14年ぶり

夏に掲示した新婚当初に住んでいた物件の退去が秋に終わり、内装工事をして、先日契約が終わった。

以前の入居者さんは約12年以上も住んで頂いたので、次に内見するのは何年後になるか分からないと、新しい入居者さんが引越する前にオーナーさんに許可を頂き、仕事の後に家族で見させて頂いた。

こちらには平成2年の新築当初から入居させて頂き、約3年間お世話になった。上の娘が1歳になる前に引っ越したので、下の息子は全く知らない。妻にとっては退去後14年ぶりの訪問で、三階までの長い階段を見てベビーカーを上げ下ろしした若かりし体力に感動していた。

結婚式の四ヶ月前から契約したのだが、なぜか住み始めることもなくそのまま荷物をポツポツと運び込んだだけだった。しかしある夜に突如思い立ち、ちょうど遊びに来ていた友人の手を借りて夜に引越をし、結婚式の一ヶ月前から私はひとりで住み始めた。今思うと夜逃げのように始まった初の一人暮らしだった。それまで食事や洗濯の仕方も知らなかった「箱入り」の私はこの一ヶ月で見違えるほど「独り立ち」することが出来た貴重な一ヶ月だった。

その後新しい家電や家具が運び込まれ、そして結婚後はお互いの習慣や躾の違いに驚いたり、感心したり、少しずつ家庭らしくなって行くのは何とも楽しかった。

あれから17年。「すべてはここから始まった」と思うと何とも感慨深いものがあるものだ。

有限会社やな瀬不動産