やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

言語論5 ~2 言葉はなにを表しているか(2)~

2010年01月04日 | 日本語について

2 言葉はなにを表しているか 

(2)《世界》にはなにがあるか。

 ◆《世界》とは《言葉で表された【世界】(実物)のこと。

 すなおに考えれば、地球もふくんだ宇宙(=【世界】)には人がまだ知らないものごとがあり、当然それらのものごとには名前がついていない。だから、◆《世界》とは、《【人が知っている宇宙】のものごとを表した言葉が創っている世界》とも言える。

 これらの関係を数学の記号で表すと、《世界》(=【人が知っている宇宙】)⊂【世界】(=【宇宙】)となる。ここでは、とりあえず、◆原理的に (=絶対に)「言葉の《世界》は実物の【世界】そのものではない」ということをしっかりおぼえていてほしい。

 このように考えていくと、ヒトが言葉という道具を発明(発見?)したときに《世界》が生まれたことになる。つまり、人は、言葉を創りはじめたときに、「動物:ヒトとして本能的に」ではなく、「動物をこえた人として意識的(理性的)に」【世界】を知りはじめたと言える。


 
では、言葉を創る(=ものごとに名前をつける)とは、実際にはなにをしているのか。

  
~物語2:「しか(鹿)」もおいしい!~

 およそ10万年前、いのししを表す[いー]という《声の言葉》を発明した洞穴に住む一族は、かしこい男の子の活躍でつぎつぎと新しい言葉を創っていく。

 [いー]のつぎに生まれたのは[しか]という言葉。

 おいしくて力のつく【いー】を知り、狩をして食べるようになった一族は、棍棒を太く長くするなど、だんだん狩の道具や技術を発達させていった。そして、ある日、《いーではないけもの》を殺し、一族で食べることができた。それは、いーよりもさらにおいしい肉だった。

 男の子は、そのけもののことを一族みんなが知り、また猟の獲物にすることができるように、いーの絵のそばに《いーではないけもの》の絵を描き、「しか」という名前をつけた。

 この物語のように、最初の言葉を発明したあとに、「別の《それ》に名前をつける」ということは、「《それ》が《今ある名前の表すもの》とは《違う》ということを知り、すでにある名前とは違う名前をつける」ということ。つまり、名前は《それ》と《それ以外のもの》を《区別》してつけるのである。


 
《世界》を大まかに区別・分類してみよう。


■《もの》(物)・・・水 石 草 犬 太陽 ヒト / 人 文字 もち() 家 服 自動車

■ものの変化(動き・状態)(=《できごと》)・・・雨 風 波 群れ / 漁 祭 旅

■ものの変化2・・・始まる 生む 見る 出る / 計る 組む 建てる

■もの
のようす・性質(=属性)・・・大きい 青 青い 早い / 三 数
 

□もの・できごと・属性などの関係を表す・・・上 夏 明日 / 兵士 仕える 王様 売買


◇人の感情・・・嬉しい 楽しい 幸せ 欲しい 愛 / 悲しい 苦しい 不幸 憎い

◇価値・・・良い 福 美しい 勇ましい / 悪い 罪 汚い 臆病

◇思考・・・(信じる 疑う) 比べる 計画する 考える 論理


●複合・総合・抽象的な言葉・・・物 変化 できごと ようす 性質 / 村 国 産業 科学 / 感情 価値 思考 真理 命 魂 神 

 ~次回 (3)《それ》と《それら》 に続く~

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