パンダとそらまめ

ヴァイオリン弾きのパンダと環境系法律屋さんのそらまめによる不思議なコラボブログです。
(「初めに」をご一読ください)

条文のコピペ~テロリズム関連条約

2007-03-20 23:54:42 | ロースクール
 ちょっと「お仕事」の一環でテロリズム関連条約をさらーっとさらう機会があって、強烈なDéjà vuがしたので。条約間で条文コピー&ペーストし過ぎ!と思ったのです。

 日本の国内法もよく見れば(いやよく見なくても)同じようなパターンというかスキームが金太郎飴のように繰り返されています。環境ネタ(だけじゃないけど)の典型的なのは一般的な禁止&基準→許可→違反時の行政命令and/or罰則だし、動産登録に規制が絡むものだと登録義務→基準→検査(&型式指定)→登録→違反時の行政命令and/or罰則だし、行政指導の法定化は指針→勧告か、判断基準→勧告・公表・命令→罰則だし、支援法ネタは計画→認定→優遇税制・低利融資・利子補給だし、土地利用は・・・っとそろそろしつこいので止めますが、最近横断的なネタで官邸に○○本部を設置とかが多いみたいで、なんでこうなるかというと極端な話スキームごとコピペして対象だけ変えて+αの微調整を加えているわけですね、早い話。っとまぁそれだけでも入れ替える対象がどうかとか、その既存のスキームにフィットするのかとか、微調整はこれだけでいいんですかとか、いろいろ議論はあるわけですが、こういうのと違うinnovativeなことをやると途端に大変になる(ただ、一般論ですがスキーム自体の有効性を問わずにコピペするのはいかがなものか)。

 んでテロリズム関連条約なのですが、スキームが似すぎています。もうええ加減にせぇというか何と言うか。大体こんな感じ。
  ○特定の行為を定義、犯罪化
  ○締約国の管轄権を定式化
  ○締約国に違反者の訴追or引渡しを義務付け
ってまぁ骨はコレダケ。あとは「特定の行為」が航空機ハイジャック、船、人質、大陸棚プラットフォーム、核テロ等々と違うだけで、その他レポート義務とか物質取り扱い義務とか+αはありますけど、まぁ骨は一緒。別に効いているならコピペ自体がダメという気はしないけど、スキームの有効性をレビューをした形跡もないし・・・。こんなので毎度長々と交渉してるんですか、核テロ防止条約なんて交渉開始から採択まで8年半もかかったのですかと思うと腹が立つ本当にご苦労様です。いや実はそれなりに理由があるというか、というのも包括的対な国際テロリズム対処条約を作ろうという話が同時並行であったのでそっちが暗礁に乗り上げてるのでなかなか大変なんだろうなと。ちなみにもめているのは「国際テロリズム」の定義だそうです。ピンポイントでいうとイスラエル占領地域が入るのか入らないのかという話。そりゃもめますよね

 別にテロだけじゃなくってあらゆる条約全般にコピペの世界ですけどぉ、ボイラプレートというかハンコ押しの連発はいかがなものか、いやコピペだからダメという気はさらさらないのですが、かと言ってコピペだからOKというものではないでしょうよという気が国内法だけでなく条約に対してもしたのでした、改めて。