東京下町・新小岩駅の不動産屋二代目のつぶやき

東京の下町・葛飾区新小岩で今年創業49年を迎えました不動産屋の二代目が気ままに書き綴った独り言ブログです。ブツブツ・・・

ご近所トラブル

2013年01月21日 09時40分06秒 |  不動産屋の話~トラブル編

先日の新聞に「子供の歓声にすら苦情 増えるご近所トラブル」とのタイトル記事が掲載されていた。

1974年神奈川県で起きたピアノ騒音を理由に階下の母子三人を刺殺した「ピアノ殺人事件」から、2002年宇都宮で20年来トラブルにより近隣住民を猟銃で二人を殺傷した事件、2005年の奈良県で2年以上もラジカセを大音量で流していた女が傷害容疑で逮捕された(通称騒音おばさん)例を挙げながら、過去のご近所トラブルは古くて新しいと位置付けていた。警察庁の統計によると、昨年近隣関係や家庭な゛をめぐり全国の警察に寄せられた安全相談は約16万6千件で、2007年と比べ3割ほど増加しているとのこと。

騒音問題など近隣トラブルに詳しい大学教授によると「マンションの床は以前より厚さが増し、騒音対策もされたのに苦情は減っていない。音に対する感性が変わり、敏感になっている」と指摘し、15年前から苦情件数は増え始め、2000年ごろからは学校や公園などで遊ぶ子供の声への苦情や、蝉や蛙の鳴き声に対する苦情についても行政に寄せられるとのこと。

原因としては、社会心理学の大学教授曰く「他者をもてなす場であった縄張りに人を入れなくなり、自分の殻に閉じこもる人が増えた」と分析。また独り暮らしの高齢者などには「孤独なほど人と交わりたいという欲求が強まり、近所の言動が気になってしまう。しつこく苦情を言う人ほど、実はコミュニケーションを取りたがっているのかも知れない」とのこと。トラブル防止の為には知り合いや好感を抱く相手ほど音が気にならないという調査結果があり、「日頃から挨拶を欠かさず、隣近所とは交流することが大事」と前者の教授は言う。

ここまでは取り立て書くような内容ではないものの、記事の最後が非常に気になった。

それでも苦情を言われたら?との問いに対して後者の教授は「まず相手の話を聞くこと」と傾聴の姿勢が大事だとし、人の第一印象は変わるもので、話しているうちに「意外といい人じゃないか」となることもあり、「言い返さずに、聞き続けていることで、相手がすっきりすることもあります」と締めくくられていた。

そもそもの根本的な解決になっていない。苦情を言った者勝ちで、「盗人猛々しい」って感じである。一方的にうるさいと言われたらただ話を聞く・・・なんじゃそりゃ?である。言いなりじゃないか?である。以前も書いたようにここ数年、増加している騒音問題。根本的な理由はやはり「お互い様」の精神の欠乏である。どんな堅固な物件でも音は聞こえる。無音なんてことはあり得ない。それを承知した上での共同生活である。もちろん非常識な騒音もあるが、ひとつひとつ「常識の判別は?」を説明しなければならないことに目眩すら感じる。

社会に出る際に最低限の常識やルール、マナーを教えるのはやはり「親の躾」である。何度も何度も言うように「テレビ・ラジオの音量には気を付ける」「椅子を引き摺ったら下に響く」「ドアは静かに閉める」「深夜に洗濯や掃除機を使わない」・・・ごくごく当たり前の「常識」である。苦情だけは一人前なんて悲し過ぎる話である。

当社にひとつ備品が増えた。

「騒音測定機」

これを用意しなければならない世の中は決して良い方向へは進んでいないだろうと思う。

有限会社やな瀬不動産

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