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八尾北医療センター労働組合

藤木 好枝 執行委員長

8・8地域医療交流集会の報告(その2)八尾北医療センター院長 末光道正さんの講演 vol 6

2021年10月02日 | 新型コロナ感染拡大に立ち向かい、医療崩壊とたたかおう!
講演1 「コロナ禍に立ち向かう地域医療の現場から」 八尾北医療センター院長 末光道正さん 

都合により、6回に分割して掲載しています。今回6回目(最終回)です。 





 (6)ワクチン万能論は破綻しています   

① 長い医療の歴史の教訓から、

どの国でも新しい薬を使う前に、治験を行って効果と安全性を確かめるということが前提になっています。ワクチンもおなじです。
ところが今回の遺伝子ワクチンは、いままでとは全く違う新しいワクチンです。
ファイザーの説明書には、「現時点では感染予防効果は明らかになっていません」「本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります」と書かれていますが、ほとんどの人はこれを読んでいないと思います。
効能や副反応がよくわからないワクチンを、「非常時」だからという理由で、緊急使用しまいました。これは人体実験だと思います。

② 今回の遺伝子ワクチンは、

二回目の発熱が4割近くあり、倦怠感や筋肉痛で仕事ができないくらいきついという人が多く出ています。
死者が7月21日までに751人もでているにもかかわらず、ほとんど因果関係ははっきりしないとされ救済制度の対象にもなりません。
最近のデータから、コロナに感染した人の免疫が暴走して血栓などの重症化や死亡につながっていることが分かっています。同じことがコロナのスパイク遺伝子をつかったワクチンを打った人に多発していることは偶然ではありません。
60%の人が2回打ったイスラエル、イギリス、アメリカで感染拡大が始まっています。免疫低下や、変異株が原因と言われています。だからと言って3回目、4回目と打てば副反応で死者が増えるだけです。ワクチン万能論は破綻しています。
ワクチンパスポートはが打った人と打たない、(打てない)人の間に差別が生みだします。重症化しにくい若者まで年齢を下げるも反対です。
フランスでは接種が義務とされて反対のデモが起きています。当然だと思います。

③ わたしは患者さんから相談されたときは、

「打っていいとも悪いとも、とにかくまだなにも分かっていない。十分情報を知ったうえで考えて決めてください。打つなら何か変わったことがあればすぐに病院に行くように」と言っています。
また理学療法やマッサージは1週間経過を観察してから再開するようにしています。

④ 日本の接種は

国立病院、公立病院の医療従事者からはじめました。いまでも「白い巨塔」が続いているところです。お上の言うことに反対出来ない雰囲気を作り出すのが狙いだったと私は思います。多くの職場でワクチンを打たなければやめざるをえない雰囲気になっています。
良心的な医師や学者がSNSでワクチン強制を批判すると、そこに必ず厚労省のコマーシャルが入って妨害しに来ます。フェイスブックやグーグルは検索して削除しまくっています。
戦時中の報道管制と大本営発表、そして総動員が始まっていると感じます。

⑤ 再び戦争を起こさせないための行動を起こすのは今です。

私たちは、もう一度戦後革命の中で生まれた地域医療の原点に立ち返ることが必要です。ワクチン万能論ではなく公的病院や保健所を元に戻し、人を正規で増やし、検査を充実させて早期発見・早期治療(隔離)する、そして必要な補償をさせる行動が今問われています。
コロナパンデミックを生みだした資本主義を根本から変えて労働者が主人公の社会をつくりましょう。その最後のチャンスが訪れています。
命を守り戦争に反対する労働組合を職場につくりましょう。国際連帯を広げましょう。
地域医療交流会にぜひ参加してください。ともに闘いましょう。 


8・8地域医療交流集会の報告(その2)八尾北医療センター院長 末光道正さんの講演 vol 5

2021年10月01日 | 新型コロナ感染拡大に立ち向かい、医療崩壊とたたかおう!

都合により6回に分けてアップしています。vol1~3は9月に掲載しています。今回は5回目です。 

(5)2020年コロナパンデミック

① 感染症に対する考え方が問われました。

「熱が出ても4日間家にいなさい」「危ないから喉をみないように」というFAXが厚生労働省と医師会から送られてきました。私たちは地域医療を引き継いでいた経験があったので、迷うことはありませんでした。直ちに感染対策委員会を設置し必要な医療をやると決め、4月にテントを張りました。動線を分けて熱のある人を診察し、喉も診て検査をするためです。
11月にはインフルエンザ、コロナ検査も開始しました。
風邪は万病の元といいます。熱が出た初めの4日間が大切なのです。色々なものが隠れています。
これまでに発熱外来を訪れた人は175人。多くは上気道炎、熱中症、胃腸炎、腎盂腎炎でした。しかしコロナ陽性の患者さんが6名、白血病や結核性脳脊髄膜炎など大きな病気も見つかりました。

② 熱が出たときは無理をしないで休養をとり、もともと人が持っている自然免疫を高め、なおかつ隠れた病気を早期発見、早期治療することが必要なのです。
松田道雄先生は「育児百科」の中でそういうことを地域医療の原点として書かれています。
みなさんも思い出してみてください。お母さんに氷嚢で頭を冷やしてもらって、ものすごくしんどいなという2~3日が過ぎたら、急に幸せな気分になる。あんなことを何回も繰り返してここまで元気に生きてきました。ある意味ではウイルスのおかげで、普段無理していたことが、ちょっと休憩して、学校も休んで、次に同じウイルスが来てもそんなに高い熱が出ない、ということを今まで繰り返してきました。
だからウイルスを悪者にだけ見るんじゃなくて、ウイルスのおかげで気づくということがあるのです。そもそもウイルスや細菌と人類は共存してきたことがわかってきました。ウイルスに遺伝子をもらって進化したり、助け合ていることがわかってきました。一例として腸内細菌のおかげで私達は生きていくことができています。
今回の世界的なパンデミックは、資本主義の生産力至上主義が環境を破壊し、森林伐採を拡大し、温暖化を進めた結果が生み出したものです。「コロナは新自由主義が行き詰まっていることを警告してくれている。変えるべきは今の社会のあり方であり、資本主義だ」と考え方を転換すべき時がきていると思います。




8・8地域医療交流集会の報告(その2)八尾北医療センター院長 末光道正さんの講演 vol 3

2021年09月30日 | 新型コロナ感染拡大に立ち向かい、医療崩壊とたたかおう!
 講演1 「コロナ禍に立ち向かう地域医療の現場から」 八尾北医療センター院長 末光道正さん 

都合により、6回に分割して掲載します。今回3回目です。



 (3)1980年代にはじまった新自由主義は 

① 戦後の地域医療でみんなが闘ってつくりあげてきた公的なものを奪う攻撃でした。その狙いは、労働者のための施設を民営化して、資本家の富にかえることです。
同時に正規職を非正規にし、労働運動や解放運動を潰してバラバラにする攻撃です。労働組合と地域の団結だけが、これを打ちやぶる力だと確信し、2000年に八尾北医療センター労働組合を立ち上げて闘いました。国鉄の分割民営化を打ち破っている動労千葉に学んだのです。     

② 国、大阪府、八尾市は嘘と騙しと脅しの、ありとあらゆる攻撃をかけてきました。
例えば私が60になる2003年に、勝手に定年制をでっち上げて、私を退任させようとしました。そもそもこの地域が被差別という理由で医師がこないのですから定年制はありませんでした。当然大反撃で姑息な狙いを粉砕しました。
既成のすべての解放運動指導部が八尾市と手を組んでいました。「大きな病院が引き受ける用意がある」との圧力も私達には通用しません。200人を超える結集で、利権のための民営化を止めてきました。
八尾市は2010年に、最後の手段に出てきました。診療所を明け渡せという裁判です。議員をしていた私を議会から排除して満場一致で採決したのです。私達は傍聴席を満杯にして闘いました。市長は警察をよべと言いました。八尾市議会はじまって以来のことでした。裁判闘争が始まりましたが、法廷はいつも満席。提出された命の訴えは300筆にも上りました。そして2012年記念すべき5月24日の判決で、私達は全面勝利を勝ち取ったのです。このように民営化攻撃と真っ向から闘って生き残ったのは大阪府下で解放運動をになう27医療機関で八尾北だけでした。


  なおこのつづきは、10/5にアップします。

8・8地域医療交流集会の報告(その2)八尾北医療センター院長 末光道正さんの講演 vol 2

2021年09月30日 | 新型コロナ感染拡大に立ち向かい、医療崩壊とたたかおう!
 講演1 「コロナ禍に立ち向かう地域医療の現場から」 八尾北医療センター院長 末光道正さん 

都合により、6回に分割して掲載します。今回2回目です。



(2)感染症対策は地域医療の原点でした

 ① 昨年の中国武漢の封鎖、ダイヤモンドプリンセス号の隔離を見ていて、ああ西郡の天然痘流行の時と同じだと直感しました。
当時1947年、八尾市と保健所は、感染が一般地域に広がらないよう、警察の力を使って村人を隔離しました。人々は武漢やダイヤモンドプリンセス号と同じように、狭い地域にとじこめられてつぎつぎ感染し、十分な医療も受けられず、子供達を中心に200人が亡くなりました。
しかし西郡住民の団結は強固なものでした。ロシア革命の影響をうけて、米騒動、全国結成と闘ってきたからです。住民は悲しみを怒りにかえ、自分たちで、お金や、資材や、労力を出し合って、医者も探してきて、生きるための診療所を作りました。これが八尾北医療センターの前身である西郡平和診療所です。

② こうした闘いは西郡だけではありませんでした。
敗戦後の焼け野原に立って、誰もが二度と戦争を繰り返さないと誓いました。
1947年の2・1ゼネストには全国の労働者が職場で組合を作って闘いました。
戦争、貧困、劣悪な環境のために感染症が蔓延し多くの人が亡くなる中で、生きていくためには医療を取り戻すことが最大の課題でした。
1944年の長野県佐久、50年の京都西陣、51年八尾西郡 52年高槻富田とつぎつぎ住民が診療所を建設しました。呼び掛けに応えて、若い青年医師が大学を去ってここに参加しました。

③ 当時の大学は、満州(現在の中国東北部)で人体実験をした、731石井細菌部隊の生き残り達に支配された「白い巨塔」でした。その影響は現在も「にこにこしていたら放射能は近づいてこない」とか「遺伝子ワクチンはリスクより効果が高い」と言っている御用学者に受け継がれています。
戦後地域医療の先駆者であった、長野の若月俊一さん、京都の松田道雄さんや早川一光さん達は、こうした「白い巨塔」=医局を去って、地域に入って行きました。
立ち上がる労働者、住民が世の中を変える力を持っている、「革命が近い」と感じたからだと思います。

④ 戦争反対という共通の土台をもっていた地域医療には、大病院にはない多くの特徴がありました。
第一に、「助け合って、自分たちの命は自分たちで守る」という気概です。
高度な医療機器は無くても聴診器一本で胸の音を聴き、脈をとり、おなかを触り、早期発見、早期治療で予防を重視する医療に徹していました。
できるだけ薬に頼らず、自然免疫をつけるために、食事、運動、睡眠を大切にしました。

⑤ 第二に、病気の原因と闘うことでした。
1960年西郡に赤痢が4年連続集団発生したとき、直ちに労働組合と解放同盟西郡支部が防疫委員会(今でいう感染対策委員会)を作りました。聞き取り調査で原因が井戸水にあるとつきとめ、阪大公衆衛生教室と保健所の協力を得て、34あった井戸の水質検査を行いました。すると34全部が汚染されていて飲めないことが分かったのです。
差別のため西郡だけ上下水道が通っていませんでした。
当時のトイレはぽったん便所で、共同井戸と隣り合わせでした。雨が続くとどぶ川が氾濫して、家の床まであふれ、トイレの汚水が井戸に流れ込んでいたのです。
何度も八尾市長へ抗議を行いましたが、いつも口先だけです。らちが明かないと言うことになって関係する担当部長を全員村のお寺に連れてきて、連日連夜交渉をかさね、ついに予算を組ませました。診療所を拠点にしてみんなで使う公的なもの、上下水道、住宅、学校、保育所を作らせ、そして診療所も八尾市の責任で建て替えさせて八尾北医療センターとなりました。

⑥ 第三に、当時すでに感染症予防に対する原則を作ったことです。
小児麻痺から子供を守る運動、ポリオ闘争は全国の母親や労働者の切実な要求でした。西郡はじめ多くの被差別でも、積極的に取り組み、広範な大衆の統一行動に発展していきました。
そして1961年、不活化ワクチンのメーカーや学会の妨害にも関わらず、厚生大臣に「私の責任において」と声明を出させて、ソ連製生ワクチンの使用に踏み切らせました。その結果、年間5000人を超えていた小児麻痺の大流行もほとんどゼロにまで止めることが出来ました。西郡では大阪府で一番早く実施されています。
その後「治験抜きの国産生ワク実施に反対する闘争」などをへて、感染症予防に対して次のような原則を作りました。
(1)環境衛生を改善して感染を予防し、生活を向上させて免疫力をつせさせろ
(2)早く検査して感染者を隔離し生活保障を含めて治療しろ
(3)予防接種については
1。安全で有効なワクチンを開発せよ、
2。無料で多くの人が受けられるようにしろ
3。事故や副作用の予防に努力し起これば完全に保障よ

この要求は現在の新型コロナ感染で通用する内容です。
いずれも1960年安保闘争と結びついて闘われました。

8・8地域医療交流集会の報告(その2)八尾北医療センター院長 末光道正さんの講演 vol1

2021年09月29日 | 新型コロナ感染拡大に立ち向かい、医療崩壊とたたかおう!
 講演1 「コロナ禍に立ち向かう地域医療の現場から」 八尾北医療センター院長 末光道正さん 

都合により、6回に分割して掲載します。今回1回目です。



(1)改憲戦争につきすすむ菅政権と維新の会を倒しましょう

コロナショックによる新たな世界大恐慌が米中対立を深めるなか、菅政権が改憲、戦争のために強行した五輪が、東京発の感染爆発をもたらしています。
しかし青年学生を先頭にした7月23日の五輪粉砕デモと、職場からの動員拒否の闘いが菅政権の狙いを根本で粉砕しています。
資本主義が生み出した感染拡大と恐慌・戦争を、労働者人民の力で止めましょう。
BLM、香港、ミャンマー、、、世界中で生きるための闘いが広がり、階級として一つになっています。闘えば必ず勝てます。医療・福祉の現場の声を上げて、戦争に突き進む菅政権と維新の会を倒しましょう。

私から、2年前に開始した地域医療交流会の議論と、八尾北医療センターの日々の実践を通して、掴んできたことをお話ししたいと思います。