タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

とわの庭

2022年02月27日 | 読みました!見ました!

図書館から借りた「とわの庭」を読了しました。作者の小川糸さんの著作を読むのは、「ライオンのおやつ」に次いで2冊目です。「ライオンのおやつ」をNHKのドラマを見て知り、原作を読んで作者の小川糸さんを知り、今回2冊目の「とわの庭」を読むことに至りました。

小説の前半部分は、本当に読むのが辛くなる内容でした。前作の「ライオンのおやつ」を読んで心が清らかになる経験をしていたので、今回も同様のことを期待して本を読み始めたボクは、あまりに悲惨なネグレクトの状況に心が痛みました。

母と二人で暮らす全盲の少女「とわ」は、10歳まで母の愛情を受けながらも時には睡眠薬を服用させられ、社会と隔離させられて生活します。しかしその後、母親は「とわ」を捨てます。そこからの描写は胸が締め付けられる内容でした。

この記事のイラストも”いらすとや”さんのフリー素材を使わせていただきました

ゴミ屋敷の中で1人で暮らす全盲の少女。社会との繋がりはなく、やがて週に1度の食料と日常用品の提供も途切れます。このあたりの描写は本当に悲惨。読んでいて辛くなる内容です。

「とわ」は25歳で保護されます。この小説はここから一転します。25歳で突然世の中に放り出され、色々な人の手を借りながらも「とわ」は自立していきます。一夏のほろ苦い恋も経験し、盲導犬との出逢いをきっかけに自らの力で新しい世界へ踏み出し、目が見えなくとも幸せであることを噛みしめるのです。特に盲導犬「ジョイ」との出会いや数々のエピソードには、心が洗われます。

草木や花々、鳥の声。生命の力に支えられ、光に守られて生き抜く「とわ」。視覚障害者の感覚、心理をきめ細かく描き出して、それを通して世界の美しさ、自然の奥深さ、人の心の温かさを表現したこの小説。読む者に生きる歓びを実感させてくれる物語でした。

小川糸さん。この作家の小説をもう少し読んでみたいと思いました。


当ブログ「タケ・タケ・エヴリバディ!」は、この度のロシア軍によるウクライナ侵攻を厳しく批判するとともに、すべてこのウクライナ国民の皆さんに平和で平穏な日々が一日も早く訪れることを、心から願っています。世の中に戦争は必要ありません。NO! WAR!


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ロシアには大義名分がない! | トップ | ブログ開設から半月が経ちま... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読みました!見ました!」カテゴリの最新記事