季を変更するわけにはいきませんから,退職間近な社員が年休をほとんど使っていなかったような場合は,時季変更権を行使できないことになります。
 そのような場合は,使用者が強制的に,退職間近な社員の年休取得を拒むことはできませんので,当該社員と話し合いの上,年休の一部を買い取る旨の合意をするか,退職日を先に延ばすなどして,引継ぎをしてもらうほかありません。

弁護士 藤田 進太郎