コンブの日記

山登り、旅、その他コンブが感じたことを綴った日記です!

香港一人旅日記最終回

2006年07月26日 | 日記
今日は何をしよう・・・。
ガイドブックを広げてみる。
香港島には、おしゃれなスィーツのお店や、お粥の美味しいお店がけっこうあるらしい。
また朝の7時前だったが、すぐに出かけた。

おなじみスターフェリーに乗って香港島へ。
今日は台風が近づいているらしく、フェリーは揺れまくり、雨は横殴り。
でも、暑い香港では、気持ちがよいくらい。
フェリーを降り、気がついた。
手持ちの香港ドルが少ない!!!
急いで銀行に行ったが、朝早すぎて開いていない。
仕方ないので、銀行のビルの2階に入っているカフェで時間をつぶすことにした。

カフェでは、注文の仕方がよくわからず、オロオロしていた。
後ろから次々と客が入ってきて、せかされるのでメニューの一番上に書いてあったものを注文した。
「エスプレッソ・・・」
すると、態度の悪い店員から、オチョコみたいなカップに、微々たる量の黒い液体の入ったモノが渡され、13ドルを要求された。

すっくねーーー!!!!
ひとくちじゃん・・・。

しばらくその場でぼーぜんと立ち尽くしてしまった。
がーーーーーん・・・・。
すると、後ろから、「ベリースモーーーーール!!!!」という声が・・・。
振り返ると、でっかいカップに並々と注がれたコーヒーと、マフィンを手にした白人の初老の男性が私のカップを見て、気の毒そうな表情を浮かべていた。

紳士「私のこのモーニングセットは、20ドル、あなたのその小さなエスプレッソは13ドル。君は日本人かね??」(英語)
ワシ「ええ、日本人ですけど・・・。モーニングセットがあるなんて、知らなかったっす」(たぶん英語)
紳士「君はお腹が空いているかい?」
ワシ「ええ、まあまあ・・・。」
すると、紳士は店員からナイフを借り、自分のマフィンを真っ二つに切りはじめた。
そして大きな方を私にくれた。

ええーーー?!いいのかな???

彼は「では、素敵な時間を」とだけ言い残し、一番端っこの席に座り、ノートパソコンを取り出し作業を始めた。
お礼を言うタイミングを逃した・・・
私もその辺の席に座り、半分のマフィンとちっちゃいエスプレッソ(ほんとに一口だった)を味わった。

そして、帰り際にお礼を言いに彼の席に行くと、
「君はうーーーん、27歳だろう、そうだろう?」
年齢をピタリと当てられてしまった。
そして、
「君は香港をどのくらい観光したのかね?ヴィクトリアピークには行ったのかね?」
と聞かれた。
まだ行っていないことを告げると、
「時間はあるかい?今から一緒にどうですか?」と言われた。

おおっ、これは面白くなってきた!

もっちろん快諾し、この男性と一緒にヴィクトリアピークを観光することになった。
彼の名前は、Mr.エッディ、6?歳。定年を迎え、世界中を旅しているらしい。
出身国は?と聞くと、「ジャーマニー」と言う。
ジャーマニーってどこじゃい???
「ワールドカップの開催国だよ!」
ああ~~、ドイツね・・・。
しかし、エッディの英語はすっごくわかりやすいし、こちらの超ヘタクソな英語も理解してくれるので、生まれてはじめて英会話が成立した。
といっても、エッディの喋っていることは5割方しか理解できなかったが。

切符を買うとき、お金を出そうとすると、頑として受け取らない。
申し訳なかったが、ありがたく好意を受けることにした。

登山鉄道に乗り、山を登る。
すごい勾配を登っていくのでみんな斜めになっていて、キャーキャー大騒ぎだ。
エッディは、「チャイニーズはうるさい、あーいやだいやだ。」とぼやいていた。

山頂の駅に着くと、雨風は次第に強くなっていった。
が、私たちは公園内を歩く。
眼下には香港の風景が広がる。
香港島のビル群、濁った水色の海、遠くの山、島・・・。
すべてエッディの解説付きである。
彼は6年間、仕事で香港で暮らしていたらしい。
あの建物はなんだ、あれは何だと、やたら詳しいのである。(ほとんど何のこっちゃわからんが

雨は本格的に降り出した。
エッディは傘を持っていなかったので、一つの傘に二人で入った。
初対面の初老の男性と、台風の中デート・・・。
旅は何が起こるかわからない。
おまけに、彼は私を口説き始めた
しきりに私の目を見つめ、「ビューティフル・アイズ」と言っていた。
他にもいっぱい褒められたが、自分で言うのもバカみたいなのでやめとこう・・・。
西洋人の男性は、女性をいい気分にさせてくれるのだろうか。
それがマナーなのかもしれない。

やべ・・・オシッコしたくなってきた・・・
「トイレに行きたい」
と言うと、彼は、森を指し、「ここにでっかいトイレがあるじゃないか!」という。
野ションをしろ、と??すみません、得意分野です!!!
・・・とは言えなかったが、「あはは」と笑った。
さすがに公園なのでトイレはすぐに見つかった。

そのあと、チョンキンマンションに泊まっていることを話すと、かなり驚かれた。
「あんな汚いところに泊まってるのかい!!!」
「私はその隣の、ホリデーインゴールデンマイル(高級ホテル)に泊まっているんだ」
「よかったら、今からホテルのビュッフェランチをご一緒しないかい?」
ええっ!そんな、高級ホテルのランチなんて・・・。
しかし、世界旅行中にあんなホテルに泊まれるなんて、このオッサン一体何者?!
・・・ということで、山を降り、バスと地下鉄で九龍サイドに戻ることになった。
その間、いろんな話をした。
エッディは日本には来たことはないが、いろんな日本語を知っている。
「そうですか」「はい」「すみません」などなど・・・
多分、どこかで日本のビジネスマンが電話しているのを聞いたのだろう。
わたしゃドイツ語なんて知らんぞ!!!(自慢げに言うセリフではない)

ホテルに着くと、2階のレストランに案内された。
そこはビュッフェスタイルで、各国の美味しそうな料理が所狭しと並んでいる。
香港に来てこんな高そうなところに入るとは思ってもみなかった。
私はバイキングに来た気分で、多種類の料理をこれでもかというくらい山盛りによそった。
ケーキなんて、皿にのりきっていないほどであった。
エッディはビックリしていた。
「君はそんなに食べるのかね!!」
ああ、貧乏性ってみっともない。
もちろん残さず食い尽くした。
それでも食い足りなかったので、ウロウロしていると、窪塚そっくりのシェフが「焼きそば焼きましょうか?」と話しかけてきた。
目の前で、焼きそばを焼いてもらった。
地味に時間がかかったが、めっちゃうまかった!!!
今回の旅行で一番美味しかった一品であった。
すべて食べつくしたあと、彼が「トイレに行きたくはないかね?」と聞く。
私は「もちろん」といい(トイレが近いことがバレタ!!!)席を立った。
戻ってくると、「君はこれからどうするの?私は香港島に戻らねば」という。
そうだ、私たちは朝、香港島で出会ったのだ。
彼は何か用事があったのだろう、私が邪魔しちゃった。
メールを交換し、お金を払おうとすると、もう支払いは済んでいるという。
私がトイレに行っている間に済ませたらしい。
結局お金は受け取らなかった。(すごく高かったはず)
かっちょいいーーー!!!

お別れのとき、かたい握手を交わし、再会を誓った。
ありがとー!!
すごく楽しかったよ!!!

帰国してから、エッディからメールで、「私とあなたはあの日、恋に落ちたね。」と書いてあった・・・(恋だったのか?!?!


その次の日はマカオに行ったが、とくに面白いネタは無かった・・・。
道端のベンチで2時間も昼寝。おまけに道に迷って時間がつぶれてしまい、全然観光できなかったし・・・。


ということで、とびとびになってしまった香港旅行記はこれでおしまい!!
英会話はろくにできないし、ガイドブックもろくに読んでいなかったのに、何とかなるもんだなあ・・・。けっこう楽しめた旅だった。
ただ、現地人といまいちコミュニケーションが取れなかった。
現地語を少しでも勉強すべきだった。
次回は、冬に東南アジア・インドあたりに行きたいと思っています。
今度は長い旅になるし、宿も予約とかしないのでもっとかなり過酷だと思うけど、その分楽しめそう。
現地人とも仲良くなりたいし、自然を満喫できたらなあ~~。
実現できるよう、この何ヶ月かがんばりまっせ!!!

旅ってすごい。
自分の知らない世界を見れるし、いろんなことを感じたり、価値観が変わったり、揺れたり、さみしかったり、ビックリするできごとがあったり・・・
人生一度しかないし、きれいなもの、汚いもの、いろんなものを見ないと絶対損だと思う。
そして、旅の中で感じたことは、記録しておかなければもったいない。
だから、日記は続けていきたいと思う。