2016年に余命3ヶ月の宣告を受けてからも作品を作り続けた映像の魔術師・大林宣彦監督が逝ってしまった。享年82歳。
私にとって大林映画はやはり「転校生(1982年)」「時をかける少女(1983年)」「さびしんぼう(1985年)」の尾道三部作である。映画ロケ地を訪れる聖地巡礼のさきがけとなり、実際私も2014年に尾道を訪れている。
その後も「ふたり(1991年)」「あした(1995年)」「あの、夏の日(1999年)」の新尾道三部作を作り続けたが、録音技師が「尾道も音が変わった」と言われるほど尾道の港にターミナルビルが出来、開発が進んで行く様子を監督曰く「いま行政がやっていることは『町おこし』ではなく『町こわし』だ」と21世紀に入って尾道で撮影することをやめてしまった気骨のある人だった。
私の一番好きな「さびしんぼう」を改めて観直そうと思う。心から合掌