今年から国民スポーツ大会へと名称が変わった国民体育大会(国体)。1946年に始まり毎年都道府県の持ち回りで開催される国体で2035年以降は3巡目に入る。国体については以前から「大会の肥大化」「開催地の経費負担」の課題が取り上げられており、大会の巨額の経費の大半を負担する自治体の重荷を鑑みて今後開催予定の知事は再検討の時期との見解の朝日新聞の社説。
実際2013年に国体観戦をしたが大勢の若者たちの躍動感は実に気持ちの良いもので、さらに遠方からの選手に対しては応援にも熱が入るものの、実際にごくごく一部の競技が報道される程度でゴールデンタイムにテレビ放映されることもなく、オリンピックと比べると地元の盛り上がりも費用対効果も少ない面は否めない。2030年の冬季オリンピック誘致を断念した札幌のようにオリンピックでさえ開催地に名乗りを上げる国が少なくなっている現在、様々な面で曲がり角を迎えているのは間違いないと思う。その気づきのきっかけは東京オリンピック2020における新国立競技場の整備計画(2015年)のドタバタを始めとするコロナ禍からの延期とほぼ無観客での開催で加速したような気がする。
2019年を始めこれまで何度も書いたようにオリンピックでの都市開催ではなく、サッカーやラグビーのような国単位の開催にすれば施設建築が不要になる。現に「東京」オリンピックにも関わらずマラソンは札幌で開催されている。国体であれば競技場が用意出来る県で行えばよいので関東や関西等の地域別での開催または隣県との共催に切り替えても良いのではないだろうか?夏の甲子園でも今夏から暑さ対策で開催日程が変更されるように2021年に書いた「脱甲子園」も現実的になっている。ただ「都道府県対抗形式」の他「開催県は予選無しで出場出来る」などの骨格は良いとしても昔から都市伝説のように聞いたことがある「開催地の優勝」についてはこの時代では論外だろう。
どちらにせよスポーツはやはり素晴らしいことは間違いないので、良い方向へ進んで欲しいものである。